新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

「アジアでハローワーク」を読む

今日は午前中雨でしたが、午後から回復しました。株価はさすがに下げ止まったようですが、相変わらずギリシャ問題が重くのしかかったいます。それに中国の成長率が低下傾向にあるのですから、どうしようもありません。

 今日は1日忙しかったです。午前中は大学院生の修士論文の添削です。午後からは来週提出の中間考査問題作りです。初めての学校での試験なので相当緊張しています。この4年間高校とは無関係なので、それも緊張する原因です。

 さて、今日は学校の図書館から借りてきた本について書きます。ブログなどのサイトを見ても、これからは海外就職も視野にいれなければと書かれています。おじさん自身が海外就職したので、興味深い内容でした。おじさんは中国でしたが、韓国や東南アジアの就職についても書いてあります。

 そこで海外で働くことについて書きます。読んだのは上海を中心に中国沿岸部で働く日本人のことが中心です。一般企業だと沿岸部に集中しているので、そうなのでしょう。と言うのは、これを見ると内陸部で働いたおじさんにしてみれば、余りに給料が高すぎます。

 大体日本円で20万円くらい、悪くても15万円くらの人の話がでていました。もちろん、上海は中国でも別格に住居費も含めて生活費が高いのでそうだと思います。東京と地方都市との差どころではありません。ところで、おじさんがいたような、内陸部の都市の場合、各段に給料が安いです。ですから、この本だけを読んで中国での就職を考えると大変です。

 地方都市だと大体10万円以下と思って結構です。もちろん日系企業中国企業であっても特殊な能力や経験があれば別です。日本語教師の場合だと大卒で4500元(6万円くらい)です。企業の場合は千差万別なので何とも言えません。ただ地方都市の場合、部屋を借りても家賃が安いのでなんとかなると思います。

 時々海外の日本語教師公募サイトを見ていますが、以前と雇用条件は変わらないようです。日本語教師の場合、相手先が大体住居を提供してくれるので、生活は相当楽です。問題は医療関係です。海外で働いて一番怖いのは病気やけがになった時です。

 まず言葉が分からないので(たとえ外国語が話せても病状など微妙な表現が難しい)大変です。それから一流病院の場合、紹介やコネがあるか、海外医療保険の提携病院など特別な場合を除けば、病気になったからと言ってすぐに診てもらえません。

 またその病院さらには担当医師の医療技術水準自身がどの程度か不安があります。もちろん上海や北京などは別です。東南アジアの地方都市や中国の地方都市の場合、まともな病院がない可能性があります。そこに住んでいなくても、仕事ででかけた先で事故や病気になることもあります。

 ですから、まず海外で働くつもりの人は健康第一です。持病などがあれば絶対にやめた方がいいです。おまけ中国での収入に比べて一流病院の医療費は日本並みがそれ以上とられることがあります。それも前金です。

 体の病だけでなく、心の病の方も耐性がないと大変です。おじさんの場合、授業は日本語ですが、普段の生活は当然中国語です。全くしゃべれない(挨拶程度)ので、大変でした。ただ中国の場合、漢字王国なので、なんとか読むことだけはできます。

 話せなくても、書いてもらうと大体理解できます。おじさんの街にはほとんど日本人がいませんでした。いても企業の人でおまけに離れた場所に住んでいましたの、近くの大学の日本人の先生たちと時々飲み会をするだけでした。ツマクマが日本に帰っていた頃は授業がないと日本語を一言も話さない時もありました。

 おじさんの世代は「連帯を求めて孤立を恐れず」というスローガンで青春時代を生きてきたので何とか孤独を耐えることができました。若い方のように、いつも友達がないと生きられないとなるとちょっと大変です。事実留学生や若い先生(特に女性)の場合、一人ぼっちに耐えられなくなって、休暇で帰ったきり戻ってこない人もあったそうです。(おじさんの大学の中国人の先生から聞いた話)

 荷物がありますと言ったら、全部捨てていいです、2度と行きたくないと言ったそうです。そんなこともあって、男性のそれも人生経験の豊富な人を選んで採用しているとも言っていました。

 それから、中国はもちろん、台湾、韓国などでも完全な学歴社会です。学歴より実力などと言っても通用しません。まずどのランク(学士・修士・博士)なのかで給料が格段に違います。また学歴が高いほど雇ってもらいやすいです。同じランクだと後は出身大学です。もちろん大学入学偏差値が高い方が有利です。

 中国では私立大学になじみがないので、早稲田大学以外はほとんど知られていません。慶応大学でも反応は今一です。逆に国公立大学の評価が高いです。(地方大学でも)それから国立系教育大学(愛知教育大学など)の評価も日本より高いです。

 どうも日本の企業社会にあわない人の方が海外での仕事に向くようです。仲間とつるまない生き方が必要です。健康で精神的にも孤独に耐えられ、何カ月も日本語を使わず日本人と付き合わなくても平気な人が向いています。

 と言ってもおじさん自身、中国に行くまでは自分が3年間も中国での生活にたえられるとは思いませんでした。ですからやってみなければ分からないところがあります。もし、読者の方で大学中退や高卒の場合、とりあえず大卒の資格だけはとった方が良いと思います。

 入国ビザ特に就労ビザなどをもらう時に専門職とみなされないようです。日本語教師でも最近は修士号が最低資格になりつつあります。(おじさんの大学の外国語学部など)

 興味のある方はぜひ「アジアでハローワーク」を読んでみてください。もう一冊「K-POPがアジアを制覇する」を読んでいます。今電機業界などでは韓国が日本を追い抜いているようです。そんなこともあって、読んでみることにしました。ちなみに、昨日の中国経済入門のテキストでは、すでに韓国が日本を対GDP比で研究開発費を抜いて世界一になったと書いてありました。

 中国もイギリスをぬいて、どんどん日本に迫っています。衰退や失敗の最大の要素は古今の例の分析によれば「驕り」なのだそうです。近隣のアジア諸国を蔑視する論調がブログで見られますが、そんなことにならねばと思います。

 明日は、地方史講座と大学の地域支部の同窓会に行きます。