新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

地方史講座報告ー戦国時代の負傷者について

今日は朝から晴天でした。昨日は一日仕事(問題作成・模範解答作り)や予習で一日終わりました。今日は午前はのんびり過ごして、午後からは地域史講座に行きました。

 この地域史講座は、地元の歴史についての解説です。今日は地元の山城についての話でした。姫路城のような平地の城は近世江戸時代以降のものです。平地の城は基本的に政治・経済のセンターとしての役割で、戦争として重要だったのは、山城だったそうです。

 中世戦国期以前には山城が普通です。先生の話では、領主は普段館(やかた)と言われる小規模な城に住んでおり、戦いになると、山城に籠って戦ったそうです。山城ですから、石垣や水をはった掘りなどはなかったそうです。その代り、山の稜線に溝を掘って、稜線沿いに攻めてこれないようにした、掘り切り、味方兵士の移動や下から上がってくる兵士に石を投げたり、弓を射たりするために掘った横掘り、敵が横に位動できないようにする立て掘りなどがあったそうです。立て掘りは多い場合、200本以上あったそうです。

 これは全く知らなかった話です。どんなことでも、先生について勉強すると為になるものです。もうひとつおもしろかったのは、古文書で戦いの報告書を見たことです。その報告書では、戦いで怪我をした人間について、怪我の説明と名前などが書いてありました。

 傷は例えば刀傷とか槍による傷とかです。以前、ある本で戦国時代の戦いでは、負傷の大半は刀傷ではなく弓によるものだと書いてありました。人間だれでも、目の前で切り合うのは怖いので、まず弓で遠く離れたところから攻撃して、突撃するのはいよいよ最終段階だと言うのです。ドラマなどですと、槍や刀で戦っている様子が描かれています。

 現代で言えば、上陸する前に徹底的な艦砲射撃や空爆を行うのと同じです。おじさんは、「日露戦争軍事史的研究」(岩波書店)という本を若い頃読んだことがありますが、その中にも日露戦争の戦死者の大部分は砲弾によるものだと書いてありました。

 203高地のドラマなど見ると機関銃でばたばた兵士が倒れますが、あれは例外で大体砲弾による戦死が多いようでした。次に、ああやはりと納得したことがあります。皆さん、子供のころ石を投げて遊んだことがあると思います。もちろん、本当に当たるようなことはしなかったと思います。

 しかし、意外に知られていないのですが、当時戦闘用の石があったのです。確か「印地打ち」と言ったと思います。現代の野球の選手が140キロのスピートでボールを投げることができるのですから、訓練をした当時の武士なら100キロくらいのスピードは出たと思います。投石専門の兵士もいたと聞きます。

 武器になる石はただでいくらでも手に入るのですから、防御側も攻撃側も当然利用したと思います。ウッキペデイアによれば、日本でも投石器のようなものがあったようです。と言ってもローマ軍のような巨大なものでなく、手にまいた布のようなものなのだそうです。これが体に当たるのですから、大変です。露出している部分なら骨折してしまいます。頭などに当たると死んだそうです。野球のデドボールをイメージしてもらえれば分かると思います。

 威力は結構あったと思います。あの有名な旧約聖書ダビデゴリアテの戦いでも、ダビデは投石器でゴリアテを倒します。さて、古文書では「長門守僕従 新三郎 矢疵」・「新四郎代 石疵」とでています。古文書の書きだしは「田原常陸守被官被疵者」となっています。田原常陸守の家来(被官)で疵を負った者の意味です。8人上げられていますが、4人が矢疵で3人が石疵となっています。残り一人は「手火」と書いてあって、小さく矢と付け加えています。

 火矢なのかもしれません。ちなみに刀傷・槍傷・鉄砲傷はいません。講師はほとんど郷土史家の人ですが、よく調べていておもしろいです。この講座は8月まで月2回です。ところで、この学習センターで別の講座を見つけました。企業の決算書の見方を教える講座です。正式には「超入門決算書の謎を読むPART2 財務諸表分析の基礎と応用」です。

 おじさんは、日本経済新聞を隅々まで1時間かけて読んで理解することもできますし、株式投資の40年以上やってきましたが、恥ずかしいことに財務諸表関係のものはさっぱりです。いわゆる会計学関係の知識が0なのです。5回の講座で5000円なので行ってみようと思います。

 こちらは市の講座ではなく、近くの私立大学の講座です。先生はその大学の先生です。定年後少しずつ地域の講座に顔を出すようにしています。年金生活なので、余りお金が使えないので、こんな講座を見つけてでかけるようにしています。

 明日は日曜日なので教会です。