新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

まだまだ続くヨーロッパ経済危機を考える。

今日は曇り空でした。おとといは授業、昨日は大学院と忙しくてブログを書くことができませんでした。今日は午前中は庭の草刈りです。梅雨前に草刈りをしておくとずいぶん違います。

 最近はブログで取り上げたいニュースが多くて困っています。しかし、ブログの読者の傾向はアゴラやブロゴスの意見(コメント)欄を見ると大体分かっているので、炎上を恐れて書くのを控えています。

 ブロゴスの方がアゴラの読者よりさらに攻撃的です。日常会話では使わないような、相手を侮辱するような言葉がよく使われています。やはり匿名性と仮想空間(WEB上であること)が大きく影響しているのだと思います。昔、普段穏やかな人が運転中は人が変わると聞いたことがあります。

 運転は非日常的な空間(車内という日常から切り離された空間)なのでそうなるのだと思います。ある本で、過激な意見を書く人に直接会ったら普通の若者でどちらかと言うとおとなしそうだったと書いてありました。

 特にブロゴスの意見欄などを読むと、ある年代以上の常識的な物言いを好む人には、読むに耐えないものもあると思います。このような意見をいくら書いても、ある年代以上の人(簡単に言えば50代以上の人)には嫌悪感を抱かせても、影響力を持つのは難しいでしょう。

 さて、ぼやきはこのくらいにして、今日も株式市況は下落していました。日経平均のグラフを見ると、去年から今年の5月までの傾向は大きく二つの山と谷に分かれています。去年の夏ころまでが一つの山です。そこから下降線をたどり、去年の年末くらいから大きくもう一つの山を作ります。その山も今日の段階で完全に崩れてしまいました。

 原因は報道されている通りヨーロッパの財政危機です。これが解決しない限り、今回の下げは終わらないと思います。今日とうとう対円ユーロは96円台に突入しました。以前は130円越えまであったのですから、高値から30%以上の下落です。

 対ドルも円高に振れています。理由は安全な通貨への資本の逃避です。いくら財政赤字は膨大だと言っても現在の経済状況から考えて日本が一番安全だと言うのは世界の常識です。最大の強みは膨大な国民の預貯金です。

 他の国では考えられないほどの額です。おまけに政治が混乱しても政府の民衆弾圧もなく、びくともしない国民生活の安定があります。食料危機もないし、暴動もないし、宗教紛争も、民族問題もなく、失業率も外国とは比較にならないほど低いのです。多分世界で一番安全安心な国でしょう。

 ところで、ヨーロッパはどうなるのでしょう。一番悪いのは、このまま危機を抱えながらだらだら進むことです。病気でもそうですが、一気に悪くなっても、その原因が取り除ければ回復も早いでしょう。具体的にはギリシャのユーロからの離脱です。

 多分そうはならないでしょう。以前の通貨に戻しても、財政が回復する見込みはありません。通貨安をてこに輸出を増やそうにも、ギリシャには観光資源以外売るものがありません。逆に通貨安から、大変なインフレになるでしょう。そう考えると、ギリシャ国民も、ユーロ離脱は望まないでしょう。さりとて、緊縮財政はいやだということですから、だらだら危機が続くと思います。

 すっりき離脱すれば問題解決かと言うとそうはならないでしょう。次はどこだということで各国は疑心暗鬼になり、次々に離脱する国が出る可能性があります。そうなれば、世界的な経済危機になります。日本はヨーロッパ向けの輸出がそれほどでもありませんが、中国は大きいので影響もあるでしょう。

 今安心な国の国債が買われて金利がどんどん低下していますが、ギリシャ危機が解決して、今度は国債の売りが出て、金利が上昇したらそれはそれで大変です。日本国債については、日本の時限爆弾だと思います。いつ爆発するか分からないけれど、これまで大丈夫だったから取りあえず大丈夫だという妙な安心感の上に立っています。(時限爆弾の理由については又書きます。地銀の株が下がっている理由も国債問題だと思います。)

 まさかそんなことはないだろうと安心している時が一番怖いです。チャンスの後のピンチのように、円高の後に急激な円安がくることもあります。90円台くらいなら輸出に有利ですが、100円台になると輸入物価への影響もあります。

 ただ庶民は経済変動に対抗する手段がありません。リスクの大きい外貨取引などやれないし、株も怖いし、債券(国債金利は安いし、預貯金も銀行倒産の可能性があるし、タンス預金は盗まれる可能性があるし、困ったものです。

 やはり地道に働いて節約しておくしか生活防衛の手段はなさそうです。来週大学院の授業発表があるので、土曜日から準備を始めます。発表内容はまた報告します。