新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

外の眼内の眼ー政治・経済についての評価の違い

今日は蒸し暑い1日でした。昨日は大学院の授業が夜まであったのでブログはお休みです。中国経済論は基本的な内容ですが、受講生がおじさん以外全員中国人なので、中国人の学生さんの意見が分かっておもしろいです。おまけに指導教官はおじさんと同世代なので、話やすいです。

 人間環境論は環境考古学に関する本を読んでいます。先生はおじさんよりちょと若い50代後半の方です。受講生はおじさんも含めて3人です。一人は若い学生さんで、パプアニューギニアに調査に行ったりする人です。もう一人の方は40歳くらいの女性で他の大学の先生です。作業療法士の養成の学校のようです。

 この授業では来週の土曜日現地調査を行うそうです。もちろんおじさんも参加します。調査担当者はおじさんと同じように高校を定年退職して大学院に来ている方なのだそうです。

 ところで株価はとうとう日経平均9000円台を回復しました。アメリカ経済がおちついているのと、ヨーロッパのユーロ問題がとりあえず小康状態だからでしょう。しかし、ギリシャだけでなくスペインも危険な状態だし、ドイツはユーロ共同債に否定的なので、まだまだ予断を許しません。

 別のサイトではイギリスもユーロ離脱を考えていると報道されていました。ヨーロッパ経済がやられると中国への影響が大きいので心配です。中国と日本の貿易は完全に中国の輸入超過になっているからです。もし、中国の経済成長が止まれば、日本の輸出も減少するからです。

 さて、今日はまず政治や経済は国内の視点と海外の視点では大きく異なることを書こうと思います。タイトルを分かりにくくしているのは、消費税増税国債問題や橋下市長のことなどを取り上げているからです。過激な書き込みを防止するため目立たないタイトルにしているのです。

 まず外国の例を考えてみましょう。ギリシャを筆頭に南欧諸国の財政赤字問題です。ドイツを筆頭に緊縮財政を求めています。アリとキリギリスではありませんが、さんざん楽をした南欧諸国に対してドイツなどはけしからん反省しろと言っていますが、南欧の政治家は別として庶民は反対です。

 おじさんもドイツの言うのはもっともだと思うのですが。日本でも戦争に負けてから経済復興までは苦しい生活に耐えたのです。ドイツも同様でしょう。

 アメリカの医療保険制度に対する反対も日本人には理解できないところです。世界一の長寿国になれたのも国民皆保険制度があったからです。中国にいた時一番不安だったのは、医療問題です。医療水準の問題もありますが、いくらお金がかかるか分からない不安がありました。

 日本だと高額医療については健康保険からお金が出るので安心です。アメリカでは相当数の国民が保険に加入できず治療を受けられず死んでいるそうです。銃の規制問題でもそうですが、これも日本では考えられません。危険な銃を野放しにするより徹底的に取り締まれば銃犯罪はなくなると思うのですが、自分のことは自分で守る方が政府によって守られるよりよいと考えのようです。

 逆に日本では反対の大合唱の消費税について、諸外国では増税は当然とみなしています。国債が膨大な額にのぼっても全く庶民は危機感を持ちませんが、諸外国の経済専門家は危険だと認識しています。ですから、日本では評判がさんざんな野田首相でも、よく決断したと評価されています。

 ひるがえって日本国内でも、増税問題や財政赤字問題、原発再稼働問題でも庶民と評論家では意見が異なります。評論家や財界では増税原発再稼働問題では政府支持です。それに対して庶民レベルでは大反対です。ここでも庶民(内)と評論家(外)では意見が異なります。

 橋下市長の評価でも同様です。庶民は喝采を送り、評論家は厳しい評価をします。保守派の雑誌でも評価は真っ二つです。保守派における評価の違いについてはすでに書いたことがあります。ブログを書き始めて8年近くになりますが、この8年間の書き込みを通して現代の思想の流れが分かってきました。

 時代が閉塞状況の時には、様々な思想が出てきます。そして結局はどれかに収束していくのです。その要件としてやはり技術革新があると思います。新しい機械の出現が産業革命を生み、それが新しい社会を作りました。その行き詰まりから現代社会ででき、IT革命からグロバリズムがでてきました。

 また既成の社会(社会民主主義・・平等思想)を打ち破るものとして、個人の責任を重視する新自由主義がでてきています。橋下市長は新自由主義の寵児なのでしょう。(それ故伝統主義の保守派は許せないのでしょう。)おじさんの立場は増税は仕方ないし、国債暴落に備えるべきだし、原発は再稼働しながら徐々に廃炉へもっていくべきだという立場です。

 橋下市長が率いる維新の会やその他の第三極の政党や地方政党に期待したりする向きもありますが、この勢力が政権を握ることはないと思います。仮に政権を握れば、日本は戦後80年を待たずまもなく崩壊するでしょう。この政党の主張が世界に通用するはずはないからです。

 民主党以上の政治の混乱をもたらすでしょう。高次方程式のように複雑な現代政治を船中八策程度の簡単で粗雑なマニュフェストで解決できるはずはないからです。所詮は素人集団なのです。

 明日は友人のミヤジイと会います。