新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

いじめ自殺事件について考える。

今日は曇り後雨の天気でした。おまけに朝バス停に傘を忘れてさっぱりです。都合よく学校の非常勤講師室に傘があったので、助かりました。

 おじさんの勤務する学校は特殊法人の学校なので、普通の小中高と違って7月いっぱい普通どおり授業があります。科目数が多くて授業時間が確保できないからでしょう。まあ仕方ないところです。夏休みは8月いっぱいだけで9月からは新学期が始まります。(大学なら10月から新学期です。)

 株価は底打ちをしましたが、値上がりするほどでもありません。日本だけでなくアメリカも下落傾向です。中国については、明らかに成長率が停滞しています。ざまあみろという人もいますが、対中貿易は日本の圧倒的な輸出超過なので、困るのは中国に輸出している企業です。

 大幅に輸出額が減少していると思います。以前はアメリカがくしゃみをすると日本が風邪をひくと言われましたが、今は中国がくしゃみをしたらアメリカと日本が風邪をひく状態でしょう。これでもし中国の政治が混乱さいたら、日本企業としては最悪の状態になるでしょう。

 まあそんなことにはならないと思いますが。さて今日は最近また話題になっている「いじめ自殺事件」についてです。いじめはどの時代にもありましたが、高度成長期が過ぎ、少子化が進んだ頃からひどくなったようです。いじめの特徴は容赦ないところにあります。

 おじさんが子供の頃は、手加減というのがありました。兄弟が大勢いたので、兄が小さい弟を連れて遊んだりしていました。そんな時は小さい弟は「ままこ」(おじさんの地方の方言)と言って様々な義務が免除されました。例えば鬼ごっこの時は鬼になる必要はありません。

 なぜなら、小さな子なので大きな子を捕まえたりできないからです。幼い子(弱者)は皆で保護するのが当たり前で、そんな子を標的にするなど卑怯だとされました。弱い者いじめをすると、必ずそんなことはやめろと言う権威ある子供がいたものです。

 現在の若い方からすると団塊の世代はぼろくそに言われますが、本当にそんな権威ある子供がいたのです。おじさんが中学の時も学級委員(当時は級長)がそうでした。皆が掃除をさぼっていた時でもまじめにやりました。そのくせとてもひょうきんなのです。家は貧しかったと思います。

 でも成績は抜群で、中学の2・3年の2年間で1回しかクラス2位になりませんでした。それ以外はずっとクラス1位です。そんなに運動も得意でなかったです。何かトラブルがあると彼が調停しました。そうすると結構収まるのです。

 彼は給与が貰える気象大学校に進学し、気象庁に勤務しました。当時競争率が30倍と言われました。旧帝大の工学部にも合格しました。彼の実力なら医学部でも合格したと思います。

 残念ながら、おじさんが教師になってからはそんな権威ある生徒にはほとんど会ったことがありません。ただどちらかと言うと進学中心の高校にそんな権威ある生徒がいた気がします。

 ところで、いじめ問題の責任はどこにあるのでしょうか。もちろんいじめる生徒が一番悪いのですが、全く問題がなくていじめをする生徒はほとんどいません。ほとんどの場合、いじめる生徒には何か問題があります。親から愛されてなかったり、生徒自身が他の友達とうまくいっていないこともあります。

 生徒を指導するために先生がいるのです。ですから先生が一番責任が重いと思います。小中高の先生という仕事の重要性は教科を教えること以上に、生徒が人間として成長させることにあるのです。授業のうまさでは塾や予備校の教師にはかなわないでしょう。教科に関する知識なら大学教師が一番でしょう。

 しかし、小中高の教師にとって代えがたい価値は生徒をきちんとした人間に導くことです。これができなければ教師としては失格です。いじめを止めることができない教師はどんなに教科指導ができてもダメです。

 おじさんも一度だけクラスでいじめらしきものがありました。その時は本気で怒りました。どんなことがあっても許さない覚悟でした。おじさんのクラスは大体和気あいあいとした雰囲気が多いのですが、その時だけ軽い気持ちでしょうが、いじめの萌芽が見えました。

 生徒はやはり先生が怖いです。先生が本気で怒れば、体罰を加えなくてもいじめなどやめます。それもできるだけ早い時期がいいです。病気と同じです。軽いからと言って見過ごすと取り返しがつかなくなります。最初はいじめをする生徒はごく少数です。それを教師が見過ごすと、付和雷同する生徒の数が増えるのです。

 いじめを防止する最大の方法は、クラス内にいじめを悪とする世論と作ることです。人間特に子供は何と言っても大人より純粋です。いじめが良いことだと思っている生徒はいません。ただいじめを許さないという強い気持ちを持っている生徒は少数です。

 大半はどうでも良いと思っています。この大半の生徒でも先生がいじめを許さないという強い意志を示し、実際にそれを行動で示せば、先生の言うことを聞きます。おじさんでもそうですが、生徒は皆先生に好かれたいと思っているのです。先生に嫌われたい生徒など例外中の例外です。

 教師がその点に気がついてもらえれば良いと思うのですが。教師も大勢いますので、皆がそうできるとは限らないのかもしれません。明日は大学院の授業です。