新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

株式市況に見る日本経済の現状

 今日も朝から晴天です。とうとう夏を象徴する蝉が鳴き始めました。昨日までは全く蝉の声がしなかったのですが、お向かいのお家の庭から聞こえてきます。

 昨日は授業が一日中あった上に、放課後専任の先生方との打ち合わせ会があったりしたので、ブログはお休みしました。今日も午後から大学院の授業があるので朝からブログを書いています。

 昨日は1日ネットを見れなかったので、帰りのバス停の前の銀行の掲示板で日経ダウ平均だけ見ました。28円安だったので、大した変化はないと思っていました。

 ところが今日の新聞を見てびっくりです。ダウ平均の値下がり以上に大きな変化がありました。それは現在の日本の経済状況を表すものだと思ったので、今日はこれについて書いています。株式相場に興味のない方も多いと思いますが、株式市況は経済の体温計のようなものです。

 目に見えない体の重大な変化を知るにはまず体温です。高熱がでているのに健康であるはずはありません。また微熱でもそれが続けば重大な病気が疑われます。

 株式相場では年初来高値(今年の最高値)とか年初来安値(今年の最安値)という言葉があります。今年も半分近く過ぎました。その中で年初来高値をつけていると言うことは、業績が順調に伸びているか、伸びる可能性があるということです。昨日は値上がりした株が371社なのに、値下がりした株が1166社もありました。全面安と言ってよいでしょう。

 その中で年初来高値をつけた業界はどこでしょう。それが単独の会社でなく業界として存在するのです。それは薬品業界です。アステラス製薬塩野義製薬中外製薬などはどなたでも知っているでしょう。そんな有名な会社でなくても、日水製薬などと言ったあまり知られていない会社まで高値をつけています。

 もうひとつは食品業界です。ヤクルト・キッコーマンカゴメなどです。

 一方多くの有名企業が新安値をつけたのはどこでしょう。まず電機業界です。かって日本を代表したソニーがその筆頭です。TDK・NECなどもそれに続きます。世界的に知られたロボットメーカーの安川電機もあります。

 金属・機械・化学・ガラス業界も総崩れです。世界のコマツも安値をつけています。金属では日本の代表的な製鉄メーカーの住金とJFEが安値です。化学で日本を代表する昭和電工住友化学がそうです。ガラスでも旭硝子です。旭硝子はとてもすぐれた技術を持っているのです。

 貿易を支えている海運業界も同様です。川崎汽船商船三井も安値です。

 つまり、輸出産業が壊滅的な状況にあると言うことです。それに多くの労働者を雇用する、鉄鋼・電機・機械・化学などのメーカーが軒並み安値をつけています。かって日本は輸出立国・技術立国と言われました。そして労働者を多数雇用したのもそのような企業とその関連企業です。

 それらの企業の株式が年初来安値をつけるということは、これから半年先まで日本の経済は厳しと言えます。株式は半年先を見通すと言われるからです。

 高齢社会になれば病気になる高齢者が増加するのは常識ですから、薬品会社の株をあがるのも納得できます。また、収入が減少するので、家で食事をすることも増えるでしょう。そうなれば、調味料が売れるのも納得できます。

 これを見ると日本の雇用状況の回復は難しいでしょう。それは日銀がお金をどんどん市中に出して変わるものではありません。国内需要はすでに限界に達していると思います。つまり外需頼みなのです。今世界中で成長の核になる国がありません。

 従来であれば、アメリカ・ヨーロッパ・中国などの国が成長して外需を引っ張りました。その期待も現状ではもてそうにありません。個人として何ができるかと言えばしっかり貯金をして生活防衛をするくらいです。そして、いつかアメリカやヨーロッパ、中国の景気が回復を待つのです。

 とても投資など勧める状況ではありません。おじさんも債券などが償還されますが、ひたすら定期預金などで目減りを防ぐ方針です。現状を見る限り、少なくとも半年もしかしたら1年くらいは間違いなくデフレが続くと思います。

 ただ株式を買う必要はありませんが、株式市況だけは注目しておく必要があると思います。これを書いて昼食をとったら大学へ行きます。