新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

集団的自衛権の難しさ

昨日から別荘の手入れに行っていました。梅雨も明けて夏日になったので、その前に草刈をしておかないと大変なことになります。中国滞在中は休暇中しか行けなかったので、帰国時はジャングルのようになっていました。今は月に2回程度行っているので、随分違います。

 そんなわけで昨日はブログはお休みしました。今日帰ってきました。明日は仕事なので仕方がありません。今日の午前中は草刈り三昧でした。それでもまだ草が柔らかいので午前中に刈り終わりました。

 株価は相変わらず低迷です。ヨーロッパの金融情勢が最悪なので仕方ありません。ユーロも対円では下がりぱなしです。このままでは90円台すれすれまで下がりそうです。ヨーロッパがあの状況では株価が上がるのは当面無理なようです。

 さて、最近オスプレイ問題で大騒ぎです。国民の側からすればあんな危険な飛行機など配備するなということでしょう。ところで最近集団的自衛権が問題になっています。これは自国が攻撃されなくても同盟国が攻撃された場合、自動的に戦いに参加するというものです。

 現在のところ日本はアメリカ以外の国と軍事条約(安全保障条約)を結んでいません。中国に対抗するため集団安全保障体制を構築するべきだとの意見もあります。そのどちらも極めて難しいです。それは単に憲法上の制約だけではないのです。

 今回のオスプレイの問題などがその典型です。沖縄基地問題のような恒久的な基地の場合などは当然大きな問題を抱えていますが、オスプレイは単なる輸送機の配備の問題なのです。沖縄基地問題が戦略的な問題だとすると、オスプレイの場合は戦術的な問題です。

 地域住民や地域自治体の反対はおじさんも良く分かるののですが、集団的自衛権は相手のあることなのです。アメリカ側にとってオスプレイの配備は戦略的な意味があるのです。戦術的な意味だけなら、配備をやめることもできるでしょうが、オスプレイの場合、アジア戦略のかなめとなる飛行機なのです。

 日本政府もアメリカ政府の立場を理解しているので、受け入れに反対することはできません。自民党も反対できないはずです。野党の立場で反対すれば、政権復帰した時に、アメリカとの軍事的関係が悪くなるからです。民主党も野党だったら思い切り反対できたのでしょうがそうもいきません。

 民主党としても自民党としても、アメリカとの関係で反対できない理由を説明できるはずです。しかし、先日書いたように、現在の日本は理性よりも感性の時代です。過剰なほど安全安心に注意が向いています。ですからどんなに日本政府の立場を説明しても納得はしてもらえないでしょう。

 困っているのはアメリカです。基本的に軍の装備は民間ほどの安全体制が整えられていません。軍の装備はまず敵に勝つための性能が最優先です。旧日本軍の戦闘機は攻撃一点ばりで、パイロットの防御はほどんとなかったと言われます。アメリカ軍の場合そこまではないでしょうが、民間機と同じレベルの安全性は無理だとおもいます。

 ですから軍の装備にはある程度の危険が伴うのです。しかし、日本国内ではそんな論理は通用しないでしょう。装備のレベルを落としてでも安全第一でいけということになると思います。戦闘での優位性よりも安全性の方が優先するのです。逆にアメリカではそんな論理は通用しません。

 さて、こんなことが続くとアメリカ側もいやになるでしょう。中にはもっけの幸いだから安保条約など破棄して、基地も皆返還してもらえという意見が出る可能性があります。

 一つは基地反対派から今一つは自主防衛派からです。米軍の基地を撤去したため困っている国があります。フィリッピンです。ここにはかって大きなアメリカ海軍の基地があったのですが、フイリッピン側の要請で撤退しました。

 その結果現在中国と南シナ海で領土をめぐって対立していますが劣勢です。もしあのままアメリカ海軍の基地があったら、フイリッピンももう少し強気に出れたでしょう。まず中国がフイリッピンを攻撃する可能性がないからです。軍事衝突になっても、アメリカ海軍の基地があれば、フィリッピンに攻撃などできないからです。

 基地がなくなってもそれを補うだけの自主防衛力を日本が持つのは、財政的(財政赤字)にも軍事技術的(航空機産業)にも人的資源(少子化)の上でも困難だと思います。核武装も難しい問題が山積みです。平和利用の原子力発電所も廃止しようと言うのに、爆発させることを前提に作る核爆弾をどこに格納するのでしょうか。

 もちろん作っても置いてある場所は秘密でしょうが、もしばれると猛烈な反対運動が起こるでしょう。なぜなら敵から真っ先に核兵器の基地が攻撃されるからです。それに核兵器を搭載するミサイル基地も作るとなれば大反対が起こるでしょう。これも真っ先に攻撃されるし、核兵器の事故が起これば、原子力発電所どころではないからです。(原発事故は放射能だけですが、核兵器の事故は爆発も伴います。)

 現実には集団的防衛権を持つより、アメリカの軍事力に頼るしかないと思います。現在ではそれすら難しくなっています。集団安全保障体制はアジアの場合難しいでしょう。アセアンの会議でさえ、各国の思惑が錯綜して中国非難の声明をまとめることができませんでした。

 アメリカに頼らず、東南アジアやオーストラリアさらにはインドと結ぶべきだと言う考えもありますが、現実には難しいようです。

 明日は今学期最後の授業です。9月の第2週から期末考査になります。