新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

不動産相続手続き放置問題について

今日も真夏日です。ちょっとだけにわか雨があって助かりました。このブログを書いてしばらくしたら講座に行きます。講座については、また後日内容を報告します。

 株式市場は少し戻しました。ヨーロッパの金融状況が少し好転したようです。対円でもユーロ―は値上がりしました。何とか1ユーロ100円くらいまで戻すといいのですが。まだまだ先のことです。

 昨日書いた日本を取り巻く国際情勢について、早速今日の朝日新聞が報じていました。「南シナ海対中協力構想」というタイトルの記事です。台湾は南シナ海に領土を確保していて、その領土の保全について中国と協力関係を持ちたいというような内容でした。

 南シナ海で台湾が領土を保持しており、その保全の協力を中国に求めるなら、当然その見返りとして中国は東シナ海での尖閣列島問題でも中国の立場の支持を台湾に求めるでしょう。尖閣問題は、日本の主張が正しいのですが、それを積極的に支持してくれるのは、東アジアではなさそうです。

 アメリカが対日関係の上で消極的な支持を与えるだけでしょう。韓国・ロシアにこの問題で支持を求めるなら、現在係争中の領土問題で譲歩を求められるでしょう。なかなか難しいところです。

 さて、難しい政治外交問題を離れて、日本国内に起こっている問題について書きます。おじさんの家の近くにはまだ畑などがちらほらあります。また、遠くには山なども見えます。以前は水田などもあったのですが、再開発ですっかりなくなりました。

 おじさんのすぐ下も代替わりして敷地を業者に販売して、ミニ宅地開発が行われました。敷地が5軒の家になりました。多分子供さんたちが敷地を相続して、それを業者に販売したのでしょう。

 ところで、最近不動産が相続されても、相続の手続きをしないままにする例が増えているようです。都会に出た子供たちが、親の残した田舎の不動産(畑・山林・水田など)をそのままにしているのです。ある時用事で地方の集落へ行きましたが、朽ち果てて無住の家が何軒もありました。

 子供さんたちが、相続した不動産をそのまま放置しているのです。家屋ならそれでも自然に朽ち果てるのでまだよいのです。(もちろん管理上の問題はありますが)問題は山林です。日本の山林は国有林などを除けば全て持ち主がいると聞いたことがあります。

 山林の場合、山が洪水で崩壊したりすることがあります。また、開発などをする時も、相続の手続きがきちんとなされていないと、相当な数の相続権所有者がいて大変なようです。昔であれば、長男が全て相続する家督相続だったので、相続権の所有者の確定は簡単でした。

 山林などの場合、そもそもどこまでが自分の所有地なのか分からなくなります。もし、売買する必要がある場合、相手に立ち会ってもらって境界を確定しなければなりません。その当事者を探すのが大変です。おじいさんの所有する不動産だと、その死後子供も死んで孫の代などになっていることがあります。

 昔は子供の数が多かったので、その孫となると8人とか10人になりますし、曾祖父などということになれば20人はすぐに超えてしまいます。だれも相続手続きをしなければ、最大で20人近い相続権を持つ人間がいることになります。

 全国的に地積調査が行われています。これは昔の登記簿の面積はいいかげんなところがあるので、再度国の責任で測量しないおしているのです。おじさんも2回くらい関わりも持ったことがあります。一つは、その時の調査で全く知らなかった土地が見つかったのです。(役場から連絡がありました。)

 今一つは同居の義母の所有する土地が地積調査に当たって、その手続きを手伝ったのです。

 これを受けると隣接する土地との境界もはっきりするし、土地の面積も国の責任できちんと測量してくれるとてもありがたい制度です。ところが、現地で立ち会わなければなりません。また自分でクイを用意して確定したところに打たねばならないのです。

 これに参加しないと、面倒なことになるのです。担当者の方の話では、土地の所有者が確定できない土地が結構あるそうです。これから何十年か経過した時、不動産の権利関係をめぐっていろいろ問題が起きそうです。

 もっと困った問題は、面倒な不動産を巡って、お互いに押し付けあってそのまま放置されるケースです。東京に住む子供と大阪に住む子供が東北地方の親の所有する山林や畑を喜んで相続するとは思えません。不動産価格が下落した今、売却でき不動産は所有するだけで大変です。

 捨て猫ならぬ捨て土地がこれからでるかもしれませんね。かっては財産3分割法と言って、現金・株式・不動産に分割すると言われました。それどころか原野商法と言って北海道などの原野まで不動産として売ったものです。ところが今は大都会の不動産以外は邪魔者扱いです。

 時代が変われば変わるのもです。 今日は先述したように、大学の開放講座にもうすぐ行きます。