新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

どの時代も大変です。-古代非正規公務員の生活

今日も猛烈な暑さが続いています。今日は、9月に入ってすぐ期末考査なので、(おじさんの勤務する特殊法人立の学校はちょっと変わっているのです。)資料を取りに学校に行ってきました。

 少しづつ試験問題作りをやります。前回1度やったので大体様子が分かりました。今回の試験範囲は古文と近代詩です。ちなみに夏休みの課題も出しました。漢字練習帳3ぺージと古文問題プリントに近代詩の創作です。

 株価は相変わらずです。政治だけでなく経済も日本はがたがたです。今日はシャープがストップ安でした。ストップ安というのは、投資家の損失を一定の範囲で抑えるために、1日の値下がりの幅を制限でしているのです。その限度まで下がったのです。

 かっては亀山モデルで液晶テレビをリードしたのに一時の夢と消えました。日本板硝子も大きく下げていました。いずれも古くからある企業だったのですが。

 政治の方は三党合意が貫けるか微妙な段階に来ました。野党で不信任案を提出する動きもあります。このまま解散総選挙に突き進めばせっかく消費税値上げだけでも決定できそうだったのに、それも消えてしまいます。世界中の政治が混乱状態なのですから、仕方のないことでしょう。

 景気回復も、政治体制の再構築も望めそうにありません。ただライバル中国も国内の混乱で大変なので、大きな動きもなくありがたいです。

 さて、このところ難しい話ばかり書いてきましたが、今回は以前書いた「正倉院文書の世界」(中公新書)でおもしろい内容を見つけたのでちょっと書きます。古代の非正規公務員というのは、写経をしていた人たちです。写経生と言われました。

 彼等は写経の仕事がある時だけ雇用されたのです。しかし、奈良時代でも公務員には休暇がありました。基本的には月に5日休暇を取ることができたようです。それ以外に病気の時や祭祀などでも休暇がとれたようです。

 また現代では考えられない休暇の請求もありました。一つは泥棒に物を盗まれたので、状況を明らかにするために休暇を取っているのです。また、役所から支給された制服である浄衣(じょうえ)が汚れたので、洗濯のため休暇を請求しています。

 彼等はまた病気の際には、薬を役所から支給されました。その中に「薬酒」というのがあるそうです。実は当時役人がお酒を飲んで騒ぐことがあって、上級官僚から役人の宴会が禁止令が出されたそうです。そう言えば福岡市でも市長が1月の外での飲酒を禁止したことがありましたね。

 古代の役人は福岡市の役人よりずる賢くて、酒と言わずこれは「薬酒」ですと言って宴会をしていたようです。そう言えば薬酒としては現代でも「養命酒」がありますね。中国ではないんですが「上に政策あれば下に対策あり」です。

 給料の前借りをしたことを示す文書も残されているようです。さらには、待遇改善の要求を上級機関にした文書も残されていたそうです。現代なら分かるのですが、奈良時代でも堂々と文書で待遇改善を要求できるだけの寛容さが政府にあったようです。

 内容は制服が1着した支給されないので、臭くなって困るからもう一枚支給してほしいとか、休暇を増やしてほしい、おやつを毎日支給してほしい、食事が劣悪なので改善してほしい、前述の薬酒をもっと支給してほしいなどです。結果は残念ながら記載されていません。

 彼等は字が命なので、使い古しの紙(反古紙)で字の練習をしたようです。また中には落書きをしたり、似顔絵を書いたりしたものの残っているようです。

 正倉院というと大変なお宝の所蔵庫のように思われますが、そんな庶民的なものも残されているのです。最近木簡や正倉院文書などによって古代の庶民の生活が明らかになってきています。よかったら一度読んでみてください。

 夕方からは「決算書を読む」という講座へ行きます。明日はのんびり過ごします。