新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

岡本行夫氏のこと―中国での不思議な体験

今日も夏日でした。教会は相変わらずです。今日の説教は難しくて、ブログには向かないので、別のテーマにしました。

 このところネットのブログはほとんど外交問題一色です。もちろん、近隣諸国へ強硬に対抗すべきだという意見です。しかし、日本の場合どこまで強硬な対抗ができるのでしょうか。あのまま中国人活動家を拘留し裁判までもっていけば、日本人はすっきりするでしょうが、中国政府としては、自国国民が拘留されているのに、何もしないわけにはいかないでしょう。

 そんなことをすれば中国国内世論を沸騰するでしょう。政権交代が確実視され、政権内容も自公だけでなく第三極まで含まれる可能性の中で、中国の強硬な姿勢に対抗できるでしょうか。閣内統一だけでも大変です。韓国についても、経済制裁のようなことはできません。

 かって対北朝鮮強硬策が主張され、できるかぎりの強硬策を使ったのに何の効果もありませんでした。結局随分たってから、やっと交渉再開となりました。強硬策が効をそうしたというわけでもないでしょう。

 まあこんなことをタイトルにすると大変なので、ひそかに書いておきます。さて、先週「日本の終戦はなぜ遅れたのか」というNHKの番組で外交評論家の岡本行夫氏を見ました。小泉首相の補佐官として活躍した人です。

 おじさんは、岡本氏と不思議なところで出会いました。場所は中国のおじさんが住んでいた街です。なぜ中国の街で出会ったのか、実は岡本氏の講演会に出席していたのです。

 もちろん、市内の大学でもシテーイホールでもありません。市内でも厳重に警戒された場所です。中国が本気で警備しているところは、公安局(警察本部)・軍施設そして共産党施設です。共産党施設の警備の厳しさは軍施設以上でしょう。

 なぜなら軍施設は軍人さんの家族なども住んでいるので、お年寄りや子供なども軍施設に出入りしています。もちろん銃を持った兵士が入口で警備していますが子供を連れた女性などが出入りしています。。共産党市委員会の入り口では警備員が拳銃をぶらさげて警備しています。一度中国の学生さんが道を聞いたらあっちへ行けと言われました。

 おじさんが聞きに行った岡本氏の講演会はこの共産党の施設(市党学校・・市行政学院も併設)であったのです。党学校と言うと市の研修所のような建物を想像すると思いますが、広大な敷地です。自動車でぐるぐる回って、やっと講演会場に辿り着きました。

 なぜ講演会に行けたのかというと、大学の留学生部の副部長さんの招待です。岡本氏の講演会があるから聞きに行こうと誘われたのです。そちらは日本にもご主人と留学された経験があるのです。それに懇意にしていたので誘ってくれたのです。おじさんは、党学校というので研修所感覚で行ったらそんなでした。

 それを聞きに来ているのは全員党及び市政府の幹部ばかりです。名札が席の前にずらりとおいてありました。日本で言えば大阪市自民党及び市役所の部長級の職員の研修会と言った感覚です。

 どうも日本の総領事館との共催のようで、総領事があいさつしていました。岡本氏と総領事が帰る時などは相当緊張した面持ちで警備員が警備していました。おじさんが休憩時間にトイレに行こうとしたらドアのところで止められました。何とか意志を通じてでることができました。

 内容は余り覚えていませんが、党や市政府の幹部と一緒に一介の日本人大学教師が講演を聞くのも不思議な気がしました。質問の時間もありましたが、さすがに幹部ばかりですから、反日的な言動などありませんでした。おじさんの住んでいた街は、日本人なら(子供は別)だれでも知っている街です。

 後にその党学校の前に党学校(行政学院)が大学院修士課程に認定されたと横断幕が出ていました。日本で言えば政策大学院と言ったところでしょうか。

 中国共産党と言えば、秘密主義の塊のように思われますが、ある種こんな不思議なおおらかさもあるのです。ちなみに、その副部長の方は女性で、どのくらいの地位か知りませんが、党学校の女性職員に命令して私たちのためにお茶を用意させたりしました。

 講演後岡本氏と話したら、あなたは日本語が流ちょうですねと言われたので、いや日本人ですと言ったらさすがに驚いていました。総領事や岡本氏と一緒に写真を写しました。

 中国という国は3年間過ごしましたがつくづく不思議な又多様なつかみどころのない国だと思いました。反日であり親日であり、強腰でありながら、弱者にやさしい面もあります。マスコミ報道だけで中国を理解するのは危険だと思いました。日本は金太郎飴のようにどこを切っても似たようですが、中国は一人ひとりとても個性的です。

 KY(空気を読む)のようなことは全く不可能な国です。明日は期末考査問題を完成させます。