新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

維新の会の勝利とその後

今日は晴天でした。相変わらず暑い日々が続いています。今日は午前中は庭の草刈りです。さすがに夏も終わり草が伸びてきました。お盆前に一度刈ったのですが、それから2週間余りたちまた延びてきました。最近ガソリン保存容器を買ったので、どこのスタンドでも混合油(草刈り機の燃料)を売ってくれます。それまでは、なかなか売ってくれなかったのです。

 今までは明日の授業の準備です。来週期末考査なので、その問題と解答用紙、それに模範解答を用意しました。明日教務係に提出して、問題と解答用紙を印刷してもらいます。今までは自分でやっていたので、助かります。

 株式市況は相変わらず低迷です。以前にも書きましたが、日経平均1万円台を回復するとかなり損失が挽回できるのですが、9000円台を割っている今となっては、どうにもなりません。ただ、持ち株の一つの機械メーカーが少し持ち直しているので、それだけが救いです。

 さて、今日のニュースを見ると維新の会が全国の比例区で投票したい政党1位になっていました。小泉さんの郵政選挙の時は自民党、前回の政権交代選挙の時は民主党、今回の既成勢力追い出し選挙では維新の会と言ったところでしょうか。

 選挙が終わり政権が樹立され、また政権が交代すると、あの時の熱狂はなんだったのかと言う気持ちになります。郵政民営化選挙では、郵便局が民業を圧迫しているというのが主張だったのに、今ではそんなことを覚えている人はほとんどいません。

 今日の新聞にも、郵貯銀行が住宅ローンに進出すると書いてありました。銀行としては民業圧迫だと言うことになるのでしょう。これでは、先祖がえりということになります。また、民主党が政権を獲得した時にも、今の維新の会のような熱気がありました。

 民主党が政権をとれば何かが変わると思ったのです。小泉さんの時も同様です。それでも維新の会に対する熱気よりましです。新しい政治勢力政権運営は免許取得に似ています。ところでおじさんが免許を取得したのは、40歳の時です。その時は、免許なんて皆取得しているし、運転なんか誰でもできるものだと思いました。

 人が簡単そうに運転しているのを外から見ると、誰でも簡単にできるものだと思うのです。しかし、実際にやってみると、そう簡単にはいきません。運転はハンドルとブレーキとアクセルさえ操作すればできるものなのにです。おじさんが知っている人でも、免許は取得したけれでも運転が怖いのでやっていない人が結構います。

 運転は操作の手順も決まっており、誰でもできそうですが、慣れるまで時間がかかるものです。政権運営も政治も同様でしょう。選挙で突然多数派になったからと言って簡単に政権を運営することはできないのです。外から見るのと実際中に入ってやってみるのは大違いです。

 教師もそうです。生徒や保護者の側から見れば、授業で話をするだけだから簡単だろうと思われがちです。しかし、まず皆の前(40人近い人間)で話をするのは勇気がいります。それに、そもそも声がきちんと教室の後ろまで届くかも問題です。自分が分かっていることでも、人に分かってもらうのは大変なのです。

 教師批判は簡単です。特に小中学校などの場合は、教科内容が基礎的なので、問題を解くだけならちょっと勉強すれば誰でもできるからです。民主党の失敗は、政治を行うなど誰にでもできると考えたことでしょう。維新の会についてもそれが言えます。全く行政経験も政治経験もない素人が、国政を運営できるかです。

 現代は専門家やベテランを既成勢力と言って排除する傾向があります。しかし、政権運営は、ある程度の行政経験や政治経験が必要なのです。これは新入社員に会社経営をさせなかったり、新人警官を刑事に任用しないのと同じです。医者でも医師免許取り立ての研修医に重要な手術を任せたりしないでしょう。

 どのような基準で選ぶか分かりませんが、100人以上の国政どころか地方政治も行政経験もない人に大事な国政を任せるのでしょうか。民主党にしても、小泉さんにしても政治の主力は、ある程度政治経験のある人達でした。もし、維新の会が連立政権に参画するとしたら、このような素人政治家が重要な地位につきます。

 たとえば、国会の委員会の委員長や副大臣などです。行政でも政治でも、素人感覚も大事ですが、実務的な経験や知識の方がもっと大事です。もちろん補佐役として官僚などがつきますが、そもそも素人の人には官僚が言っている意味が分からないと思います。

 政治家は他の仕事と違って、それまでの経験や知識と関係なく選挙で票を獲得すればなれます。ですから、参議院や地方政治家(知事)などには、スポーツ選手出身者や芸能界出身者がいます。スポーツ経験しかない人や芸能人を経営者にしたりする会社は少ないでしょう。なぜか政治家だけは許されるのです。

 選挙は選挙民一人ひとりの投票で決まるので、その判断が全てです。特に現代のように不確実な時代には、強い意見が通りやすいものです。小泉選挙以来、選挙がひとつのイベントのようになってしまいました。時代の風が全てを決めるようです。

 小泉選挙の頃もブログを書いていました。小泉さんが大勝した時、将来を危惧したのですが(その時もそう書きました。当時はFC2ブログ)今回も選挙後をとても危惧しています。どう考えても維新の会がこれから長期政権を形成するとは思えません。多分現在の政治をさらに混乱させて、消えていくと思います。(小泉チルドレンや小沢ガールのように。次は橋下ベビーと呼ばれるでしょう。)

 事実前回の参議院選挙で注目された「みんなの党」はすでに分裂状態です。名古屋や愛知の地方政党もちょっと前に地方選挙で進出したのに互いを非難しています。多分次回の地方選挙で消滅するでしょう。石原新党も尻すぼみです。次次回の総選挙はどんな話題で行われるのでしょうか。今のまま維新の会が政界に大量に進出すれば日本の行方は暗いものになりそうです。

 明日は授業で1日忙しいので、ブログはお休みです。