新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

日中軍事衝突の悪夢

今日も夏日でした。午前中は、郵便局に振り込みに行ったり各種の連絡などで終わりました。午後からこのブログを書いて、教会の長老会資料の整理をするつもりです。来週からは期末試験の採点などもあるので、忙しいです。昨日で前期の授業は終了です。後期の授業は大学並みに10月から始まります。

 株価は相変わらず低迷です。報道によれば、海運業界でカルテルの疑いがあって、公取委が入るらしいです。それで名門海運会社も年初来安値をつけていました。鉄鋼・電機・化学業界に続いて、日本を代表する海運会社まで株価が低迷するなら、景気回復は夢のまた夢のようです。

 政界も党首選挙で混迷が続いています。安泰だと思われた民主党にも若手政治家が立候補するようです。これで消費税を推進した二人の党首が退陣するなら、これまでのジンクスの消費税をやったら政治生命は終わりを証明するようなものです。

 こんなことが続けば国民は嫌がるが必要な政策を実行する人はいなくなるでしょう。今日のブログのタイトルもそれとちょっと関連します。

 さて、先日外国の雑誌に「日中もし戦わば」という記事が出たそうです。JBプレスというサイトで読みました。ほとんど可能性はないが、日中が戦ったらどちらが勝つかという記事です。もちろん結果は言うまでもありません。日本の海上自衛隊が勝ちます。その記事もそう書いていました。軍事知識が少しでもある人なら常識です。

 もし、日中が戦うとしたら、尖閣列島周辺でしょう。そこでの戦いは海と空になると思います。海と空の戦いは、精神力や兵力数ではなく、技術力(装備の優秀さ)や兵士の練度(訓練の度合)で決まります。もちろん士気も関係しますが、現在の中国も日本も愛国心については変わりないと思います。

 日清戦争当時の日中では士気に大きな差がありました。また練度も同様差がありました。さて、損害ですが、日本側も大きな損害を被ります。なぜなら、海上自衛隊側から先に攻撃することはありえないからです。先手必勝の通り、中国側が先に攻撃すれば、自衛艦は大損害を受けるでしょう。

 もちろん、一触即発が予想される事態になれば、自衛艦だけでなく当然航空機や潜水艦なども配備しているはずです。ですから、自衛艦が全滅ということではなく、すぐに反撃し中国側に大損害を与えるはずです。

 問題はそれで終わらないことです。まず日本側から言えば大勢の死傷者がでるのですから、大変なことになります。たとえ中国側に大損害を与えたとしても、なぜ衝突が避けられなかったのかという意見がでるでしょう。

 さらに、日本側が大損害を与えた中国側では、事態はもっと深刻です。つまり、日本側に敗北したまま引きさがるのかということです。戦争は政治的目的を達成するための一手段です。戦争で完全に相手が敗北し、こちらの言い分をほぼ無条件に受け入れるなら問題はありません。

 尖閣列島の場合、中国が自国の領土であるという主張を国際的に宣言することが戦争の目的となるでしょう。しかし、1回の海戦で敗れても、中国軍には大した被害ではありません。逆にこの敗戦を機会にさらに海軍力の増強をはかるでしょう。

 国民もそれを望むはずです。日本に妥協して尖閣列島の領土権を撤回する理由は中国側にはないのです。どんなに頑張っても、日中両国が全面戦争できるはずはありません。かっての日中戦争の時代の中国とは違うのです。

 中国にとって、海戦での敗戦は国民を統合させる材料にもなります。これまで日中の経済関係を重視していたグループも軍備拡大に協力しなければならないでしょう。日本側が中国の先制攻撃を非難しても、自国の領土を守るための自衛的行動だと言うでしょう。国連の常任理事国ですから、中国非難の決議をしても拒否権を行使するはずです。

 経済的には株価は暴落し、円も大幅安に振れるでしょう。もし維新の会政権だったら、政治・防衛・外交の経験がありませんから、右往左往ということになります。アメリカは中立的な態度か調停を買ってでるでしょう。尖閣列島に中国軍が上陸することは許さないでしょうが、偶発的な軍事衝突には両国の自制的態度を求めるだけです。
 台湾は尖閣列島が自国の領土だと主張しているので、日本を応援することはありません。韓国にしても、反日感情が高まっているのに、日本を応援することはありません。北朝鮮やロシアはもちろんです。東南アジアの国は日本を応援するでしょうが、大した助けにはなりません。ヨーロッパ諸国にとっては、小さな列島の問題など、どうでも良いことです。

 北朝鮮が韓国の軍艦を撃沈した時も、北朝鮮が韓国の島を砲撃した時も同様でした。もちろん、事前に憲法を改正して核兵器を持ったり、自衛軍を持つべきだという主張もあります。しかし、核兵器は使えてなんぼのものです。日本が中国全土の主要都市に核爆弾を投下するだけのミサイルか爆撃機を早急に整備できれば別ですが、少数の核兵器では抑止力にはならないでしょう。(ミサイルを正確に命中させる精度も大事です。中国は広く人口も拡散しているので、都市部を少しでもはずれたら意味がありません。)

 人口が密集している日本のどこの都市に核爆弾が落ちても日本は壊滅的な打撃を受けるでしょう。福島の原発事故で死者がでなくてもあの騒ぎです。核爆弾が一発でも落ちたら、大パニックになります。中国はあの広さです。報復としてまさか上海に核爆弾を落とすわけにはいきません。地方都市なら、中国としてはそれほどダメージを感じないはずです。もちろんそんなことは夢のまた夢の物語ですが。

 今尖閣列島をめぐってヒートアップしていますが、どこかで歯止めをかけないと悪夢がせまってきます。日本においても、領土問題に対する関心が異常なほど高まっています。次の政権がそれを拡大させないように願うばかりです。

 ブログでも核武装すれば近隣諸国からなめられないという書きこみがあります。少し軍事的な知識があれば、そんな簡単なものでないことは分かるはずです。おじさんが生きている間、日中軍事衝突などということがないのを祈るばかりです。

 明日も教会の資料作りをします。