新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

人民解放軍の実力ー素人軍事評論家の意見

 今日は午前中は曇りでしたが、午後から雨になりました。明日からはさらにひどくなりそうです。アメリカの方は金融緩和を無制限に続けるようです。そのおかげでアメリカの株式市況は値上がりを続けています。

 日本ではこんな政策は難しいでしょう。尖閣問題は日本政府が国有化を発表してからさらに難しくなったようです。国有化自身は別に問題はないのですが、外交は相手あってのことなので、どう落とし所をつけるかです。

 ところで、対立が深刻になると軍事衝突の可能性もささやかれています。可能性は極めて低いとは思います。日本側からの発砲はまずないので、中国側からの発砲のみです。中国では、軍に政治委員が必ず配置されています。外交上重要な尖閣列島を航行する艦船には必ず乗船しているはずです。

 この政治委員の承認なしに、勝手に船長が発砲する可能性はありません。まず政治委員の承認なしに部下が船長や上司の命令を聞くはずがないからです。そう訓練されているはずです。

 以前書いたとおり人民解放軍の実力について書きます。中国のテレビでは午後7時半くらいから毎日軍事報道があっていました。政府提供番組でなく、お酒のメーカーの提供です。主として軍事演習の場面が多かったです。

 さて、陸海空三軍についてみて見ましょう。人民解放軍にはその他に武装警察や消防なども含まれますが、そのあたりは除きます。陸軍については、かなり実力があります。中国の陸軍は基本的に国内防衛ようです。まず国境線が広大なので、国境警備だけで大変です。その上治安維持の任務もあるし、民生支援もあります。

 対空砲などの訓練を見ると、まだ一部手動で操作していました。もちろん対空ミサイルを持っていますが、全国津々浦々に装備しているわけでもなさそうです。それにチベットや新疆の反政府勢力が航空機を持っているわけでもないので、内陸部などでは対空ミサイルも必要ないと思います。

 海軍については、様々な意見がありますが発展途上であることは間違いありません。以前ある本で一度壊滅した海軍を再建するのは極めて難しいとありました。中国は日清戦争で海軍が壊滅し、ロシアは日露戦争で海軍が壊滅しました。古くはスペインの無敵艦隊の壊滅があります。

 日本の場合は先の大戦で海軍が壊滅しました。今ある海上自衛隊はあくまで、アメリカ海軍のバックアップの上に成り立っています。ただ、日本の場合海軍壊滅後すぐに再建されたので、その伝統は残りました。それに基本的に大陸国家は海軍が弱いです。(第二次大戦でもドイツは海軍力で劣りました。)

 中国の場合、ある時代はアフリカまで進出しましたが、清の時代に海上戦力が弱くなり、現在の中国建国後も毛沢東の人民戦争理論のせいで近代的な海軍の建設が遅れました。鄧小平の時代になってからやっと海軍ができたくらいです。

 海軍は艦船を作れば良いというものではありません。その総合的な運用には経験と技術が必要です。中国で空母ができるというので大騒ぎですが、実際に有効な運用には10年かかります。そもそも空母だけではどうにもなりません。搭載する戦闘機などの発着訓練をしなければなりません。

 また空母を含む艦隊の運用訓練も必要です。空母と護衛艦船、また護衛潜水艦、さらには護衛戦闘機などが有機的に機能して初めて空母が有効な働きをするのです。まだ中国はこのような有機的な艦船行動の訓練ができていません。

 その上、空母が最低でも3隻あって初めて有効です。つまり1隻が行動中もう1隻が予備として訓練や休養をし、さらにもう1隻は修理や補修、補給しなければなりません。必要な時に空母が動かないのでは実践力にならないのです。

 そうなると、先述の空母艦隊訓練が3隻になされ、その上ローテーションが完成して初めて脅威となれるのです。その間乗員の訓練と補充を常にしなければなりません。中国海軍が外洋で活動したのはソマリア沖の海賊制圧作戦からです。

 そう考えると、中国海軍が本当に脅威になるのは2020年頃ということになります。日本がどう対抗するかは政権次第です。もし、中国と同じ空母艦隊を日本が持つなら膨大な経費がかかります。また、本格的な空母運営のためにはアメリカ海軍の支援が必要です。アメリカがそこまで協力するかは疑問です。

 そもそも空母搭載航空機は間違いなくアメリカから供給してもらうしかありません。次に空軍ですが、こちらもそれほど脅威にはなりにくいです。日本まで飛んできて爆撃するとはちょっと考えがたいです。もちろん日本の航空自衛隊のレーダー担当者が居眠りでもしていれば別ですが。

 中国にいて思ったのは、あの国はいつも最新式のものをほしがります。しかし、それを十分に維持管理し、乗員を訓練し十分使いこなせるかと言えば疑問です。簡単に言えばパレードは好きだし、その練習もするが実力はそれほどでもないと言うのが実感です。

 日本で言えば曹クラス、旧軍風に言えば下士官や尉官クラスが劣ります。中国に住んで分かったのは、優秀な連中は皆大学に進学し、日本でいう現場技術職クラスのレベルが極端に低いです。職人気質のようなものがないからです。

 ただ侮れない面もあります。特に自国内の防衛となれば相当強力な力を発揮します。また、特殊部隊なども相当戦力を持っていると思います。イメージとしてはアメリカに似ています。将軍1流下士官兵は2流と言ったところです。と言っても将軍の実力も不明ですが。

 昔、最強の軍隊は、将軍はアメリカ、将校はドイツ、下士官は日本、兵はイギリスと言われました。多分今でもそう変わってないでしょう。現在の教育水準を考えると、日本の下士官兵は一流と言えるでしょう。現実に自衛隊の部隊見学に行くと職人気質の曹クラスの人がごろごろいます。

 結論として、中国人民解放軍は侮れないが脅威に感じるほどでもないと言うことです。ただ中国国内での戦争となると、相当手ごわい敵となります。海軍や空軍は10年後には脅威となります。ただその頃には中国の隆盛も下火になるはずです。(人口の高齢化など)

 まあ、こんなことは素人軍事評論家のおじさんが書くまでもなく自衛隊の高級幹部連中の人は皆分かっていると思います。明日は教会です。