新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

株式市況と政治・外交

今日は台風が通り過ぎたのに、結構強風が吹いています。と言っても雨ではなく、晴天ではあります。午前中は涼しかったので、庭の手入れと畑の整備です。いつもの通りツマクマの手足となって働きました。植物を植えると手入れが大変です。

 尖閣問題は相変わらず沈静化しないようです。自民党の総裁候補者は一様に毅然たる態度で臨むと言っていますが、毅然たる態度で外交問題が解決するなら苦労しないのですが。またリビアのデモのように大使が死亡したりするほどでもないので、よかったです。

 日本もかっては激しい反米デモがあって、死者まででました。敗戦直後の血のメーデー事件では警官隊が拳銃を発砲していました。写真で拳銃を構えている警察官を見た記憶があります。全学連があばれていた時代は角材を振り回していました。

 そんな時代なら、今回の反日でもくらい何ということはないのでしょうが、平和な時代が続いてデモなどみたこともない時代になったので、反日デモも強烈な印象なのだと思います。ヨーロッパのフーリガンが暴れたりすると火炎瓶を投げたり、投石したりと大変です。車に火をつけたりなど当たり前です。

 さて、尖閣列島問題を中心に現在外交問題が盛んにマスコミでも取り上げられています。経済の体温計である株式市況はこれをどう受け止めているのでしょうか。アゴラやブロゴスと言ったサイトでは、日本企業は中国や韓国から引き揚げろという意見が多数でています。

 中国にいるからそんな目に会うのだという意見のようです。そう言えば、サッカー試合をきっかけに重慶市反日デモがあった時、フランス系のスーパーカルフールにもデモ隊が押しかけたようです。しかし、その後相変わらずカルフールは営業しているとのことでした。反米デモがあっても、アメリカ企業が撤退したという話は余り聞いたことはありません。

 株式市況について言えば、後場30円くらい値下がりしましたが、午前中は20円近く値上がりしていました。株式市況の格言に「遠くの戦争は買い、近くの戦争は売り」とあります。今日の相場を見る限り、今回の領土問題は経済に影響がないと投資家は考えているようです。

 中国のカントリーリスクについて言えば他の新興国に比べれば低いものです。例えばフイリピンの銀行や宝石店には銃を持った警備員がいるそうです。アメリカでも銀行には銃を持った警備員がいます。中国のおじさんがいた地方都市の繁華街の宝石店では、新装開店を記念して、店の前でファッションショーをしていました。

 中国の地方の民警(人民警察)は銃すら持っていません。最近は持っている人もいますが、日本やアメリカのように、見え見えにはしていません。ちょと見た感じでは持っていないように見えます。空港の警備員(特別警備隊と書いた腕章)も銃は持たず、警棒だけです。

 銃をいつも持っているのは、現金輸送車の警備員だけです。ですから、反日暴動さえなければ、極めて安全な国と言えます。そのことを知っている海外の投資家はこのくらいのデモで日本の株式を売ったりしないと思います。同様の理由で日本の企業も撤退はしないでしょう。

 もし撤退するなら、欧米の企業や韓国企業が喜んでその後を埋めるはずです。13億人のマーケットをみすみす逃すはずはありません。株式市況にとって怖いのは信用不安です。貸したお金が回収できなることが一番怖いのです。ですから、中国のデモよりヨーロッパの国債に関する不安の方が、株式市況には大きな影響があるのです。

 つまり尖閣列島の問題は遠い戦争であり、ヨーロッパの国債に関する不安は近くの戦争なのです。グローバル化した現代社会では地理的な遠近は問題ではありません。お金は一瞬のうちに世界をかけめぐるのです。おじさんも尖閣問題で日中の経済関係はどうなるのだろうと思っていました。

 しかし、今日の相場を見る限り問題は沈静化すると見ています。もちろん、政治の動向が株式市況に影響を与えたことが過去にはあります。スターリン暴落がそれです。スターリンが死んで戦争の危機が去ったということで売りが出たのです。

 政治の混乱についても、市況は全く無関心です。誰が首相になっても今の経済情勢が変わるとは考えてないのです。事実昔に比べて経済界の政治的影響力は減少しました。かっては経団連の意見は、政治に大きな影響を与えたものです。

 政権交代後その傾向は強まりました。多分自民党が第一党に返り咲いても経済界の影響は拡大しないでしょう。先述したグローバル化した現代、日本の政治家だけで経済を変えることはできないのです。各国の経済状況が複雑にからみあっているのです。

 明日から、来週の月曜日くらいまで忙しいのでまたブログはお休みです。