新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

孤立の危機にある日本

今日も晴天です。台風が接近しているとのことですが、おじさんの街までは、まだほど遠いようです。日曜日くらいには、それでも接近しそうです。

 今日は市の定期健康診断に行ってきました。おじさんの住む市では、国民健康保険加入者に年1回の無料診断を提供しています。集団検診もありますが、きちんとした大規模検診施設での検診も可能です。今回は企業向け大規模検診施設で受診しました。

 企業向けなので、会社員の人も大勢検診に来ていました。とりあえず血圧は122で安心です。以前140と言われてあせったのですが、今回はよかったです。最初機械で測定したら152と出ました。その後、看護師さんに再度測定してもらったら、122でした。

 心臓の方は問題ないので、後は肝機能・血糖値です。疲れを感じたりしないし、家系はやせ形で親類にも糖尿の人は聞いたことがないので、多分安心だと思います。ちなみに、おじさんは、165センチで58キロです。60キロを越えたことはありません。

 今日も株価は下落です。ニューヨークも香港も上海も上昇したのに、日本だけが下落です。今日書こうと思う現在の日本の状況を示しているようです。円は下落しないのに、経済の方はさっぱりです。

 さて、このところ領土問題が大変な状況なので少しそれについて書きます。おじさんの考えでは、孤立しているのは、中国や韓国でなく日本だと言うことです。先の大戦(おじさんとしてはアジア・太平洋戦争の名称を使いたいのですが、読者の方にはいろいろの考えの方がいるので、こう書いておきます。)直前の日本に似ています。

 当時もやはり対中国問題がこじれていました。状況は全く違いますが、対中国強硬論(あるいは中国を懲らしめろ・中国に侮られるな)が盛り上がっていました。結局南進(東南アジアへの進出)し、最後はアメリカと衝突して破滅しました。

 タイトルの日本の孤立とは東アジアにおいてです。最後まで親日的な国家であった、台湾までも日本の巡視船に放水しました。日本の保守派の人も日本のマスコミも大きく取り上げませんでしたが、これは大変なことです。最後の味方までも去っていったのです。

 一国の法執行機関である、海上警察の巡視船が他国の法執行機関である巡視船に放水するなどという無礼な(国際儀礼に反する)行為は普通考えられないのです。明らかな敵対的行為なのです。それに台湾側でも、一船長の判断で行えることではありません。

 日本の巡視船がアメリカの沿岸警備隊の艦船に放水することを考えればよく分かるでしょう。簡単に言えば日本に喧嘩を打っているようなものです。これは明らかに国の上層部の判断があったと思います。某女史は、日本の友人は台湾である、中国と手を切って台湾と結ぶべきだとしきりに書いていました。

 今回の出来事をあの某女史はどう見ているのでしょうか。保守派の雑誌などでも台湾のことを日本を大切に思う立派な国だと書いていました。今回の出来事をどう評価するか知りたいものです。多分現在の政権が悪いと書くのでしょう。しかし、その政権を選んだのは間違いなく台湾国民なのです。

 それに台湾のマスコミも今回の放水について、批判したりはしていないようです。こうして、日本はロシア・中国
韓国・台湾と対立することになりました。先日の朝日新聞の記事で、日本人はこれから東南アジアに目を向けるべきだという意見が一番多かったとあります。

 逆に中国は欧米に目を向けるという意見が多かったようです。日本は空気が支配する国です。保守派の雑誌では、すでに「大東亜共栄圏」などという、死語が登場していました。その雑誌では、日本は東アジアから東南アジアへ目を向けるべきだと主張しています。

 ここで言う東南アジアとは、どうもアセアン諸国とインドをイメージしているようです。そう簡単にはいかないと言うのがおじさんの考えです。現在中韓は、日本の戦争責任という視点で共同しようとしています。お若い方はご存じないでしょうが、かって東南アジアの国々で、激しい反日デモがあったのです。

 この戦争責任という言葉を使えば、フイリッピンやオーストラリアは敏感に反応します。日本軍はオーストラリアを爆撃し、戦争捕虜になったオーストラリア人を虐待したのです。シンガポールでも中国人の虐殺事件が戦争当時ありました。香港でも同様です。

 以前アセアンの会議で中国非難の決議ができなかったのも知られています。アセアン諸国も反中国でまとまっているわけではありません。またインドについても、スズキの工場で大規模な暴動が先日あったばかりです。インドは汚職がひどい国としても報告されています。

 東南アジアで伸びている、ベトナム社会主義国なのです。経済規模も中国・台湾・韓国と比べ物になりません。中国があれほど強気でおられるのは、日本に味方する国がないと見切っているからではないでしょうか。アメリカも日本に一方的に肩入れするはずはありません。

 ヨーロッパ諸国は傍観的態度です。ただ先述した戦争責任となると難しいことになります。これも若い方はご存じないと思いますが、戦争中オランダの植民地だったインドネシアでの日本軍の行動から、オランダでも反日的な雰囲気があったのです。(昭和天皇が欧州訪問の際旧軍人から反対デモがありました。)

 イギリスの場合もやはり一方的に中国を批判するとは考えられません。現在のアジアにおける中国の経済的立場を良く分かっているはずです。かって植民地だったから中国人はイギリス人が嫌いだと思われるかもしれませんが、日本人同様、欧米人に対しては好意的なのです。(中国人の学生さんの話・・アフリカ系の人には差別意識があるそうです。又以前は朝鮮族の人もいじめられたそうです。今は韓国が高度成長したので、変わったそうです。・・これは朝鮮族の学生さんの話)

 結局ヨーロッパで明確に日本を支持してくれるのは、かっての同盟国(ドイツ・イタリア)だけでしょう。フランスもアメリカや日本が中国と国交を持っていなかった時代から国交を持っていました。それにかっての中国共産党指導者もフランスへ留学しました。(鄧小平など)ただ、ドイツも戦争責任を言われると日本の味方をしにくくなります。ドイツ自身の戦争責任があるからです。

 昨日書いたように、日本国内の報道だけで世界情勢を判断するのは危険です。欧米の国はドライです。自国にとって何が一番有利かを考えます。今日本に味方するのと、中国に味方するのではどちらが有利かと考えます。日本固有の領土だから日本が正しいと主張してもそれが受け入れられるとは限りません。

 ヨーロッパでは固有の領土がしばしば戦争の結果他国のものになりました。スペインのバスクやイギリスのアイルランドのように、固有の民族の領土が外国(当事者から言えば)のものになっている例などざらにあるからです。(そのため激しい独立運動が起きました。)

 万が一日中の軍事衝突となっても、国際社会、特に欧米諸国は一方的に中国を非難して制裁を加えるとはならないでしょう。国連を見てもロシア・中国という常任理事国が二つも入っています。制裁決議など不可能です。

 ではどうすればよいかというのは難しいです。本当は橋下さんの言うのが一番合理的な解決方法なのです。しかし、外交交渉は結論を最後にしなければなりません。交渉は切り札を最初に出したのでは成り立たないのです。野田さんも、橋下さんの言う通りだと思っていますが、それは言えません。

 そんなことをすれば、国内世論で弱腰だと袋叩きに合うからです。とりあえず、事態が沈静化するのを待つしかありません。台風であの地域が立ち入れない事態が1年間続くのが一番望ましいです。そうなれば、あの地域は何の利用価値もないと言うことで、日中両国で話し合いができるからです。

 またまた素人外交評論家の意見を書いてしまいました。強硬論が多いブログやサイトの中にこのような軟弱な意見があっても良いと思います。

 明日は、孫の運動会を見に行きます。遅くなったらブログはお休みです。