新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

縮む内需、輸出で活路は見出せるのか。

今日はブログはお休みにするつもりでしたが、ちょっと時間がとれたので書いています。晴天なのですが、風があって寒いくらいです。夜、大学院のニセ学生となるので、寒さ対策が必要です。ニセ学生とは言葉が悪いのですが、大学では演習の授業を正式に申請できないのです。前期の続きをやっているので、先生の好意で演習に参加させていただいているのです。

 と言っても大学院の人間環境論演習(環境考古学演習)なので受講生はおじさんも含めてたった3人です。もしおじさんが参加しなかったら、先生と学生2人と言うことになります。

 大学院の演習というのは、そんなものです。おじさんが大学院に通っていた頃(今の大学院とは別)先生と1対1で演習をやったこともあります。(「家族関係論」です。)

 ところで、株価の方もこの数日やっと下げ止まりました。といっても、かってに比べると下落は恐ろしいほどです。かっては100円が額面だと言われました。(本当は1株50円が額面)長い間インフレが続きお金の価値が下落したからです。ところが今は名門企業でも100円以下のものがあります。神戸製鋼所と言えば名門企業ですが、ここも100円以下です。日本板硝子などもそうです。

 倒産はしないのでしょうが、バブルの頃を考えると隔世の感がします。さて、今日は内需の減少と輸出についてです。特に内需の減少についてかきます。

 おじさんの家は昔から生協に加入しています。ところがだんだん生協から脱退する人が増えてきたそうです。それ以上に生協さんが危機感を抱いているのは高齢化です。まず、全体の注文数が減ったそうです。おじさんの家でも子供が育ち盛りの頃は確かに大量に注文しました。

 しかし、夫婦二人になれば注文も高かがしれています。また、特に肉類の注文がかってに比べて激減したと生協のチラシに書いてありました。高齢化の影響だと思います。おじさん達も若い頃は肉を食べていました。子供も肉が大好きでした。

 しかし、皆別の大都市へと行ってしまいました。高齢化してだんだん肉も食べなくなりました。高齢者は肉よりもあっさりした魚を好むからでしょう。高齢化とともに全ての需要が減少すると思います。シニア市場の拡大が報道されていますが、これはシニアの中心が今60歳代半ばだからでしょう。団塊の世代が、今ちょうど65歳を過ぎようとしています。

 10年後団塊の世代は75歳にさしかかります。さすがにこの年になれば、旅行も趣味もだんだんできなくなります。とにかく数が多いので、内需に大きな影響を与えるでしょう。内需が減少することは間違いありません。

 ところで輸出ですが、日本の高賃金と円高で難しいようです。それに世界的な景気低迷の影響もあります。ただ、日本とは逆に新興国も途上国も内需拡大のチャンスはあります。ただ輸出で稼いでそれを内需にまわすといいうやり方が世界的に通用するかどうか問題です。

 輸出を盛んにするには、どこかの国がどんどん輸入してくれなければなりません。これまではヨーロッパやアメリカがその役割を果たしたのです。しかし、ヨーロッパの経済危機で難しいようです。期待できるのは中国です。中国を日本の生活レベルにしようとすると膨大な内需が発生するでしょう。まだ電気洗濯機も電気釜も掃除機もクーラーもレンジも普及していません。これらが、雲南省青海省の奥地にまで普及するとすれば、その数は膨大なものになるでしょう。

 携帯やパソコンの普及率の方が他の電化製品の普及率より高いです。お金を持っているのは若者なので、まずそちらを優先するのです。おじさんのいた大学構内のお店の奥さんは手で洗濯物をあらっていました。かまどで炊事をするのは中国の農村では普通です。

 かっての貧しい日本について書きました。逆説的ですが、ものがないと言うことは、貧しさと同時に膨大な需要があるということです。ただ品質の良さだけでは新興国では売れないと思います。どうも日本の人は品質が良ければどんどん売れると考えているようです。

 問題は値段とのかねあいです。日本人は本当にきめ細かく品質を求めます。多分国民性だと思います。ところが外国では日本ほどの品質を求めないのです。とりあえず使えればよい。その代り値段を安くしてほしいです。テレビでも報道されていましたが、とにかく現地の物を使って安く大量に販売することが大切です。

 こう考えていくと、輸出をあてにしてデフレ脱却を目指すのは難しそうです。素人だから言えるのですが、労働者の賃金を下げて、品物の値段を安くし、品質を少し落として売り込んだらと思います。ただ、それは確かに日本人にとって耐え難いとは思います。

 安かろうまあまあ良かろうというところだと新興国では売れるのです。日本のブランドだけに頼ってやっていくのはこれから難しそうです。

 今日は今から学校へ行く準備です。