新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

デフレを願う人、インフレを願う人ーあなたはどちら

今日は朝から肌寒い天気です。昨日は授業があって、疲れてブログを書く気力がありませんでした。今日も午後から夜まで出かけるので今書いています。

 株価は相変わらず9000円台を挟む展開です。アメリカ大統領選挙や中国の政治指導者の動向、日本の総選挙の結果などが分からないと本格的な動きにはならないようです。特に赤字公債発行法案の行方は気になります。もし国債発行が停止され、後日法案成立後大量に発行となれば、市中での消化が難しくなり金利上昇ということにもなりかねません。

 まあそこまで与野党とも愚かでないと思いますが、今の時代なにが起こるか分かりません。政権交代が確実な日本でも安倍政権の経済方針が気になります。特に電力株を持つおじさんとしては、原発再稼働の問題が気になります。再稼働となれば、電力株は大幅な上昇となるでしょう。

 しかし、そうなれば安倍政権は猛烈な世論の反発を買うことになります。保守的な政策(憲法改正や教育問題)を推し進めるつもりでしょうが、その前に経済問題が立ちふさがると思います。(TPP問題やデフレ問題、社会保障費の削減など)

 さて、ある新聞記事を読んでいると、デフレを期待する高齢者は自らの利益を考えずにインフレ政策に協力すべきだということが書いてありました。最近のサイトの記事を読むと高齢者がしばしば悪者になっています。

 高齢者が年金を沢山もらっているから若者が困っている。60歳を過ぎても再雇用されるから若者の雇用が少ない。高齢者は沢山貯蓄しているのだからそれをどんどん使え。高齢者が医療費を沢山使っているから財政赤字なので高齢者に医療費を負担させろ。と言ったものです。

 さらには高齢者になりつつ団塊の世代サヨクだとも書いてあります。以前は若者が改革を求めてサヨク、高齢者は現状維持でウヨクだったのに、今は若者はウヨクで高齢者がサヨクだという不思議な時代になっています。

 さらには、高齢者が多すぎて若者の数を上回っているので、高齢者1票に対して若者3票の投票権を認めろという意見まであります。思想信条は自由なので何を書いても問題はないのですが、65歳になろうとしているおじさんにとっては、随分日本も変わったものだと思います。

 まあ敬老精神などと言うのは無理なのでしょう。ところで、今盛んに話題になっているインフレを進める政策ですが、当然利益を得る人とそうでない人がいます。おじさんたちは若い頃大変なインフレを経験しました。それで高齢者はほとんどインフレ政策に反対なのです。

 デフレが解消しない理由は沢山ありますが、その一つにデフレで利益を享受している人が多数存在していることです。デフレは物価安をもたらします。ユニクロに行くと新興国中国よりやすい値段で質の良い衣料を売っています。ところで中国には100円均一の店はありません。(100円は中国の貨幣だと8元ちょっとくらいです。何とこんな安値では雑貨は売っていないのです。)

 衣料ですと中国では1000円(85元くらい)では、まともなものは買えません。日本のように1000円以下で衣料が売っていないのです。雑貨でも10元(130円)以下では何も買えません。中国では食料品は政策的に安くしていますが、雑貨や衣料は時として日本の方が安いのです。

 デフレで利益を得ているのは、収入が確実にある人です。知人で年金を受給している人(民間企業退職者)が最近国家公務員になったからと冗談を言いました。年金は国家が保障し、支払っているので広義の国家公務員と言っているのです。

 年金受給者(60歳以上の人全員)国家・地方公務員、大企業サラリーマンなどは皆デフレのありがたさを享受しています。また、収入の少ない人もそうでしょう。安いファミレスなどで食事をすれば500円以下で何とかなります。低所得労働者、非正規労働者、失業者、生活保護者などもデフレで助かっています。

 そうなれば圧倒的にデフレの恩恵を被っている人が多いことになります。60歳以上の人口でも2000万人以上もいるはずですから。逆にインフレによって恩恵を被る人はどうでしょう。まず企業経営者です。原材料をデフレの時代に安く仕入れておいて、インフレで商品価格が上昇すれば、その差額は膨大でしょう。

 企業規模が大きいほどそうなります。中小商店でも流通業界でも同様です。政府も貨幣価値が下がるので財政赤字の重圧が減少します。また名目の税収も増加するでしょう。インフレで貨幣価値が下がるのを恐れて預貯金から株などの投資へと資金がシフトするでしょう。また不動産投資も活発化するでしょう。

 つまり、インフレは企業などの経営者や政府、株式所有者、不動産所有者などにとっては有利です。ですから経済界やお金持ちがインフレを願うのは当然です。

 もちろん、インフレで景気が良くなれば少しは労働者にも配分があるかもしれません。しかし、過去のインフレ体験から言えば、賃金上昇率以上に物価上昇率が高かったように思います。

 年金生活者のおじさんとしては、経済界の理屈は十分分かりますが、現実としてはこのデフレが取り合えず寿命が尽きるまで続いてもらいたいおもです。もちろん結構なお金を株式に投資しているので、万が一インフレになっても何とかなるようには防衛策も講じています。

 明日は教会の司式の準備や授業準備などをします。