新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

石原都知事辞任と保守強硬派

今日から雨だという話もあったのですが、午後から晴れてきました。朝は弱い雨があったようです。円安も一服と言ったところです。

 おかげで株価もわずかながら下がっています。何を言ってもアメリカ大統領選挙が終わらない限りどうしようもありません。オバマ大統領かロムニ候補かでは政策が余りに違っています。おじさんの感覚ではなぜオバマ大統領の政策にアメリカ国民のかなりの人が反対なのか分かりません。

 もちろん、銃規制を主張しても全く相手にされないし、国民皆保険で国民の医療を保障しようと言ったら大反対に国なのですから、仕方がありません。これが日本なら、国民皆保険をやめて、各自が民間の医療保険に入っていださい。お金がなければ、それなりの医療しか受けられません、お金があれば世界最高レベルの医療が受けれれますなどと主張したら、日本ではマスコミの袋叩きに合うでしょう。

 それに、そんな厳しい案に賛成する国民は少ないと思います。さて、今日は話題の石原都知事国政進出についてです。ああ、またマスコミの注目を浴びたいだけのパフォーマンスかと言うのが第一印象です。

 この人はいつもマスコミの脚光を浴びていないと気がすまないようです。それが日本にとってどれだけ迷惑になっても気にしないようです。もちろん、彼のパフォーマンスに喝采を与える人がいるから、こんなことができるのです。

 行政にしても外交にしも教育にしても、時間をかけてこつこつと地道にやってやっと成果がでるものなのです。もちろん時間がかかりますので、待ちきれない人も沢山います。子供の成長でも、時間をかけて少しずつ伸びていくようなものです。

 何事でも短期勝負などということは無理です。それに今は閉塞的な状況なので、何かここで大きく変化があってほしいと思っている人も多いようです。

 現在安倍ー石原ー橋下と保守強硬派がもてはやされています。理由は閉そく感を打ち破ってほしいという願いでしょう。しかし、閉塞感にとらわれているのは、日本だけではありません。世界中がそうなのです。最大の理由は経済的な行き詰まりです。

 つまり世界経済が活性化しないかぎり、どんな政策も意味がないと思います。今保守強硬派の政治家が主張しているのは、強い日本だと思います。この場合、経済的に強い日本でなく、軍事的に強い日本を作りたいようです。軍事力が弱いから他国に軽く見られるのだという主張のようです。(橋下さんはちょっと違いますが)

 残念ながら、軍事力を強化するにもお金がかかります。膨大な赤字財政をどうするのでしょうか。社会保障費を減額して軍事費にまわすという手もあります。その場合、高齢者の反発も予想されます。

 年金受給者が年金を軍事費のために減額されることを承知するでしょうか。また、高齢者が医療費を自己負担してまで軍事費の増加を承認するでしょうか。また日米同盟をどうするかも大きな課題です。米国が望むTPPをどうするかもあります。また、基地問題もあります。核兵器を作るにしても、原発全廃をどうするかの問題が先にでてきます。

 日本の航空自衛隊保有する航空機の大半はアメリカから提供されたものを国内生産しています。もし、日米同盟を解消するなら、アメリカからの航空機の提供はなくなるでしょう。また高度軍事技術の提供も受けられなくなります。(対ミサイル防衛網など)

 自主防衛で航空母艦原子力潜水艦保有するのは結構なのですが、その訓練や運用には先輩であるアメリカ軍の協力が必要です。上陸作戦の訓練のためアメリカ軍の協力を仰いでいます。もし海兵隊を作るなら、やはりアメリカ軍の協力が必要です。航空母艦原子力潜水艦は作れば終わりではないのです。作る以上にその運用が難しいのです。

 そもそも航空母艦に乗せる航空機は今から国産で開発しても難しいです。輸入するとなると機種選定から始め、その乗務員の訓練も必要です。また自衛隊(当然国防軍になるのでしょうが)の兵員を増強すれば給与が膨大に膨らむし、基地などの設備(宿舎・装備など)の増強も必要です。(現在のように高度な軍事技術を必要とする時代、2年程度の徴兵制では無理でしょう。)

 GDPの200%近くの財政赤字なのにどうするのでしょう。それに軍事力を強化して領土保全はできますが、それによって近隣諸国との貿易が拡大するはずもありません。韓国や中国は警戒感を強めるでしょう。東南アジアへ進出しても、警戒されるのは間違いないと思います。(先の戦争の思い出がよみがえります。)

 日米同盟解消となれば、日米貿易も厳しくなるでしょう。日本の軍事力が増大したのをアメリカが喜んでさらに貿易が活発化するとも考えられません。まして、石原さんの言うように、日本が核武装したら、東アジアは軍備拡大競争になるでしょう。軍事的緊張がさらに高まると思います。

 石原さんが総理大臣になって、本当に主張している通りになったら、日本はかって来た道をたどることになるでしょう。まあおじさんも無事定年を迎え65年の生活を過ごしたので余り惜しい人生ではありませんが、ネットで見かける威勢のよいネットウヨクの方々が苦労されるのは御気の毒です。

 以前小泉さんの選挙で熱狂的に支持した若者は、競争社会に引きいれられ、多くの非正規雇用者となり苦労しました。今度はどうするのでしょう。保守強硬派の意見に賛成して溜飲を下げる代わりに軍隊にとられ、戦場に駆り出されるのでしょうか。軍隊に行けば、携帯もネットもゲームもできません。個室もなしです。多分膨大な数のうつ病の人がでるでしょう。(上司に叱られただけでうつ病になるのですから)戦場に行けば戦争神経症患者が大勢でます。

 選挙は国民がするものですから、おじさんが何を言っても仕方がないですね。小泉選挙の時も本当にそれでよいのかとブログに書きました。そして、それから数年して全く反対の政権交代選挙になりました。

 明日はバザーのお手伝いに行かなければならないかもしれません。