新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

他国を理解することの難しさ

今日は朝一時曇りましたが、午後からは晴れてきました。今日は伝道礼拝の後バザーがありました。今日は司式(礼拝の司会)なので相当緊張しました。

 バザーにはまずまずのお客さんが来ていただいてありがたかったです。以前は借入金の返済のためだったので、売上を上げなければならないので大変でした。今は教会の建物維持のための基金になっています。教会員も高齢化してなかなかバザーの品物も集まらなくなりました。

 それでも一度やめると再開が大変なので、伝統を残す意味でもやっています。おじさんよりツマクマの方が大変でした。

 さて今日はある方からコメントがあったので、ああやっぱりと思ってこれを書いています。実は他国を理解するのはとても難しいということです。日本人同士でも言葉の行き違いがあって喧嘩になったりするのは普通のことです。まして、他国を理解するとなるとせいぜいマスコミ報道がいいところでしょう。

 最近マスコミ報道でも問題が多いと指摘されています。おじさんの体験でもそう思うところがあります。今問題になっている中国についても同様な気がします。

 特に格差社会であることが報道されていますが、それは事実です。しかし、その格差社会をどのように国民が受け取って生活しているのかとなるとちょっと日本人の感覚とは違っています。

 国民性というものが明らかに違います。国民性というものは同じ国内、日本でもいいのですが、時代や場所によって相当違いがあります。地域差は県民性とも言われます。だから「秘密のケンミンショー」のような番組が成立するのです。この番組を見るとよく分かりますが、自分たちの常識が日本全体でも常識だと思っています。

 中国の場合まして他国だし広大な国土で多数の民族を抱えているのですから、日本人の感覚で他国民を判断しようとすると、難しい問題があります。

 もちろんおじさんが見聞きしたのは、ある地方都市のそのまた一部でしかありません。立場も政府の招待に近い形(国立大学の招聘)ですから、民間企業の方とも違っています。それは仕方のないことですが、中国の人が皆格差社会に怒っているわけではないことは事実です。(もちろん起こっている人も大勢いるとは思いますが。)

 中国では日本と違って、どんな時代が来ても我関せずでひょうひょと生きている人も大勢います。中国人の先生は日本人は勤勉でまじめだと言います。計画をたててきちんと実行しないと気が済まないし、他人にもそれを要求します。もしそれができないと、許せない気になるでしょう。

 しかし、中国人はそうではないのです。以前書きましたがおじさんの勤務した中国の大学は、建学80年の地域一番の国立総合大学なのに、給与明細は3年間一度も出ませんでした。給与支給日は25日ですが、28日になっても給与が振り込まれてないことがありました。税金もいくら払っているのか、払っていないのかも分かりませんでした。(日本の国立大学がそんなことをしたら大変な問題になるでしょう。給与の遅配なのですから。)

 給与受け取りのために銀行カードを貰っただけです。通帳はなしです。住民登録もしていません。ツマクマはしていたようです。人口調査があるという連絡がメールできましたが、その後音沙汰なしです。

 国立大学でこの程度ですから、後はおして知るべしです。それでも国がちゃんとまわっています。格差についても、ちょっと稼ぎでお金をもうけているようです。おじさんの行きつけの大学の傍の店(麺屋さん)では、手打ちなのでほとんど原価は0に近いです。1杯6元(80円くらい)です。1日100人は客が来ます。(午前中30人昼食時夕食時で60人その他10人)なぜ分かるかと言うと20人でいっぱいになる席がいつも昼食時にはすぐ埋まるからです。

 1日600元で30日毎日働くと18000元です。必要経費が3000元としても毎月1万5千元です。外国人教師のおじさんの給料よりはるかに高いです。1年で10万元以上になります。小さなお店なので、請求書など出しません。お姉さんがお札の束を持っていて、それで勘定をします。

 ですから、税務署と言えども収入をチェックできないと思います。店は小さくて汚いので、多分外国人が見れば貧しいと思うでしょう。店のお姉さんの服装も質素です。ある時そのお姉さんと町であった時、見間違えてしまいました。バリとした服装でとてもおしゃれでした。

 ああ、自分の店は儲かっているなどと言えばやっかみを買うだけだから粗末ななりで、汚い店にしているのだと思いました。江戸時代の農民もみかけよりお金を持っていたと聞いたことがあります。もし立派なみなりをしたら、年貢を沢山とられるからだと言います。

 中国ではお金儲けをしたい人は限りなくがんばり、そこそこ儲けて後は楽しくすごす人も多いです。お金をもうけて店を大きく綺麗にするだけが目標ではなさそうです。(本人に聞いたわけではありませんが)

 個人的な見聞なので普遍性がないと言われればそうですが、まあ他国を理解するヒントくらいにはなるのではないでしょうか。明日からまた忙しくなります。