新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

総選挙の争点について

今日は保育園に行っている孫のお遊戯会を見に行きました。おじさんの家から高速で1時間くらいのところです。今年中さんです。5歳ともなるとなかなかしっかりした演技をします。

 さて、今日は先日の党首討論などを参考に大きな総選挙の争点について書きます。争点は色々ありますが、別の視点から論じてみたいと思います。

 実は今回の争点はハイリスクーハイリタンかロウリスクーロウリタンかの争いです。もちろん前者は自民と維新の会です。後者は民主党と未来ということになります。公明党もどちらかと言うとロウリスクロウリターンのようです。

 今回の自民党特に安倍さんが打ち上げた政策は極めてリスクの高いものです。おじさんのような素人でも、そんなことをしてもし失敗したら日本は大変なことになるがと思っています。金融政策を見ても、先日書いたように専門家はもちろん、当事者の日銀も自民党のバックの財界も驚きあきれるものです。

 支持しているのは、ネットの意見と一部の専門家だけです。支持している専門家は以前からこの意見だったので、当然ですが、ほとんどの経済学者や経済評論家はリスクを危惧しています。防衛政策でも、憲法改正国防軍創設についても、危惧しています。

 特に60代以上の戦争体験者や戦争の匂いをかいだ人達は危惧しています。先日の同窓会(全員65歳以上)でも皆口をそろえてあんなことをしたら大変なことになると言っていました。若い戦争の匂いすら嗅いだことのない人達は、戦争の恐ろしさを知らないのだと思います。

 おじさんの父親も戦争に行ったし、家には戦後の配給のカードや父親が軍隊で使ったハンゴウがありました。街では傷痍軍人が物悲しげにアコーデオンを弾いて歌っていました。そんな風景を知っているので、とても勇ましいことは言えません。

 唯一の戦争体験者である担任の先生(87歳・・学徒出陣で少尉)も自衛隊でよいと言っていました。原発も同様です。今のまま再稼働して本当に皆納得できるのでしょうか。自民党も維新の会もそのつもりのようです。一連の政策の意図は、このままじり貧になるよりリスクがあってもやるべきだと言うのでしょう。

 自民党や維新の会を支持するネットの意見のほとんどはそれです。何もしないでダメになるより、ダメでもともとで何かやろうというのです。そう言えば維新の会は最低賃金制度の廃止も主張しています。

 もしこのまま自民党と維新の会の連合政権ができたら原発を動かし、軍隊を作り、お札をじゃんじゃん刷ってインフレを起こし、最低賃金制度を廃止してどんな安い給料で働かせてもよいし、雇用規制をゆるめて中高年の人をどんどん解雇するような社会が来そうです。

 若い方は現状に不満を持っていますから、ちゃぶ台返しのような、社会の大変革を望んでいるようです。しかし、小泉改革に賛成して自民党を大勝利させ、結果非正規社員が増大し苦しんだのは若者です。国防軍ができ戦争への道が開かれて兵士となって戦場に赴くのは、やはり若者です。(ある者は死にあるものは手足を失うでししょう。)

 ハイパーインフレになっても、お金持ちや高齢者の一部は過去のバブルの経験があるので、株式に投資したり、不動産を購入したりして対処するでしょう。円安になっても外貨投資でしっかり稼ぐでしょう。しかし、そのような経験も資本もない人達は本当にお気の毒だと思います。

 安倍さんのような金融政策は皆知っているのですが、余りに危険なのでやらないだけです。円安にしたければ、いくらでも方法はあります。ただその副作用も大きいからです。丁度抗がん剤でよく利く薬はその分副作用が大きく、体も攻撃するようなものです。

 まあ小泉選挙の時もブログで警告したのですが、結果はあの通りです。今回も多分自民と維新の会で過半数以上を維持するでしょう。後は公明党の良識を信じるしかないようです。

 最後にじり貧を恐れて勝負に出た戦前の日本がどうなったかだけ思い出してほしいと思います。

 明日は教会です。