新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

総選挙の先にあるもの

今日は大荒れの天気と聞いたのですが、それほどでもありません。(これを書いている時間帯は)今日は午後から大学院なので今これを書いています。

 総選挙の情勢はすでに見えたので、その後について書きます。総選挙の結果は自民党の圧勝です。理由は選挙制度にあります。日本の選挙制度小選挙区中心です。ですから小選挙区を制するものが勝利それも大勝利を得ます。小選挙区は総取りなので、1票でも多いほうが勝利し総取りします。

 今回のような多党化となれば圧倒的に基礎票を持つ政党が有利です。二大政党に分かれて有権者の票を争うならいいのですが、争点が同じならやはり基礎票で勝負となります。最大多数の無党派の票が割れるからです。

 小泉選挙の再来になるでしょう。しかし、現状は小泉さんの時代と違います。あの時代以上に問題が山積みになっています。まず原発再稼働の問題です。経済界は強く望んでいます。電力会社にとって再稼働できるかどうかは経営上大きな問題です。

 再稼働できたら電力会社の赤字は一気になくなります。(そうなれば電力会社の株も復配しておじさんも助かります。)今の流れでは再稼働もやむを得ないというところでしょう。来年9月の参議院選挙で勝利したら実行すると思います。次に問題の経済政策です。現在の円安はもちろん安倍さんの発言もあるでしょうが、アメリカや中国の景気回復、ヨーロッパの財政問題の安定が根底にあります。

 つまり緊急避難的に円に来ていた投資が次第に戻りつつあるということです。安倍さんはお金をどんどん刷って市中にばらまくと言っていますが、現実には難しいでしょう。安倍さんが長期政権にしたいなら無茶なことをしないでしょう。

 問題は財政赤字です。参議院選挙まで社会保障費の削減は難しいでしょう。それに自民党は昔ながらの政策が好きなようで国土強靱化といって土木工事をじゃんじゃんやるようです。その費用は当然国債からということになるでしょう。国債の発行が増えます。
 
 それに、景気回復で資金需要が増え銀行融資を求めるようになれば銀行も国債を買わずにもっているお金を企業に貸したり、株式市況が復活したら国民も銀行に預金したりせず再び投資が盛んになるでしょう。

 そうなれば、国債金利が上昇します。今のような安い金利を維持することは難しくなります。この議論は財政再建が叫ばれたこと良くなされたのですが、経済成長派(安倍さんもそうですが)が力を持ってから議論されなくなりました。景気回復というのは金利上昇を伴うものなのです。(お金を借りて設備投資をしたい人が増えれば金利は上がります。)

 国債金利が上昇し(この場合国債の価値が下がる)始めればあわてて銀行は損失が出る前に売るでしょう。国債大暴落の可能性も来年の秋以降ありそうです。それにTPP問題も再熱します。民主党政権は賛成しましたが、自民党は反対です。

 しかし政権与党になれば経済界の要望も無視できません。これも取りあえず参議院選挙で農村票をとるまでお預けです。自民党の首脳もTPP参加は時代の流れだと思っています。また中国との関係も復活しなければなりません。強い日本を作るだけでは外交問題は解決しません。

 中国の存在感を無視することはできません。13億の市場は生産現場だけでなく消費の場としても魅力です。全ては参議院選挙後です。もちろん総選挙後民主党参議院でいやがらせをしても、三分の二以上の議席で押切可能性もあります。

 もうひとつの自民党の問題は肥大化した政党は分裂しやすいということです。政権を失う可能性はないのですから、党内闘争がひどくなります。反主流派になった人は主流派に公然と反対するでしょう。それが、先述した論点の別れる問題に出ます。

 また決まらない政治を決めていこうとすると国論が分裂します。先述した問題はどれも国論を分裂させる可能性も持ったものです。政治は一寸先は闇なので、どうなるか分かりません。最大の財政問題に今回はふたをしましたが、災害は忘れたころにやってくるです。

 ハイリターンを選択した国民はハイリスクを背負わねばなりません。これから昨日の試験の採点をして大学に行きます。