新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

「元に戻る」日本ー改革疲れの国民

昨日は授業で疲れてブログを書くことができませんでした。授業は50分授業で言えば4時間になります。それに通勤時間が往復4時間です。

 今日は晴天で温かいです。明日からはまた寒くなりそうです。今日は午後から大学院の授業に行きます。北朝鮮のミサイル打ち上げがありました。一時延期説もでましたが、北朝鮮のフェイントだったようです。今回は打ち上げに成功したようです。

 円安が続いて株価も上昇しています。持ち株も利益が出るには程遠いのですが、損失が減るのでありがたいです。選挙結果についての予想も次々にでています。後3日ですが、大きく予想と変わらないと思います。

 さて選挙後の日本はどうなるのでしょうか。自民党のスローガンは「取り戻そう」ですが、「取り戻そう」としている日本はどのようなものなのでしょうか。実はタイトルに書いたとおり、元の日本にしたいのです。

 元の日本とはいつの日本でしょうか。短期的には小泉改革以前の日本なのです。おじさんの考えでは、国民は改革改革の連呼に疲れているのではないでしょうか。今回12もの政党が立候補しました。しかし、選挙予想を見る限り、破竹の勢いと言われた維新の会もそれほど伸びないようです。

 考えてみれば、10年近く前小泉さんが「自民党をぶっ壊す」と叫んで改革が始まりました。そして今回のスローガン「取り戻そう日本」に至っています。つまり、安倍さんはぶっ壊される前の自民党政治に「取り戻そう以前の自民党」にしようとしているのです。

 ぶっ壊される前の自民党は、政財官のトライアングルでした。それに農協や医師会のような団体から票をもらっていました。お金は財界、智恵は官界、票は農協で成り立っていたのです。今回の選挙で大勝利する原動力は、財界や官界ではなく、農協さんのおかげのようです。

 TPPに反対し、原発停止を叫ばず、消費税にも消極的で、金融緩和を提唱しました。TPP反対を打ち出したことで、農村票を獲得し、反原発を叫ばないことで原発を抱える地域の票を獲得し、消費税への消極姿勢と金融緩和で中小企業の票を獲得できました。

 つまり、小泉改革自民党が失った堅い支持基盤を回復したのです。これで地方の小選挙区で圧勝できます。ついでに民主党の牙城である都市部では民主党への失望で無党派層は逃げてしまいました。

 また国防軍などと行った過激な言葉で、戦前の日本まで戻る姿勢を打ち出しました。一部の政治は敗戦前の日本にまで戻るようです。これらの政策に非難が集中しないのは、国民が小泉改革以後の改革改革に疲れたのだと思います。

 改革を主張する勢力が一枚岩にならず、それどころか互いに違いを言う余りばらばらになってしまいました。維新の会の人気も石原さんの勢力と合体することで、視点がぼけてしまいました。一度落ちたイメージは復活が難しいでしょう。

 選挙後全ての改革は元の戻るでしょう。維新の会の主張する地方分権も圧倒的な多数を握って自民党には通じないでしょう。自民党世襲議員の問題も派閥の問題も元に戻るでしょう。政治主導の行政も官僚による行政に戻ると思います。

 自民党時代は部会の議員いわゆる族議員と官僚が手を組んで政治をやってきました。これも元に戻るでしょう。コンクリートより人へのスローガンも元に戻って、人よりコンクリートとなり、公共事業も復活します。

 自民党の支持基盤である高齢者への年金や医療費削減もストップするでしょう。削減などすれば参議院選挙で高齢者の票が逃げてしまいます。TPPも反対のままで農村票を確保します。規制緩和もやらないで、業界の既得権を確保するはずです。

 これで中小企業の票も確保できます。つまり何もしないという選択をするはずです。もちろん赤字財政もそのまま、あるいはさらに赤字拡大へと進むでしょう。大胆な金融緩和を進めれば少々赤字財政が増加しても大丈夫ということでしょう。

 おやおやこの改革改革と皆で叫んだ10年間は何だったのでしょう。やはり日本人は変化より安定を好むのだと思います。ブログやコメントで維新の会は橋下さんを応援した人もめっきり少なくなりました。これからしばらくは、元の日本に戻ってぬるま湯の政治が行われそうです。

 外交問題についても、今は威勢の良いことを言っていますが、毅然たる態度だけでは外交問題は解決しません。1000兆円の赤字と4000万人近い高齢者を抱えた日本は、高度成長期の日本とは違うのです。ジャパンワズナンバーワンと言われた頃の日本はもう二度と戻ってこないでしょう。

 急激な変革も困りますが、全てを元に戻すだけでは何の解決にもならないと思うのですが。明日から来年の授業のシラバス作りです。