新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

NHKスペシャル「日本国債」を見て

今日は午後から晴れてきました。夕方からはイブ礼拝なので、今ブログを書いています。昨日NHKスペシャルで「日本国債」について報道していました。

 あれを見て自民党のインフレ促進派の人や安倍総裁は激怒したと思います。さりとて安倍さんや自民党へのいやがらせでやったのでないでしょう。放送予定の方が自民党の大勝利より前に決まっていたはずです。

 しかし、公共投資10兆円、円安のためにお札を刷るまくる(お札を刷るには政府が国債を発行する必要があります。)という発言に冷水を浴びせたのは間違いないと思います。これはNHKを非難するのが無理な話で、NHKが報道していることは間違いのない事実だからです。

 もちろん、安倍さんの考えはNHKの番組内で語られた内容とは違っているのでしょう。インフレを起こし景気を拡大すれば財政赤字など心配ないという考えだと思います。また、1000兆円にも及ぶ国債に対して1400兆円の預貯金があるから大丈夫という考えもあります。

 しかし、これから10年で200兆円の公共事業を考えているようです。その全ては国債発行に頼らねばなりません。それに毎年50兆円近い財政赤字国債でまかなうことになるでしょう。毎年20兆円の公共投資と考えて毎年の財政赤字補てんの国債との合計70兆円です。6年で420兆円になります。

 つまりこのままでは、後5年程度で預貯金を越えることになります。国民の預貯金が増加すればよいのですが、そんなことはないでしょう。(高齢化の進行・非正規社員の増加)それに円安になれば外国人投資家は国債を買いやすくなります。国債を持つ外国人が増加し、いよいよ国債残高と預貯金残高が接近してくると国債価格の売りに入る可能性もあります。番組でも財務省担当者は海外の投資家に売ることを明言していました。

 ところで、番組の中である投資家の話がでていました。シンガポールでの講演での話です。投資家はシンガポールの投資家に大人気のジムロジャースと言う人です。彼は日本が赤字財政から立ち直るためには「子供の数を増やす」「外国人移民を許可する」「生活水準を下げる」の三つを上げていました。

 おじさんが見ても納得できる意見です。やはり人口減少社会で1000兆円の国債を減らすのは無理です。ただ前の二つの政策は安倍さんも含む保守派の人達が一番嫌がる政策なのです。子供を増やすためには、働くお母さんたちが子供を預けやすくする必要があります。

 しかし、安倍さんを含む保守派の人は子供は親が育てるべきだと自助努力を上げます。それに男女性別役割分担が大好きです。これでは子供は増えないでしょう。中小企業に働く夫婦は子供を持てばまず母親が働くのは無理です。ですから子供を作らないという人もいます。それに非正規社員が増えれば結婚も無理でしょう。

 非正規社員と子供が結婚するのを勧めたり、喜んで賛成する親は少ないでしょう。将来の生活が厳しくなるからです。子供を大学に進学させるにしても大変です。外国人の移民については絶望的です。ネットの書き込みを見ても、とても無理です。今いる外国人についても風当たりが強いです。今は東アジアの人たちに対してですが、東南アジアやアフリカの人が増えたらこちらに矛先が向くでしょう。

 日本人のかなりの部分の人が経済鎖国を望んでいるようです。政府は国際化を主張していますが、国民の本音はひっそりと仲間同士で暮らしたいのではないでしょうか。それに生活水準を下げるのも無理です。いまさら携帯電話も自動車もパソコンもエアコンもない生活に戻れないでしょう。

 田舎暮らしでは自動車は欠かせないし、若者にとってスマホのない生活は考えられないでしょう。となれば、上手に危機を隠してくれる政治家を望んでいると思います。公共事業の拡大とお札をばらまくこの二つの政策で赤字財政は大丈夫と自信たっぷりに太鼓判を押してくれる政治家を信頼する方がたやすいからでしょう。

 おじさんは80年崩壊説を持っています。明治維新から敗戦まで約80年です。(1868年から1945年)厳密には77年です。今敗戦から67年経過しました。残された時間は10年です。10年後日本崩壊があるとすれれば、自然災害より通貨下落・国債の信用下落でIMFによる国家管理の可能性が高かそうです。

 土地神話もバブルも直前まで様々ななぜ大丈夫かの言説が飛び交いました。大丈夫だと言った評論家は今別のことを言っています。国債も明らかにバブルなのですが、大丈夫の言説が根強いです。災害は忘れたころにやってくるは自然災害だけではないでしょう。

 おじさんの予想がはずれることを祈っています。明日も色々忙しいです。