新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

前門の虎後門のおおかみー安倍外交の行方

今日はとても寒い一日でした。朝はうっすらと雪が積もっていました。株価は相変わらず強そうです。といっても全ての株が大幅に上昇したわけではありません。証券など金融関連株が上がっています。鉄鋼関連株などは今一です。おじさんの持ち株でも比較的機械・食品・金融関連はまもなくトントンになりそうです。

 しかし、話題の建設株もそれほどではありません。電機関連株もまだまだです。電力や鉄鋼関連株は大幅下落のままです。

 さていよいよ明日政権交代が現実のものになります。新しい顔ぶれについてはまた書きます。今日は少しずつ近隣各国の反応が出ているので安倍政権の外交問題について書きます。安倍さんが何より気にしているのはアメリカとの関係です。

 アメリカに首相就任後真っ先に訪問する予定のようです。どんな場合でも関係を回復したいと願う方が下手(したで)に出らなければなりません。アメリカとの問題は山積しています。一番は基地問題です。こちらは取りあえず話し合いのきっかけ作りというところでしょう。

 オスプレイの問題も選挙にまぎれて消えてしまいました。しかし、国内配備となると各自治体から反対運動が起こりそうです。沖縄もたとえ保守が大勢を占めても問題がなくなったわけではありません。このような問題でアメリカに日本側の言い分を通そうと思ったらやはりお土産が必要です。

 となるとやはり一番のお土産はTPP参加交渉でしょう。これに言及すれば日米関係は相当良くなります。アメリカにとっても、TPPに日本が参加すれば一気に加盟国は増加するでしょう。しかし、そうなれば農業団体や医療団体が黙っていません。

 選挙を7月に控えてそれはちょっとということになるでしょう。しかし、アメリカ側が後半年以上も待ってくれるかどうかです。それに戦後レジュームを見直し、憲法を改正すると言うことは、アメリカが主導した戦後政策をスタートからやり直すことになります。

 つまり日米戦争の意味を根本から見直すことになります。このことをアメリカ国民がどうとらえるかの問題もあります。

 次にアジア外交です。最近のコラムを見るとこれまでの反ロの意見からロシアとの協調を主張するものがみられます。一方対中国・韓国については厳しい論調が続いています。安倍さんとしては取りあえず対韓国については融和的な立場を取ろうとしています。竹島についての県の行事を国の行事とすることについては取り下げたようです。

 また特使を派遣するとの報道です。これについては保守派のコメントで反対や失望の意見があります。中国についても特使派遣を考えているようです。これについても同様に反対や失望の意見があります。さりとて経済重視の安倍政権の立場にたてば毅然たる態度で対韓対中関係を続けるわけにはいきません。

 生産の場としての中国の重要性は下がっても消費の場としての中国の重要性は少しも下がっていません。13億人のマーケットが眼の前にあるのにみすみすそれを失うわけには行かないでしょう。もし日本が失えばそこを韓国・EUアメリカが埋めるだけです。

 自動車にしても、おじさんが中国滞在中多くのアメリカ車・韓国車・ドイツ車を見ました。警察車両はほとんどVWフォルクスワーゲン)です。西安などのタクシーもすべてVWでした。重慶では全てスズキでした。日中関係が悪化すればスズキのタクシーがVWに代わる可能性もあります。

 特使を派遣するとなればやはり何かお土産が必要です。まさか手ぶらで仲良くしましょうというわけにもいかないでしょう。中国も韓国も何らかのお土産なしには妥協しないし、国内世論を納得させるわけにはいかないと思っています。

 そうなれば保守派の反発や安倍政権への失望が広がります。自民党が野党だった時代は民主党をいくらでも非難できますが、与党となって外交に責任を持つようになればそうはいかないでしょう。ベテラン政治家は皆分かっているはずです。

 外交の融和政策は参議院選挙までだと安倍さん思っているかもしれませんが、外交は継続的なものです。選挙が終わったら手のひらを返すように強硬策になるとすれば、アメリカも近隣諸国も安倍政権を信用しなくなると思います。

 いずれにしても現実的な外交政策は国内保守派や農業団体の反発を買うことになります。現実的な政策を取らなければ外交は進みません。まさに安倍政権は民主党政権同様前門の虎・後門の狼の状態に陥るでしょう。

 ここらかが安倍さんの政治的手腕の見せ所になります。外相には大物議員を登用しないようですから、自分が中心になってやるつもりのようです。

 明日は忙しそうなのでブログはお休みかもしれません。