新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

部活顧問体罰事件に思うー管理職の責任について

 今日は朝から晴天でした。おかげで布団干しができました。午前中は銀行回りです。各銀行の残高を確認して不足がないかチェックします。また国民健康保険料等の支払いです。
 
 株価は大幅上昇のようです。と言ってもあれは日経平均であって個別銘柄の値上がりではありません。株式投資を全くやらない読者の方は理解しにくいと思います。新聞などに日経平均が100円以上上昇などと書いてあると全ての株式が値上がりしたように思われますが、そうではないのです。
 
 事実おじさんの持ち株でもいくつかは値下がりしています。ただ円安傾向の恩恵は被っています。円安は単にドルに対してだけでなく、他の通貨に対しても安くなっています。おじさんの場合はドル建て投資とニュージーランドドル建て投資をしています。この場合、ドルだけ円安になったのでなくニュージーランドドルについても円安になっています。
 
 ちなみに元に対しても円安です。おじさんが中国にいた頃12円ちょっとだったのに、今は14円台に来ています。さて今日は教育ネタです。カテゴリーを見た方はなぜビジネスの会社経営なのかとお思いになられたでしょう。この顧問体罰事件は組織経営の問題と深くかかわっているのです。
 
 この時間は単に学校の問題だけでなく、ほとんどの組織管理にかかわる問題なのです。ですから組織管理の視点から今日は書いてみたいと思います。
 
 おじさんは大学での専攻は日本語学ですが、大学院では教育行政学・学校経営学研究室に所属しました。修士論文は学校組織の運営についてです。(正式名称は別ですが。)ですから学校経営や組織運営については深い関心があります。
 
 この事件は管理職さらに言えば校長の姿勢いかんで起こらなかった可能性が大きいのです。組織管理者としては、この校長は失格です。なぜかと言えば校長は人事権・校務運営に関する権限を持っています。また学校における教育全体を管理する責任があるのです。
 
 問題の教師も含めて以前から校内とくに部活動中に体罰が行われていたことは知っていたはずです。他の 部の顧問も体罰で停職になったのですから、当然部活動全体で体罰がないか知っておかなければなりません。このくらいなら体罰にならないだろうなどと言ったことでは校長の責任は免れません。
 
 もし部活動で体罰が行われていることについて知らなければ職務怠慢ですし、知っていて見逃していたのなら法令違反です。体罰は法律で禁止されているからです。もし遺族が訴訟を起こすなら学校側の敗訴は確実です。
 
 それではこの場合どのような方法を校長は取る事ができたのでしょうか。逆に言えばこのような問題の解決ができるのは校長だけです。簡単に言えば組織上校長が決断すればこの問題は簡単に解決できたのです。まず校務に関する権限について考えてみましょう。
 
 校長には部活動の顧問を誰にするかの権限があります。逆に言えば校長にしかないということです。教員をどの部の顧問にでもできるのです。問題のバスケット部の顧問を茶道部の顧問にすることもできます。バスケットなど全くやったことのない教員を部顧問にすることもできます。(事実おじさんはサッカー部の副顧問と弓道部の顧問をしました。どちらの全く未経験です。)
 
 このバスケット部の顧問が体罰を行っているなら、その部顧問からはずせばよいだけです。さらに反発するなら人事異動させることもできます。どこの県や市でもそうですが、人事異動は校長と教育委員会の人事担当者が話しあって行います。
 
 校長が校務運営上困るので異動させてほしいと訴えたら委員会の人事担当者は考慮しなければなりません。もし今回校長がこのような具申をしていながら、委員会が特段の理由もなく異動させなかったとしたらそれは人事担当者の責任になります。
 
 校長は事前に委員会に具申したのにそれがかなえられなかったのど今回のようなことが起きましたと言うことができます。それではなぜ校長は部顧問が体罰を行っているのを知っていながら何もしなかったかです。理由は簡単でヒーローだったからです。大きな大会で実績を上げている顧問を体罰を理由に更迭することはできません。
 
 もし無理に更迭すれば、校内の体育会系教師の反発を買うでしょう。また保護者の中にはこの部顧問を評価している人もいます。同窓会や保護者会の反発もあります。校長はせいぜい3年在職するだけです。この間何事もなく過ごせたら一番だと思うでしょう。
 
 委員会でも事を荒立てたくないと言う気持ちもあります。ほとんどの学校の体育系部活動で似たような問題があるはずです。もし体罰を一切認めないと通達したら、体育系部活動の顧問の引き受けてがなくなる可能性もあります。体育系の部活動は顧問がいなければ参加できないのです。
 
 問題が起こったのが皮肉なことに大阪市でした。橋下さんは、教員を全員評価してCが3年連続してついたら確か免職にすると言う条例を作りました。この部活動顧問はこの事件が表ざたにならなかったらAがついたでしょう。部活動に熱心で成果もあげているのですから。
 
 評価がAでありながら事件を起こし生徒一人を死に追いやったのです。一人の生徒を死に追いやるような教育があってよいのでしょうか。もし教員と生徒の関係でなく高校生の顔を殴打したなら即座に傷害罪あるいは暴行罪で逮捕されるでしょう。この顧問が他の高校のバスケット部の高校生を殴打したら即座に逮捕されます。
 
 教育現場だからと言って本来傷害罪や暴行罪に該当する重大犯罪を免責することにはなりません。体罰を是認する動きが止まらないかぎりこのような事件は繰り返されるでしょう。おじさんが知っている限りでも、公然と体罰を行いながら、管理職になったり、さらには教育委員会の重職についたりした教員を知っています。
 
 この事件を見ながら教育現場の闇について思い出していました。明日は友人のミヤジイと会う予定です。