新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

論語から現代政治と社会を見る

 今日は午前中は晴れていましたが、午後から小雪になりました。日経平均も値上がりし、円安も進んだようです。おじさんはまだまだ日経平均も円も高い時に購入したので、利益がでるところまでは行っていません。
 
 円安株高を見て新規に投資を始めようかと思っている人も多いと思いますが、何とも言えない状況です。さらに円安株高になれば、利益確定売りがでるかもしれません。
 
 さて今日は来週授業で論語をやるので、論語のいくつかの言葉から現代政治を見てみたいとおもいます。
 
1 至誠にして動かざるもの、未だ之有らざるなり。
 このうえない真心を尽くして人を感動させないことはまだあったためしがない。(教科書の訳です。)
*これは今回の体罰事件に関する論語の答えです。人を感動させやる気にさせるのは至誠だと孔子はいうのです。体罰防止に運動部顧問に論語を勉強してもらってはどうでしょうか。
 
2 巧言令色鮮し仁と(「こうげんれいしょくすくなしじんと」・・読み方)
 口先がうまくて、人のきげんをとる人には思いやりの心をもって共生しようとする心がすくない。
*橋下大阪市長などは、話しが上手で、相手の顔色を読んで攻撃します。そんな人は仁の心がすくないと言うことでしょう。現代社会では仁のような徳目より戦闘的で相手をやり込める人の方が好まれ選挙で大量得票するのでしょう。孔子様は嘆かれるとは思いますが。
 
3 学びて思わざれば則ち罔し。思ひて学ばざれば則ち殆し。(罔はくらし。 殆はあやうし)
 人から教えてもらっても自分で考えることをしないと物ごとの道理がわからない。自分で考えるだけで人の意見を学ばないと危険である。
民主党は政権をとった時、自分で考えるだけで学者や官僚から学ぶことをしなかったので、とうとう政権を失ってしまいました。橋下市長も同様です。他人の意見を学ばないで自分の思いだけだととても危険なのです。自民党は野党の時代何かを学んだと思います。ただそれを自分の中で深く思い致さないとまた道を見失います。
 
4 兵食信の教え。何を先にするのか「やむを得ずして去らば、何を先にせん。」「兵を去らんと」
 どうしても兵食信のうち一つを取り去るとしたら何を先にするのかですか。まず兵を取り去りましょう。(軍備を削減します。)原文が長いので途中は省略します。
兵は軍備・食は経済・信は信義の心・あるいは政治に対する信頼です。
* 自民党財政赤字で国家が大変な時にまず食(公共事業)を取り兵(防衛予算の拡大・国防軍への昇格)を取りました。それなのに国会議員の歳費削減や選挙区の抜本的な改正などは手つかずです。さらに「恒産なければ恒心なし」(安定した収入がなれれば平常心は保てない)とあるのに生活保護費の削減をします。
 
 あるいは最低賃金制度の廃止や雇用の自由化をすすめようという人もいます。恒産(安定した収入)が失われようとしているのに、恒心(安定した心)を保つのは難しいでしょう。まあ新自由主義や自己責任の原則は孔子様の教えにはなじまないようです。
 
 最後に、「一言にして終身之を行うべき者有るかと」「それ恕か」
 一言で一生実行すればよいような言葉がありますか。それは「恕」でしょうか。「恕」とはまごころのこもった思いやりです。
 
 今日本では成果主義新自由主義、ブログのコメントには在日外国人に対する罵詈雑言、近隣諸国に対する蔑視、からかい、などが横行しています。孔子様によればもっと論語を勉強しなさいということになるのでしょう。ちなみに「それ恕か」の後には「己に欲せざる所人に施すことなかれ」(自分のしてほしくないことを、人にしてはいけない。)と続きます。
 
 子供が皆孔子様の教えを守ったらいじめ問題は解消するでしょうに。まあ今頃そんなことを言っていたら生き残れないでしょう。もちろん孔子様が生きた時代だって大変だったと思います。ですから安楽椅子や机の上で思い付いた言葉ではないのです。孔子様自身生きるか死ぬかの放浪の人生を歩みます。一方では小国とは言え大臣までやったのです。
 
 孔子様は行政官あるいは政治家として生き、諸国を放浪し、そのどちらおも体験したのです。生死の境をさまよった上での言葉です。2000年の歴史を生き抜いただけの重みが論語にはあります。書斎や大学の机の上で考えた言葉ではないのです。
 
 明日は来月ある試験の問題を考えます。