合理的なものは存在する。-再び経済市況について
今日は一日中雨でした。このところ乾燥した天気が続いて庭の水やりも大変だったのでありがたいです。気温もそれほど下がりませんでした。
今日は午前中は歯医者へ定期健診で行ってきました。半年に1回定期健診に行っています。歯石の除去などです。おかげでこの5年間虫歯もなく安心です。以前は歯周病がひどいと言われたのですが。最近はそれも落ち着きました。
試験問題作りも一段落です。ところで昨日に続いて経済市況についての話題です。タイトルの言葉「合理的なものは存在する」はドイツの著名な哲学者ヘーゲルの言葉です。ヘーゲルの著作はちょっと学生時代ちょっと読んだだけで諦めました。余りに難しすぎるからです。
ただこの言葉だけは妙に印象的で記憶に残っています。おじさんが覚えてことばは「理性的なものは存在する」でした。またそれと対になった言葉で「存在するものは合理的である。」というのがあったようです。
今日も株式市況は好調で値上がりしていました。おじさんの持ち株も鉄鋼関連株、電機関連と食品関連の株が大幅高でした。きのうは証券株が大幅高でした。どうもあれこれ物色しているようです。出遅れ株を探して物色しているようです。
この相場は明らかに業績による上げ相場ではありません。もちろん円安で利益は出ますが、だからと言って商品がどんどん売れだしたわけではありません。確かに輸出関連株は円安で為替差益が膨大に出るでしょうが、同時に来期は円安で原材料の値上がりが見込まれます。
また国内産業たとえば食品なども突然商品が大ブレイクしたわけでもないのです。株式市況は必ずしも合理的なものではありません。もし合理的なものなら、一定の法則や理論に基づいて利益を出すことができるはずです。今は日本株は世界的に見て出遅れているという見通しなのでしょう。
去年の11月頃買った人は今売れば相当な利益を得ているはずです。悪くても買値の2倍、運が良ければ3倍近い利益が出ているはずです。2倍と言えば100万円の投資が200万円、3倍なら200万円の投資が600万円になっているはずです。
と言っても11月に株式を買った人も何かの合理的な根拠があって、今のような突然の値上がりがあると判断して買ったわけではありません。著名な経済学者ケインズは株式市況は人気投票だと言いました。芸能人の人気に良く似ています。なぜあの人が突然売れ出したのか分からということです。
何かをきっかけに大ブレイクしたとしても、本人に本当の実力がなければ一発屋で終わってしまいます。今の相場は合理的な根拠はありません。ただ買いが買いを呼んでいるだけです。車でも惰性あるいは慣性と言うものがあって、勢いがつくとすぐに止まれません。
相場も勢いなのですぐに止まれないのです。しかし、合理的な根拠がなければ、いつか止まります。裸の王様の譬えにも似ています。皆が王様は裸だと言わなければ自分だけ言うのは恥ずかしいということになります。しかし、誰かが王様は裸だと言えば一斉に皆そういうでしょう。
亡くなった吉本隆明の「共同幻想論」という本を学生時代読んだことがあります。今の相場はまさに共同幻想なのだと思います。またプラシーボ効果というのがあります。プラシーボとはにせ薬です。本物の薬そっくりですが、効果はないただの小麦粉だったりします。
しかし、それが新薬だと説明され飲んでいると結構効き目がでるのです。しかし、本当の薬ではないので限界があります。アベノミックスもプラシーボの一種でしょう。新しいまた大胆な提言なので、効きそうな気がするのです。(副作用が伴うところも新薬に似ています。)するとその気になるのです。
アベノミックスはどう考えても合理的な政策ではありません。それではなぜ円安株高になるかと言えば、何だかそれが経済を好転させるような気がするからです。そんな気がするので株を買う人が増え、相場が上がり、さらに買いが入るという訳です。
しかし、先述したようにアベノミックスがどんな効果を生むかも分からないのに先買いしているのですから、いつか熱も冷めます。インフレになったら給料が上がり、景気が良くなるなどと言うのは全く非合理です。インフレになって物価が上がったも企業は賃金を上げないでしょう。それに財政赤字は全く解消しません。
またどんどのお札を刷って銀行にまわしても、有力な借り手がいない現状では宝の持ち腐れです。せいぜい株か不動産に投資してミニバブルを起こすくらいです。内需の担い手である若者が減少し、さらに日本人自体の人口が現象しているのに物がどんどの売れるはずはありません。
明日は試験問題のチェックと解答用紙・模範解答作りです。