新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

ぼんやりとした不安ーこれから日本はどうなる

 今日は一日雪でした。朝から降り始めて、少しだけつもりました。先週は暖かかっただけに、このまま春になると思ったのですが、がっかりです。今週末にかけて寒いようです。
 
 今日は中国の学生さん(大学院生)から依頼された敬語に関するアンケートの集計をしていました。やっと4パートのうちの半分が終わりました。日本人特に若者の敬語意識が分かっておもしろかったです。本当は学生さん自身が集計すると傾向が分かってようのですが、アンケート用紙を郵送するとお金がかかるので、結果だけメールで送って、後日中国へ帰る学生さんにアンケート用紙の持参をお願いする予定です。
 
 株式相場は一段落というところです。それに比例して円高が進んでいるようです。さて今日のブログのタイトルはご存じの方もあると思いますが、芥川龍之介の言葉です。この言葉は的中し、彼の死後日本は坂道をころげるように破滅へと進みました。
 
 現代の日本も将来に対して不安があります。世の中の人は楽観主義な人と悲観主義の人がいます。おじさんは悲観主義です。なぜなら楽観的な見方をしていて、ショックを受けたら立ち直れないからです。悲観的な予想を立てて、実際は良い結果になればそれはそれで良いからです。
 
 日本の現状は、株高円安で安倍政権は順風満帆のようですが、その先には暗雲がたちこめています。一番恐ろしいのは外交問題です。あるいは防衛問題と言ってもよいでしょう。民主党政権が外交については消極主義だったので、安倍政権は外交問題で積極主義にでるようです。
 
 しかし、中国・韓国・北朝鮮・ロシアは外交においてはしたたかです。弱気だけではダメでしょうが、だからと言ってネットに書き込まれているような、強気一辺倒でもうまくいかないでしょう。以前書いたように、現状では東アジアに日本を積極的に支持する国はありません。
 
 かっての盟友であった韓国も台湾も領土問題で日本と利害が対立しています。先日台湾と中国の間で通貨を自由に流通させる協定が成立したようです。これで台湾ドルを中国元と直接に交換できるようになりました。そうなれば、台湾と中国の関係はさらに深まります。
 
 日中が尖閣問題をめぐって軍事衝突した時に日本の周辺諸国はどのような態度を取るでしょうか。日本と共同して中国にあたってくれる国はあるのでしょうか。ロシア・北朝鮮は全く期待できません。先日ロシアの航空機が領空侵犯をしたと報じられていました。
 
 ロシアは日本が中国・韓国と領土問題で対立しているのを利用しようとしているのでしょう。日中が軍事衝突しないまでも対立している状態では漁夫の利を狙っていると思います。領空侵犯で日本側に北方にも脅威があることを示せば、日本は二正面に目を向けねばなりません。
 
 中国にとっては応援団と言うことになります。多分同時にロシアは日本に対して微笑外交もやると思います。こうして、ロシアは中国と日本どちらにも良い顔をする可能性が高いです。ロシアとしては尖閣問題が先鋭化すればするほど北方領土への関心が薄くなるからもってこいです。
 
 韓国も中国との貿易関係や北朝鮮問題に対する中国の影響力を考えると、一方的に日本の味方もできないでしょう。日本で犯罪を犯した容疑者を中国へ引き渡した事例などが、現在の韓国の立場をよくあらわしています。歴史的に見ても韓国は常に中国と日本の影響下に挟まれていました。
 
 歴史問題や竹島問題を考えると韓国が日本を積極的応援するのも難しいでしょう。最近東南アジアの諸国が日本の再軍備を期待しているようです。しかし、東南アジア諸国の経済力や軍事力は東アジア諸国とは比べ物になりません。
 
 軍事力と言えば、韓国軍・台湾軍は実戦経験があります。実戦経験のある軍隊は強いです。東南アジアの国で対外戦争の経験があるのはベトナム軍だけです。ただベトナム軍は国内向けの軍隊で、国外での戦争経験はありません。韓国軍は北朝鮮と対峙して臨戦体制ですし、台湾軍の空軍や海軍は何度も中国軍を打ち破りました。
 
 ですから、韓国軍や台湾軍が日本に積極的に協力してくれるなら、中国軍は動けないでしょう。しかし、現状ではそうはならないと思います。中国軍に協力することはないにしても、日中が軍事衝突しても動かない可能性はあります。あるいは領土問題についての自国の立場を考えると動けないでしょう。
 
 橋下さんのお得意のそれなら対案を出せと言われてもどうすればよいのか分かりません。とりあえず確実に助けてくれそうなアメリカとの同盟関係を強化するくらいです。そうなれば、アメリカが望む沖縄基地問題やTPPを何とかしなければなりません。国内世論を説得しなければなりません。
 
 人に何かを頼む時、まさか手ぶらというわけにもいかないでしょう。さりとて余りアメリカの言いなりになる訳にもいかないと思います。対中国問題の状況を考えてどこまでアメリカに協力できるかです。それを世論が受け入れるかです。
 
 おまけに保守派の人の中にはアメリカとの同盟もやめて自主独立路線で行けという意見もあります。これがもし進められれば、国際連盟から脱退し孤立を深めた過去の歴史を歩むことになりそうです。もし、日本がアメリカから独立して独自の軍事力を整備したとしたら(核武装も含めて)、韓国・台湾は完全に日本との協力関係を断つでしょう。韓国は竹島を軍事力で奪還される危険を感じますし、台湾は何もせず尖閣列島での権益を手放すわけにはいかないからです。
 
 たとえ東南アジアの諸国が応援してくれても、東アジアで孤立したのではどうにもなりません。
 
 タイトルに書いた通りこれはぼんやりとした不安です。形をもった不安にならないことを願っています。明治維新から77年(1868年~1945年)で日本は崩壊しました。敗戦から今年で68年(1945年~2013年)になります。10年後日本はどうなっているのでしょう。
 
 明日も学生さんから依頼されたアンケートの集計をします。