新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

株を守るー意味の多様性

 今日は一日中雨でした。土曜日から試験の採点を始めてやっと終わりました。今回は漢文が範囲の大部分を占めたので、不振者がでました。
 
 今勤務している学校は大学並みに60点が合格ラインなのです。それで今回は50点台の人が何人かでました。そうは言っても、平常点なども加味するし、これまで点をやっているので何とかなりそうです。
 
 さて今回の試験は「株を守る」という故事を出題しました。これは北原白秋の「待ちぼうけ」で有名な話しです。今株高なので、今日はそれについて書きます。
 
 「株を守る」という話しはよく知られているのですが、とりあえず簡単に内容を書きます。ある農夫が畑で仕事をしていると、ウサギが走ってきて切り株につまずいて首の骨を折って死にます。それ以来、農夫はスキを捨てって、またうさぎが、株につまずくのをずっと待ちました。
 
 ウサギはとれなくて、農夫は国中の笑い者となったという話しです。普通はこの教訓は偶然手に入れた利益をいつも期待してはいけないと言うものです。しかし、本当の教訓は、過去の出来事に捕われてはいけないと言うことです。似たような教訓に「船に刻みて剣を求む」というのもあります。
 
 株を守るの株は文字通り木の切り株です。ところで、今日のおじさんのタイトルの株は株式です。今日も株式市況は上昇していました。問題はこれで利益を得た人があるいは利益を得た人を知っている人は、真面目に働らかなくなるのではないかと言うことです。
 
 おじさんの持ち株でさえ、一番上昇した株式は今日一日で6万円の利益です。今日朝一番安い時に勝って売っただけで、10万円近い利益がでます。(ただこの株は6000株持っています。)一番上がった日は1日で20万円近く上昇しました。
 
 半年以前からある程度の株数を持っている人は、相当な利益を出しているでしょう。問題は株式で利益を得るには何の苦労もいらないということです。なぜなら半年前に株を買った人が現在の株高を予想したでしょうか。もしそのような人がいたら大金持ちになっていたでしょう。
 
 もし、偶然大儲けした人がいて、これからまじめに働くのをやめて株式市況の画面だけを見守っているとしたらどうなるでしょう。(まさに株を(見)守るです。)バブルの頃こんなことがしばしば起こりました。まじめに働くより株式で毎日勝負した方が利益がでるというのです。
 
 デイトレと言う言葉がはやりました。今週刊誌も株式高騰を取り上げています。相場の格言に証券会社のロビーに素人があふれたら相場は終わりだと言います。以前書いたように、相場がいつ終わるのかはだれにも分かりません。
 
 ほとんどの場合相場の最後に登場するのが新規に投資を始めた人達です。あるサイトでは現在買っているのは海外の投資家と個人投資家だと書いてありました。海外の投資家の場合、以前売ったいた株を買い戻している可能性もあります。
 
 株式投資を長年やっているおじさんがこんなことを書くのは変ですが、やはり普通の人は浮利(株式売買益)を当てにするのではなく、額に汗して働く方がいいと思います。悪銭身に着かずというように浮利身につかずです。
 
 理由は何の苦労もなく朝起きてみたら何十万円もの利益がでたとしても、それを大事に使う気にはなれないからです。大体利益をさらに投資の回すか、何か物を買うかです。それを堅実に預貯金に回したりする人は少ないと思います。
 
 堅実で保守的な生き方を目指す安倍政権が浮利を生みだす株式市況を高騰させているのも妙な皮肉です。
 
 明日は成績処理をします。