新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

安倍訪米の難しさー強固そうに見えて脆い日米関係

 今日は肌寒いけれど晴天でした。今日は前立腺の検査結果を聞きに行きました。また数値が下がって、薬も毎日でなく、2日1回でよくなりました。
 
 株式市況・外国為替市況いずれも一服でした。そろそろ上昇も頭打ちのようです。相場的に言えば材料出尽くしと言ったところです。以前急騰した持ち株も別の材料がでてあっという間に下落しました。相場でいう上げ100日下げ3日です。(意味は「株価が上がるのに100日かかっても、3日で元の株価に戻ると言うたとえです。)
 
 さて安倍さんはアメリカに行って首脳会談をするようです。会談しなければならない内容は多くあると思いますが、リベラル派の民主党の大統領が保守派の安倍さんにどれだけ胸襟を開くか疑問です。
 
 同性愛者の結婚を認めるような政策は、安倍さんも含めて自民党の人などには信じられない政策でしょう。日本では男女別姓でさえ認めてないのですから。それに、TPP参加について明確な回答なしでは、アメリカも納得しないでしょう。集団的自衛権の問題でも、アメリカとしてはそれほど望んでいないと思います。
 
 アメリカとしては、集団的自衛権を認めても、軍事力の差が大きすぎるのですから、あくまでも日本の自衛隊国防軍の改称したとしても)はアメリカ軍の補完的な勢力でしかないと思います。自衛隊の編成その他全ては自国防衛のためであって、他国に積極的に軍事介入するようにはなっていないからです。
 
 尖閣列島での日中軍事衝突は自国領内での防衛ですから、自衛隊でも対応できますが、北朝鮮アメリカが事を構えても、日本の自衛隊北朝鮮領内で軍事行動をすることもできません。そもそも朝鮮語ができる自衛隊員はほとんどいないでしょう。
 
 せいぜい海上自衛隊とかが北朝鮮周辺の機雷除去をしたり、対潜水艦戦を行うくらいでしょう。問題はTPPです。参議院選挙まで態度を鮮明にするのはまずいでしょう。しかし、だからと言って何もしないままだとますます取り残されてしまいます。
 
 先日、ブロゴスを見ていたらアメリカ訪問に手土産は不要だという意見が書いてありました。そんなことはありません。忙しいアメリカ大統領が、ただ就任のあいさつだけで訪米されても迷惑なだけです。日本でも何か将来お願いすることがある場合は、手土産くらい持っていきます。
 
 日中軍事衝突が懸念されている現在、手ぶらで大国アメリカの大統領を訪問し、首脳会談をすることは考えられません。さらに先述したリベラル派のオバマ大統領が、安倍さんのような戦後レジューム否定論者に好意を持つとは考えがたいです。
 
 日本の考えもあるでしょうが、アメリカにしれば、今の繁栄の基礎を築いたのはアメリカの占領政策だという自負があると思います。イラク侵攻の際でも、当時のブッシュ大統領は日本占領型のアメリカ主導の民主国家建設を考えていたようです。
 
 つまりアメリカには伝統的に、日本占領政策はこれまでで一番成功した占領政策だという考えがあるようです。日本ではアメリカによる占領は屈辱であっても、アメリカの考えは違うと思います。
 
 こう考えれば、安倍さんは何をもってアメリカ大統領を説得するのでしょうか。アメリカは日本が軍事力を増強して、中国と事を構えるようなことを全く期待していません。この地域でもし軍事衝突など起こったら、東アジア全体が不安定なものになります。
 
 アメリカにとって日本と同じくらいかそれ以上に中国は大切な貿易相手国なのです。おじさんの以前いた中国の地方都市でも日本人以上にアメリカ人がいました。日本語学部が2クラスに対して英語学部は5クラスです。欧米人の観光客は大勢いましたが、日本人観光客はほとんどいませんでした。
 
 以前書いたように、中国側からしても、アメリカは日中戦争の時自国を応援してくれた(これは国民党も共産党どちらも同じ立場です。)大切な国なのです。アメリカの援助がなければ日中戦争で早く敗北したことは、現在の中国共産党も十分理解しています。(以前書いたテレビドラマのアメリカ人の例など)
 
 中国の諺に、井戸を掘った人のことは忘れないというものがあります。過去に恩を受けたらそれは忘れないということです。一部の人が言うようにアメリカと手を切って独自の軍事力を育成しようという考えがあります。もしそんなことになれば、アメリカは躊躇なく中国の味方をする可能性があります。
 
 なぜなら70年前は日米は敵対関係にあり米中は友好関係あるいは同盟関係にあったのですから。戦後レジュームの見直しは、日米関係の見直しにつながる危険性があります。安倍さんがアメリカでどのようなことを言うのか、また約束するのかは目が離せないところです。
 
 明日は色々忙しいです。