新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

日米首脳会談の成果についてーTPPを中心に

 今日は春のような暖かしでした。おまけに春の匂いもしました。春の匂いとは草木のにおいのことです。おじさんの家の庭でも梅が花を咲かせていました。
 
 昨日は所用で忙しくてブログが書けませんでした。今日はやっと時間がとれてこれを書いています。数日続いていた株式市況の下げも止まり、反転しました。まだまだ先は分かりません。業績相場ではないので、日本を代表する企業の株式を持っている人はそれほど利益がでていないようです。
 
 今日の相場を見るとアベノミックスで不動産価格が上昇すると見て、不動産を持っている会社の株があがっていました。以前バブルの時も、倉庫会社の株などが大幅高になったものです。普通の人なら知らないような、倉庫会社です。
 
 さて今日は、日米首脳会談について書きます。おじさんはTPP賛成派なので、安倍政権が加盟へ向けて前進することはうれしいです。総選挙の圧勝とアベノミックスのとりあえずの成功で、TPP参加反対派の人は、気勢をそがれています。
 
 国内的には自民党首脳が推進へとかじを切ったので、参加はほぼ間違いないでしょう。ところで、首脳会談自身はどうだったのでしょう。安倍さんは自分の主張が認められたというので、やや興奮気味でした。しかし、オバマ大統領は本当に日本の主張を受け入れたのでしょうか。
 
 各種の記事を見ると、一見日本の主張を認めたようで、実は根底ではアメリカの方針を押しつけたと言われています。そもそもリベラル志向のオバマ大統領が保守派の安倍首相に好意を持つとは考え難いです。もちろん大国日本の首相ですから、それなりの対応をするでしょうが、それなりでしかありません。
 
 ところで、TPPについてですが、聖域を認めたと言って安倍さんは大喜びです。TPPは本来例外なき市場開放ですが、そんなことは理想であって、あくまでも建て前でしかないと思います。例外のない規則はないと言う通りです。自然界の法則なら別ですが、人間が作る規則なら当然例外があります。
 
 問題は聖域は認めるが、それ以外は全て市場開放すると言う点です。安倍さんは聖域が認められるから参加するといい、オバマ大統領は聖域以外は完全に市場を開放すると認識しています。つまり安倍さんは例外の方を重視し、オバマ大統領は本来のルールの完全受け入れを認めさせているのです。
 
 聖域ですから、何十の聖域があるはずはありません。これだけは絶対譲れないが他については譲るということです。聖域と言った場合、農業のある部分ということになるでしょう。一番影響の大きい米や乳製品などがそれに当たると思います。
 
 もし農業分野を聖域として守るなら、他の部分医療や保険、その他の農業分野での譲歩を迫れれるはずです。またアメリカのいやがる自動車の輸入についても関税が認められるでしょう。
きる勢力はありません。
 
 また途中で脱退すれば良いという意見もありますが、国際信義から言ってそれは無理でしょう。もし、日本が脱退したら、中国などが喜んで参加するでしょう。TPPから脱退して、中国や韓国を対象とする2国間のFTAを結ぶのは困難です。もし、中国がTPPに参加したら、日本は中国・韓国とのFTAも結べない状態になったら、東アジアで孤立してしまいます。
 
 逆に日本がTPPに参加するとしたら、中国などは焦ると思います。その後中国とFTAを結ぶ際も有利になります。中国は逆に孤立感を強めるはずです。それだけに、日本はかなり無理をしてもTPPにとどまらなければならないです。(おじさんでも分かるくらいですから、外務省やその他の官僚も全員そう理解しているはずです。)
 
 結局ある記事にも書いてあった通り、日本は名をとって実を捨て、アメリカは名を捨てて実を取ったということです。安倍さんの成果は国内反対派を納得させることになっても、グローバル経済の荒波を国内に呼び込むことになりそうです。
 
 国内的には保守的な政策を着々と進めながら、経済や外交ではアメリカの大きな影響かに置かれることになりそうです。保守派の方のいう自主防衛など夢のまた夢ということになります。マルクスではありませんが、下部構造の経済を抑えられて、上部構造の政治が思う通りに行くはずはありません。
 
 参議院選挙での自民党の大勝は間違いないでしょうし、最近の維新の会の内部対立などを見ると、再び自民党一党独裁の時代が来ると思います。そうればリベラル支持派のおじさんは冬眠ということになりそうです。
 
 明日は教会の議事録を整理したりして、少しのんびり過ごします。