新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

雇用条件緩和に思うー大失業時代の到来か

 今日も20度近い気温でした。まるで春の陽気です。北国ではまた雪になるようですが、おじさんの地方では来週あたり桜も咲くとの予報です。
 
 株式相場も大幅高でした。と言ってもおじさんの持ち株はほとんど影響がありません。インデックスファンドのように日経平均のスライドするファンドを持っていた人は大幅高に利益が出ているでしょう。この相場はアメリカの相場に連動しているので、しばらくは上昇基調が続くでしょう。
 
 今日のブログは雇用条件の緩和についてです。簡単に言えば解雇を容易にしようという話しです。日本では解雇の条件が厳しく制限されています。それゆえ、一度正社員として採用されるとよほどのことがないと解雇できません。それで企業内失業者が増加いしていると言われます。
 
 新自由主義経済支持者の中には解雇を容易にして、労働力の自由化をはかるべきだと主張する人がいます。若い方でも、中高年の労働者が解雇されないから自分達が就職できないのだと主張する人がいます。
 
 さて解雇条件が緩和されれば労働力の流動化が進むのでしょうか。おじさんは、失業する中高年が増加するだけで若年労働者の雇用が増加するとは思いません。現代のようにIT化や自動化が進んで時代において、企業が節約できる一番大きな要素は賃金だと思います。
 
 企業にとって最低限度の人員で最大の利益を上げることが一番効率的ということになるでしょう。企業にはバブルの時に大量に採用した社員がいます。この部分を解雇できれば、人件費を大幅削減できると思います。
 
 新自由主義の人は、この人達を解雇し、その代わり解雇された人が別の産業に移動することで他の産業が活性化すると主張しています。しかし、今大勢の人を採用しようという企業はほとんどないでしょう。採用したいと思っている企業でも、特殊な能力がある人か若者がほしいに決まっています。
 
 それに、今人手が不足している企業はそれなりの理由があるはずです。つまり余り人が来たくない低い待遇、簡単に言えば給与が安いからでしょう。解雇した人は今それなりの給与を貰っていて、解雇され仮に別の企業に移っても待遇は大幅ダウンということになります。
 
 おじさんも、以前様々な中途退職の人から就職を頼まれたことがあります。しかし、大企業であればあるほど、他の企業で役にたつ技術がないのです。大卒の場合、総合職ですから何か特別の分野に長期にわたって着くわけではないのです。
 
 理系であっても工場の生産管理のような分野だと、特殊な技術者を求める中小企業で働くこともできません。おじさんたちのような教師の場合、どこの学校でも同じ内容を教えます。逆にそれだからこそ、つぶしが効くのです。公立高校から私立高校でもOKです。塾でも教える内容は同じです。
 
 結局雇用条件を緩和して解雇を容易にして労働力の移動を容易にすれば、企業は大喜びでしょうが、労働者は困難に直面します。中高年で解雇されれば、新しい仕事は容易に見つからず、ローンを抱えていれば返済に苦労するでしょう。また新しい仕事が見つかってもよほど特殊な才能がなければ待遇はダウンすることになります。
 
 これにアベノミックスでインフレになり、消費税増税となれば中高年受難の時代が到来することになります。中産階級の崩壊と格差社会これが雇用条件の緩和の向こうに見えています。
 
 若い方も仮に正社員になったとしてもいつ解雇されるか分からず、社会が極めて不安定になると思います。集団主義のよさを発揮している日本の社会は大きく変容すると思います。中国もアメリカも極めて流動性の高い社会です。日本もそんな社会になるのかもしれませんね。
 
 明日は孫たちが来るので忙しいです。