新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

北朝鮮の未来ーベストの道は可能か

 今日も晴れです。毎日庭の草花に水やりをしています。明日は降水確率90%なので久しぶりの雨になりそうです。株価の方もさすがに買い疲れなのか、利益確定売りなのか分かりませんが、とりあえず一服というところです。
 
 TPP参加表明も今週中になされそうです。農業団体や医療団体は危機感を抱いていますが、そもそも民主党政権の時代から参加の方向だったのでどうしようもないでしょう。それに高支持率ですから、マスコミが報道する通り反対派は条件闘争しかないと思います。
 
 今日は久しぶりに国際問題について書きます。先日の核実験について国連の安保理では制裁決議がなされました。その際とうとう中国が拒否権を行使しませんでした。中国もさすがに北朝鮮の態度には怒っているようです。それを示すためにあえて拒否権を使わなかったのだと思います。
 
 それでは中国は北朝鮮を見放したのかと言うとそうでもなさそうです。新聞報道によれば脱北者北朝鮮に引き渡したようです。これは、北朝鮮崩壊の引き金になる、脱北黙認までは行かないというサインでしょう。いつも書いているように、中国が脱北者を黙認すれば、即座に北朝鮮は崩壊します。
 
 ちょうど東ドイツの崩壊が、東ドイツ近隣の国が国境を開いたことから起こったようなものです。それでは北朝鮮はどこに向かうのでしょう。以前から所詮中国は自国の利益のために北朝鮮を支援していることは北朝鮮自身も分かっていたと思います。
 
 しかし、中国の言い分を聞けば間違いなく中国にのみ込まれてしまいます。軍隊でも中国派の将軍たちを粛清していると思います。そのために中国の影響が軍隊内部に広がらないように内部の監視を厳しくしているはずです。北朝鮮最大の問題は軍隊の縮小だと思います。
 
 そのためにはよほどのカリスマでなければ無理です。どこの国でも軍縮は政治家の命取りになることが多いです。戦前の日本でも軍縮を進めたために政治家が殺されたりしました。中国でも鄧小平ほどのカリスマだからこそ軍縮ができたのです。
 
 中国では今軍事費が増大していますが、これは装備の近代化のためです。中国は兵力を削減してその分の人件費を装備に向けました。北朝鮮は兵力が多すぎます。北朝鮮はの将軍にとって兵力が削減されて軍の力が弱まることは許せないでしょう。金書記のカリスマ性をもってしても難しいと思います。
 
 ところで、北朝鮮は強気の政策をするしか進む道はありません。ただ中国一辺倒からアメリカとの交渉を裏で進めると思います。アメリカのとっても北朝鮮が中国から離れようとするのは悪くはありません。この地域のバランスが崩れることを最も恐れていると思います。
 
 アメリカも中国も韓国も北朝鮮の崩壊は願っていない点だけは共通しています。日本のネットの読者や保守派の論者のほとんどは北朝鮮がまもなく崩壊すると書きますが、そんなことは絶対にならないし、中国もアメリカも韓国も絶対崩壊を止めるために努力するはずです。
 
 崩壊国家がどんな運命をたどるかは、イラクアフガニスタンソマリアなどで検証済みです。北朝鮮が崩壊すれば、膨大な難民だけでなく核兵器関連の資材や人材も流失するのです。これも中米韓三国にとって悪夢です。
 
 一番ベストな道は金ジョンウン書記が北朝鮮の鄧小平かゴルバチョフになることです。そのためには、自己の権力を確立する必要があります。そして軍を抑え込み軍縮に進んで軍事費を削減し、民生に費用をまわすことです。それには経済特区をまず作って中国資本を呼び込み、次第に拡大するという道です。
 
 ある程度経済が軌道に乗ったところで、核兵器を破棄することを条件に西側の援助と資本導入を行い、さらに経済を拡大させる道です。北朝鮮がある程度豊かになったら最終的には韓国との連邦ということです。
 
 中国がいやがる韓国との完全統一は避けなければなりません。現在の中国と香港の関係のようなものが一番でしょう。韓国としても北朝鮮の経済が今のままではとてもコストがかかり過ぎて統一は無理です。
 
 中国はアメリカ軍の撤退を条件に連邦を認める可能性はあります。そうなれば韓国としては後ろ盾がなくなるので難しいところです。あるいは北朝鮮国内に中国軍が進駐するのを認める代わりに韓国にアメリカ軍が駐留するのを認めるという方向もあるでしょう。
 
 北朝鮮にとってベストな道はとにかく軍に誰が鈴をつけるかです。キムジョウン書記もまだ軍の力の上に権力を維持しています。今は自分の影響力のある将軍を増やしているところでしょう。しかし、自分の影響力を与えられると思っても相手はどう思っているか分かりません。
 
 この国は疑心暗鬼の塊ですから、なかなか難しいですね。やはり中国の動向に目が離せません。新しい習体制がどう北朝鮮を制御していくかがポイントとなるでしょう。
 
 いつも書くようにこんなことは各国の外交専門家の間では常識でしょう。ただそれを何かに書けば大変なことになるので書かないだけだと思います。おじさんのような素人評論家だからこんな大胆なことが書けるのです。
 
 明日もいろいろ忙しいです。