新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

TPP参加の行方

今日も温かい1日でした。おかげで桜も少しずつ咲き始めました。昨日は大事な用事があってブログを書くことができませんでした。

 今日は東京から息子が帰ってきたので、娘や孫たちが来ています。明日には娘たちや孫たちは帰ります。株価はまだまだ上昇中です。今日の新聞をみても倉庫や不動産株が上昇していました。

 ところで昨日安倍首相がTPP参加を表明しました。現在のところ農協などは反対していますが、マスコミなどの反対はありません。何と言っても安倍政権の経済政策が当たって経済状況の上向きなことが理由のようです。

 経済が良くなれば当然支持率が上昇しますし、そうなれば安倍政権もどんどん政策を勧めていくことができます。また、反対が予想される保守的な政策を打ち出さないのも支持率を高めている理由でしょう。

 さてTPPについてですが、おじさんは基本的には賛成です。基本的と言ったのはTPPの影響が十分分からないからです。TPPの内容は実際のところ協議中で決定していないからです。

 関税の完全自由化が狙いなのですが、現実には聖域があります。さりとてどこまで聖域として認められるかは不明なところがあります。それにすでに決定済みの内容については、日本が口を挟むのを許さない部分があります。

 農業分野については、5品目以外については聖域扱いされないようです。農業については、関税が撤廃されれば影響が大きいでしょう。ただ輸入農産物がどの程度売れるかは疑問です。随分昔ですが、グレープフルーツの輸入が認められた時大反対が起こりました。

 オレンジの自由化の時も同様です。しかし、オレンジやグレープフルーツは思ったほど売れませんでした。また冷害でコメが不足して輸入したこともありましたが、輸入米はそれほど売れませんでした。もちろんカリフォルニア米のような場合は売れるかもしれません。

 外食産業には恩恵があるかもしれません。逆に輸出についても影響がでるでしょう。現在自動車などの関税がかかっていますが、それがなくなるので日本車には有利かもしれません。

 問題は日本にどれだけの交渉力があるかです。過去の例を考えても日本が強い交渉力を持っているとは思えません。まず日本が後発であることも大きいです。どの世界でも先発の方が後発より有利なのは言うまでもありません。その上アメリカとの同盟を強化しなければ膨張する中国に対抗できないのです。

 内容に不満があるならいつでも脱退すると言っていますが、それは無理だと思います。TPPに日本とアメリカが加わるというのは、アジア全体に大変な影響力を持ちます。中国や韓国も何とか加盟させてほしいと思うでしょう。

 もし中国、韓国が取り残されたとなると劣勢は否めないからです。TPPでアメリカと日本が同盟することは中国に対して大きなカードを手に入れることになります。アメリカにとってはそのような日本の立場を熟知しています。ですから、加盟交渉は最初から日本に不利になっています。

 日本の社会はスタートまでは議論しますが、一度決定すると後は関心が急速に失われます。まして長期にわたる交渉になれば、時間の経過とともにさらに関心が薄れます。そう考えると、かって民主党政権の時にTPP加盟は第三の開国と言われました。開国と言われてのは、社会を変えるほどの影響を与えると言う意味です。

 TPP交渉が妥結した時、思いがけない内容が発表されるのではないかと思っています。明日は教会で、中高生向けの説教をする予定です。