金融緩和と株式市況
今日まで晴天ということで蒲団を干したり、庭の草を抜いたり家事にいそしみました。5月に教会議事録の点検があるので、その整理もしました。長老会(役員会)議事録と教会総会議事録の整理です。
おじさんが株式投資をやっていると人に話すと、さぞ儲かっているのでしょうと言われます。ところがそうではないのです。相場上昇の場合、全ての株式が上昇する場合と特定の分野の株だけ上昇する場合とがあります。今回の相場は後者で特定の分野の株式だけが上昇しているのです。
つまりアベノミックスとそれに付随する日銀の緩和政策は特定の分野の株を持っている人だけに貢献しているのです。逆に言えば、今回の緩和政策が投資家の間でどのように受け止められているかが良く分かります。
相場が上がっておじさんも少しは恩恵を被っているのでアベノミックスについて余り批判したくないのですが、この政策は多くの問題を抱えています。それについてはまた後日書きます。
ではどの分野の株が大幅上昇したのでしょうか。まず金融関連株です。金融緩和で一番利益を被ると考えられているのが銀行です。そもそも金融緩和政策は銀行が企業にお金を貸しやすくするのを狙っているのですから当然です。
また市場に出回るお金がどこに廻るのかも今回の相場のポイントです。もし企業特に製造業に廻るのなら製造業の株式が上昇するはずです。安い資金で設備投資を行い、どんどん生産を増やし、それによって利益がでるなら製造業にとってありがたいことです。
ところがそうなっていないのです。電機・鉄鋼・機械などの株価は低迷しています。この上げ相場なのに逆に鉄鋼や電機株は下がっています。安倍さんの政策の中には公共事業にどんどん投資するのいうのがありました。ところが建設株もさっぱりです。
公共事業が増えても資材が高くなったり、職人さんの賃金が上昇したり、職人さん自身が人出不足だったりという理由があるのです。銀行を通じて市中にばらまかれるお金は製造業の設備投資による生産拡大ではなく、不動産や株式市場に流れ込むと株式市場は見ています。
それで、上昇したのは、銀行、不動産、証券関連株ばかりです。つまり市場は、アベノミックスとその付属である金融緩和は不動産や株式にお金をまわし、かってのバブルの再来、ミニバブルが起こると予想しているのです。
株式や不動産が上昇しても、庶民には全く無関係です。1000株単位で持っていても利益は限られます。まして新規投資を始めようにも値段が上がりすぎています。今高額商品が売れているのは当然です。さすがに土地長者はでませんが、株式投資で100万円単位の利益をだしている人が結構金持ちにはいるはずです。
証券株など2倍以上の上昇です。270円くらいだったものが、600円くらいになっています。1万株単位でもっていたら、単純計算で330万円の利益です。しかし、庶民は270万円ものお金を株式に投資することはできません。もし、お金持だったら、1万と言わず3万株くらい持っていたかもしれません。
そのうちの2万株を売っただけで600万円以上の利益がでるのです。株式益は所詮あぶく銭なので、100万円単位の買い物をしても惜しくないでしょう。
庶民には物価上昇、製造業は円安で原材料費の高騰と踏んだり蹴ったりなのですが、お金持は株式の値上がりで利益を得、円安で為替差益を得ているのです。
それでも庶民はお金持と一緒になって、明るい気持ちになっているのでしょう。円安で輸入品の値段が上がり、インフレでそれに追い打ちをかけられ、その割には賃金が上がらないと知って始めてアベノミックスの恐ろしさをしるでしょう。
明日は大雨のようなので家でじっとしているつもりです。