新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

オセロゲームとしての外交

今日は晴天でしたが、風が強く冷え込みました。建物の中はそうでもないのですが、外は寒かったです。

 今日は明日からの授業に備えて久しぶりに学校へ行ってみました。本当は昨日から授業が始まっているのですが、今日は実力考査があって授業はありません。明日使用するプリントを印刷してもらいに行ったのです。ちなみにプリントは「自己紹介文を書く」です。

 これは中国の大学生さんの自己紹介文を参考に書いてもらうことにしました。中国の学生さんが日本の大学で研究するため、指導してくれそうな先生に送った自己紹介文なのです。

 中国の学生さんは積極的なので、面識のない先生に直接先生の指導学生になりたいとメールを送って、指導教官を探すのです。

 ところで株価の方は昨日あたりから一段落です。これまで上がった株が利益確定売りになり、これまで買われなかった株が買われています。今日目立ったのはこれまで買われなかった建設や電力に買いが入ったことです。電力に買いが入ったのには驚きました。

 これまでの経験から言っても電力に買いが入ると大体相場が終わるからです。というのは電力は地味で、急に儲かるような産業ではないのです。ですから、昔から相場の一番最後に買うものがなくなって(他の株が上昇したので)買われるのです。

 今日はおじさんの持ち株の証券会社の株が急上昇していました。同じ証券会社の株価との差が大きいのでその差を埋める動きだと思います。

 さて今日は外交上注目すべき二つの動きがありました。それについて書きます。一つは日本と台湾の間で漁業交渉がまとまったという記事です。この漁業交渉は尖閣列島をめぐるものです。以前台湾の巡視船が日本の巡視船に放水したことがありました。

 これは台湾が尖閣列島周辺の漁業をめぐって日本と対立していたからです。中国としては、台湾と日本との対立を利用して台湾を日本から離そうとしたようです。共同戦線を組んで日本に向かおうとしたのです。しかし、日本側が妥協して合意が成立したようです。

 どの程度日本が妥協したのか分かりませんが、取りあえずオセロで言えば駒をひっくり返したというところでしょう。今中国と日本が尖閣列島をめぐって争っているのですから、台湾を味方にしたのは大きな成果です。

 ところがが敵もさるもの(この場合は言葉のあやで敵と使います。)さっそく中国包囲網の要であるオーストラリアとの友好関係の強化に成功しています。(朝日新聞の報道)アジアにおいて有力な海軍力を持つのは、日本や中国を除けば、インドとオーストラリアです。

 インド海軍については装備・訓練・士気や中国との距離から考えて日本の有力な味方にはなりにくです。それに比べてオーストラリア海軍は装備や訓練、士気などから考えてアジアでは日本・中国に次ぐ3番目の海軍国だと思います。

 オーストラリアの場合、資源の輸出相手国としての中国を軽視できません。日本も大事ですが、長期的に考えれば13億の人口と広大な領土の中国を重視するでしょう。新聞報道によれば、中国・アメリカ・オーストラリアの三国による海軍演習を計画しているとありました。

 以前書いたようにアメリカは中国(その他の国も含む)との海軍演習をするようです。

 日本の世論は反中国一本やりで、世界中が反中国だと思っているいるようです。しかし、物事は勧善懲悪(この場合善は日本、悪は中国)的な考えでは成り立っていないのです。どうすれば自国に一番有利かを考えるのです。

 今回の台湾での勝利のために日本側は妥協をしたはずです。ですから台湾も日本の味方をするのと中国の味方をするのとどちらが有利か考えたのだと思います。今台湾経済は中国経済に過度に依存しています。つまり中国の言いなりにされる可能性があるのです。

 ここで中国に一発かましておくと、中国側も台湾に一目置かねばなりません。台湾は一つの交渉カードを手にいれたことになります。オーストラリアの場合は、日本と連携して対中国包囲網を敷いたりしたら、資源輸入国である中国の起源を損ないます。

 それで今度は中国に微笑みかけるということになるのです。日本人は敵か味方かの二分法をとります。現実の外交はある時は敵で、またある時は味方にひっくり返ったりするのです。まさにオセロゲームのように油断するとあっと言う間に駒をひっくり返されるのです。

 外交は本当に難しいと思います。外務省を非難するのは簡単ですが、誰がやっても難しいものだと思います。明日は学校です。