新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

貧困の拡大再生産ー暗い未来

今日はとても温かい一日でした。せっかくブログを書いたのに、なぜか固まってしまい動かなくなりました。時々こんなことがあります。(もう一度書きなおしています。)

 さて今日は株価が上昇しました。連休前のおじさんの予想ははずれたのですが、おじさんの保有する株式の評価額が上がったので別に文句はありません。まだまだ上がってくれれば評価損が減るのでありがたいです。特に評価損の多い電力株の上昇を願っています。

 うまく売り逃げることができればしばらく株式投資はお休みする予定です。さて、今日のニュースで貧困な子供の数が六人に一人になったと言っていました。これは当然です。社会が非正規社員と正規社員で格差をつけ、大学生は就職難で中高年の社員はリストラにあっているのですから。

 日本の社会は一度ルートからはずれると基本的にやり直しがききません。社会が高度化すると高学歴が求められます。昔なら学歴がなくても手に職を持つという生き方や専業主婦とか家事手伝いなどという生き方もありました。専業主婦や家事手伝いとしての生き方も御主人や両親が経済的に恵まれている時だけです。

 ご主人が病気になったり、リストラされたり、ご主人と離婚したらたちまち貧困層へ転落します。家事手伝いの人も両親が死んだら年金もほとんどないし、介護の負担がのしかかってきます。

 今のようなコストカットの時代、職人さんたちも大変です。手間賃がカットされます。そもそも仕事も減っています。弁護士のような専門職でも仕事がないのです。歯科医も競争が激しくて大変です。大企業サラリーマンが収入としては安定しているでしょう。

 しかし、収入のよい安定した(中小企業に比べて)業績の良い大企業に就職するのは至難のわざです。鉄鋼メーカーのような数万人の従業員のいる会社でも文系総合職は40人くらいの採用です。会社四季報などを見ると大企業には旧帝大早慶、一橋、東工大などの名前がずらりと並んでいます。

 このような学校に入るのも至難のわざです。まずそのためににはそのような大学に多くの合格者を出す高校に入らなければなりません。今は高校も寡占状態なのです。ある県で前述したような大学に合格者を出す高校は限られています。(都市の有名進学校か地域一番校のみ)

 そのような高校に入らなければ前述の大学に合格するのは難しいです。理由は前述した大学に入るためには難しい教科書を使い(教科書にもやさしいから難関まであります。)それにふさわしい進度(1年の3学期に2年の教科書を前倒しでやります。)とそれを教える先生(能力の劣る先生は進学校から出されます。)また一緒にがんばる友達(ライバル)が必要なのです。

 そのような高校では進路指導費(テキスト代・補習費・模試受験料など)がかかるし、浪人すれば予備校代(現役で行く人も多いです。)もかかります。それに、そもそもそんな高校に入学するためには塾に行かなければ無理です。中学の授業では受験対策をほとんどしないのです。

 中学の授業は義務教育ですから、高校のように勝手に進めたりできないのです。以前は中学でも受験指導をしたのですが、今は法令順守でできません。こうしてお金がなければ進学校に進めないし、進学校に進めなければ大企業に入社したり、専門職(医者など)になるのは無理です。

 混乱した戦後間もなくは皆貧しかったので貧困層から抜け出すことも可能でした。そもそも国立大学の授業料がべらぼうに安かったのです。ですからちょっとがんばってアルバイトをすれば奨学金を貰って進学することができました。(国の奨学金は教師になれば返還義務が免除されました。)

 皆古き良き時代の話です。貧困の拡大再生産を止めるには憲法改正もアベノミックスも役に立ちません。自助努力も無理です。貧困な子供の親は貧困だし、祖父母も貧困です。もし祖父母が豊なら貧困な孫を援助するでしょう。

 現在でも非正規社員契約社員・無年金や少額の年金しかもらえない高齢者がすでに大勢います。貧困層予備軍が大勢います。それに六人に一人の貧困な子供たちが将来加わります。組織は外からでなく内部から崩壊すると言います。

 他国への備えも大事ですが、自国の内部崩壊にも備えたいものです。明日は授業です。