新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

アベノミックスの行方ー予兆を見る

昨日は午後からの授業の上に大事な所用があって、帰りついたのは6時過ぎです。ツマクマが他所へ行っているので、夕食の支度を自分でしたり、風呂に入ったりしているうちに時間がなくてブログを書けませんでした。

 今日は雨でした。午後からは上がりましたが、今も小雨が降っているようです。今日も授業でした。6月に入ってすぐ中間考査なので、そろそろ準備をしなければなりません。

 今日は市況で大きな変化がありました。まずそのことから書きます。株式市況が大幅上昇でした。これについては後でまた触れます。また外国為替相場も対ドルで100円を超えました。この二つの現象は市況がリーマンショックの前に戻ったことを示しています。

 原因はもちろんアベノミックスにあることは事実です。それと同時に先進国がこれまでにないほどの金融緩和をしていることにあります。新興国では金融緩和を行えば市中にあふれ出した資金は設備投資にまわります。ところが先進国では内需は満たされているし、商品は海外から輸入した方が安いので、国内での設備投資は余りありません。

 そこで余剰資金は不動産や株式にまわるのです。ところで前述した株式市況ですが、とうとう某証券会社の株式を売却しました。特段お金がいるわけではないのですが、目標の株価に達したので売却したのです。とにかく証券会社の株価の上昇はおそろしいものがあります。

 1日で50円とか上昇するのです。50円×1000株ですから5万円になります。2000株なら10万円です。コンビニでアルバイトしている店員さんの1月分の給料がたった1日で稼げるのです。やはりこれはバブルです。売却益については書きませんが、おじさんが1年非常勤講師をして得た報酬より多いです。

 外貨特にドルを持っていた人も1ドル78円くらいでしたから、100円とすると1ドルにつき22円の利益です。これも1万ドルもっていたらそれだけで22万円の利益です。投資をしていると単位が最低でも利益が10万円単位になってしまいます。

 労働もしないで得た利益俗に言うあぶく銭ですから高価な買い物をする気になるでしょう。これを積み立てて生活のたしにするような人は投資などする余裕はないはずです。

 ところでアベノミックスは順風満帆のようですが、そうではありません。真理は細部に宿ると言います。大きな変化の前には予兆があるのです。もちろん細部に起こった予兆をどう見るかは個人の判断です。しかし、地滑りでも雪崩でも時として予兆があるものです。

 今日の新聞に「企業向けの金利2ケ月連続上昇」(朝日新聞)とありました。住宅金利が上昇したのは先にブログでも書いた通りです。アベノミックスはお金をどんどん市中に放出して金利を低下させ、銀行がお金を企業に貸しやすくするはずだったのです。

 ところが、市中にあふれたお金は株式市況や不動産売買に向かい企業への貸し出しに向かいませんでした。日銀がどんどん国債を購入するので、それまで国債を購入していた生保などの機関投資家は外国債を買いました。本来なら外国債を買えば円安になるのですが、レートが一定になるやり方をしますから円安とは無関係です。(説明が難しくなるのでやりかたは省きます。)

 つまり国債をどんどん買えば金利は下がるのですが、(なぜ国債がどんどん売れれば金利が下がるのかも説明が難しくなるので省略します。)日銀が買った後の残り少ない国債を銀行や生保が買わないので金利は上昇しているのです。

 まさに上に政策あれば下に対策ありです。安倍さんも黒田さん(日銀総裁)も政府日銀が腹をくくって政策を実行すれば民間はついてくると思ったようですがそうはなりませんでした。安倍さんの政策は外交政策歴史認識におけるアメリカの苦言)でも国会対策(委員長解任決議)でも前述した金利上昇でも齟齬をきたしているようです。

 ところで株式の話に戻りますが、今回利益を上げましたが実は持ち株全体としては膨大な損を抱えたままなのです。そして損失を出している会社は雇用力のある産業分野なのです。具体的には建設・鉄鋼・電機・電力です。アベノミックスはで会社員の給料が上がると主張しています。

 しかし、日本の基幹産業である、建設・鉄鋼・電機・電力はアベノミックスの恩恵を株価の面ではほとんど受けていないのです。おじさんの持ち株の建設は何と400円以上日経平均が上昇したのに下落しています。鉄鋼でも値上がりはわずか7円(1000株だと7000円)です。

 株価がその企業の価値を示すとすると片や1日で数万円も上昇する証券株がある一方逆に下落する建設株もあるのです。安倍さんは公共事業を拡大する。円安で輸出産業は息を吹き返すを言いました。しかし、トヨタを別にすれば、輸出産業の中心であるはずの電機産業はさっぱりです。シャープは5000人の追加削減と今日の新聞にでています。

 株価上昇円安で国民がハイになっている一方で別の現象も起こっています。バブルは日本全体を高揚させました。しかし、アベノミックスはどうも違うようです。もてはやす人もいますが、おじさんは警戒しています。ですからもっと利益をではなくまずは利益を確定するつもりで株式を売却しました。

 月曜日には別の機械株も指し値(売る値段を指定すること)で注文を出す予定です。明日も忙しいです。