新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

保守化する中国ーなぜ日本人は誤解するのか

今日も本当に暑い一日でした。今日は授業でしたが、ちょっと体力があるのでこれを書いています。株価の方は日経平均は大幅高だったのですが、おじさんの持ち株には余り関係ありません。これは以前書いたように、全ての株が大幅上昇するのでなく、日替わりで上昇する株が出てくるからです。

 業績が上がってもそれで株価が上昇するのは数日です。おじさんの持ち株も新聞で大幅な業績回復と書かれてあったので、株価の上昇を期待したら、1日だけの上昇でした。おまけに大量保有している電力株は原発再開の流れに水差す動きがあってまたまた停滞です。

 まあいつか上がるだろうくらいの気長な気持ちでいます。ところで、橋下さんの発言についてですが、新聞社によって相当違いがでました。おじさんの勤務先で見たのですが、とてもおもしろかったです。朝日新聞が打ち上げた話しなのですが、朝日は後追いはしませんでした。

 逆に毎日が相当紙面を割いて報道していました。日経は皮肉たっぷりに1面のコラムで取り上げていました。もちろん保守派の読売新聞も小さく報道していました。今回ほど新聞社で取り扱いが異なるのも珍しいです。今回の問題は、サイトなどでは弁護するものもありますが、時期と言い内容といいちょっと維新の会にはダメージです。

 石原さんに負けないように打ち上げたのでしょうが、石原さんとキャラが違うのでかえってまずかったようです。それにツイーターなどで反論しているようですが、批判している人の中心は女性や外国なのですから余り効果はないでしょう。石原さんのように理屈抜きに不貞腐れれば良いのですが、橋下さんは理論家だけにそれができなかったようです。

 少なくとも維新の会にとってプラス(支持率を上げる)にはならないでしょう。今日はちょっと古くなりましたが、中国が保守化していることについて書きます。ここで言う保守とは現在の共産党政権を支持するかどうかです。支持する人の割合は38%、支持する部分と支持しない部分がある中間派は51%、支持しない左派は11%だそうです。

 日本では中国共産党は崩壊寸前だと報道されるのとは大きく違っています。日本で見る中国像と現実に暮らしてみて感じる中国像は大きく異なっています。それは日本で見る中国像は全てマスコミ報道から判断しているからです。(テレビ・新聞・雑誌・ネットなど)

 そもそも周りに中国人はおろか、中国で暮らした人も旅行した人もそんなに多くないと思います。アメリカやヨーロッパなどはマスコミが報道する姿と現実はそれほど違いはありません。それにアメリカやヨーロッパに行った人は大勢います。

 マスコミ報道は日本人の持つ対中国のイメージに合わせて報道する題材を探しているのです。日本人に親切で仲良くしてくれる中国人や、汚職などと全く無縁に働く公務員などをいくら報道しても、日本の読者からは、それは一部で大部分はそうでないと思われるでしょう。ただ途上国はどこでもそうでしょう。(インドもひどいそうです。)

 へたをするとそんな報道をするのは中国からお金を貰っ。ているからだとか媚中派などと言われるでしょう。また貧しい中国の姿や経済格差は絵になりやすいし、日本人にも受け入れやすいです。しかし、広大な工業団地が次々にできたり、地方都市の繁華街で大勢の庶民が楽しそうに買い物する姿も受け入れにくいです。

 30階建ての高層マンションが地方都市に林立(文字通り)している姿も絵になりにくいです。日本の地方都市で30階建てのマンションが1000以上建っているところはないでしょう。おじさんが住んでいた地方都市には30階建てのマンションが3000くらいあると言われました。

 白髪三千丈のような大げさなほら話ではありません。おじさんが自分の眼で確かめたことです。なぜならおじさんの官舎の窓からでも50近いマンションが見えました。人々は道端で楽しそうに昼間から麻雀をしたり中国将棋をしたりトランプをしたりしています。

 観光地では大勢の人が来ています。ニコンのカメラをぶら下げています。農村でも人々は忙しく働いています。就職における保守化という記事も最近見ました。その通りです。学生さんは国営企業や公務員になるのを望んでいます。今では上海の師範大学の卒業生が四川省チベットの農村の小学校の先生になるのです。

 それほど公務員人気は高いのです。大学生が反政府どころか、大学生は何とかして政府機関それがだめなら地方政府、に入りたいと思っています。そのための講座も多くあります。高額の授業料をとって、もし不合格だったら返金しますという講座もみました。

 大学構内には公務員受験講座の宣伝ビラが至る所に貼られています。教員免許所得試験対策講座のビラも見ました。地方政府の教員採用試験受付風景も見ました。中国にも教育委員会があって、そこで市の教員採用試験の受付をやっていました。大勢の学生さんが列に並んでいました。(おじさんの住む町には師範大学・・教育大学があったのです。)

 政府が崩壊寸前だったら政府に就職しようと思うでしょうか。そもそも天安門事件の時は大学生が反政府運動の中心になりました。今大学生は何とかして安定した政府機関に就職しようとしています。そう言えば村官試験というのも見ました。

 学生さんに聞くと村の役人だそうです。村では大卒などいないので、都市部の大学生を採用するのです。農村戸籍都市戸籍などが問題になりますが、公務員になれるなら村役人でも良いと言うのです。もちろんそこで頑張れば上級機関(県とか市など)に行けるそうです。

 共産党に入党している方が公務員試験に有利なので共産党に入る人もいるそうです。今の体制が崩壊したら全て無駄に終わるのですから、大学生が反政府運動をするはずもありません。国営企業も同様です。マスコミは人権派などと言って反政府運動の活動家を取り上げますが、少数だから意味があるのです。

 よくいわれる通り、犬が人を噛んでもニュースにならないが、人間が犬を噛めばニュースになるのです。明日も授業です。