市況から考えること

今日は一日中曇りでした。学校からさっき帰ってきたところです。先週から相場が大きく動いているので、今日の結果も心配でした。

　今日も相場は乱高下しています。相場に落ち着きがありません。株式相場だけでなく、外国為替相場も国債相場も同様です。アメリカの場合は、株式相場は上昇の一途です。金利も上昇しています。アメリカの場合、明らかに景気回復を基調にしています。日本の場合は景気回復というより、一種の資産バブルだと思います。

　そもそも突然日本の株式が上がり始めたのも日本の投資家が買ったからではないと思います。明らかに海外のファンドが相対的に見て日本の株価が安いので買い始めたのでしょう。

　アメリカの投資家は自国経済が回復傾向にあることを知っていたのだと思います。それに加えてアベノミックスで大胆な金融緩和をするということで円安を予想したと思います。為替相場はやはり一国の経済より金利差が原因となっているようです。

　もちろん国の政策的な面もあります。日本は異次元の金融政策で金利が下がり、逆にアメリカは景気回復で出口戦略に向かうとなればドル高円安は当然予想できたはずです。円安になればドル換算では日本の株価は安くなりますから、ファンドの買いが入ったと思います。

　それを見て日本の投資家も相乗りしたので一気に上昇したのだと思います。しかし、物事には限度があります。実績のない期待だけの上昇はどこかで行き詰まります。そのことはファンドも当然知っていたと思います。そこで日経平均15000円を区切りとしてとりあえず売りにでたと思われます。

　先述したようにこれまでも今も日本の株式市場を動かしているのは海外の投資家です。デフレと長期間にわたる株式市況の低迷で日本の投資家はおじさんも含めてほどんど含み損を抱えていたと思います。それが一気に上昇したのですから皆飛び乗ったと思います。

　そして急落です。相場はとりあえず5月中はこんな調子で終わると思います。6月相場はどうでしょうか。6月には株主総会もあります。アメリカ経済はさらに回復傾向を進めるはずです。円安は続くと思いますが、安倍さんが期待する通りの110円程度に収まるかどうかです。

　それと金利上昇がどうなるかです。アメリカでは金利が上昇しましたが、日本の場合はまだまだです。もし金利がどんどん上昇するようなら、国債金利が増えて大変です。それに金利上昇といいうのは国債価格の下落ですから、たくさんの国債を抱える地方銀行は含み損を抱えることになります。

　地銀発の経済危機ということにもなりかねません。今日の商いを見ると上昇しているのは電力株です。東北電力などは20％近い上昇率です。なぜ今電力株が上昇するのでしょう。答えは簡単です値段が安いし倒産の危険がないからです。

　業績が上がるから株価が上がるのが業績相場です。これは全く問題ありません。しかし、業績を無視して値段が安いし株数が多いから売買するのは仕手相場です。一種のギャンブルです。今市況はギャンブル状態です。ギャンブルはいつか破たんします。

　ブログのコメントを読むと、アベノミックスはとにかく株価を上げたからよかったという意見があります。結果オーライではありません。悪銭身に付かずのたとえ通り、ギャンブルでお金をもうけた癖がつくとまじめに働くのがばからしくなります。それにこのまま相場が下落して終わると投資を新しく始めた人はまた損を抱えたまま長期保有ということになります。

　今でも時々バブル時代の株式の象徴であるＮＴＴ株を持った人の話を聞きます。バブル崩壊から20年以上たった今でもその遺産はあるのです。おじさんもバブル時代の遺産を持っています。二度と上がることのない値段です。臥薪嘗胆の故事ではありませんが、苦い思い出の株を見ながら自分を戒めています。

　アベノミックスがどんな結果に終わるかおじさんだけでなく世界中が注目しています。それは異次元の政策だからです。しかし、何でもそうですが、異次元つまり異常なやり方で長期に成功を得ることは難しいでしょう。無理が通れば道理がひっこむのたとえ通りです。

　今からもう一つの試験問題を完成させて明日提出します。これが済めばちょっと一段落です。株の話ばかりで申し訳ありません。