新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

アベノミックスとシニア世代ーホモエコノミックスの視点から

今日も晴天です。梅雨入りしたというのに、さっぱり雨が降りません。今日は午前中庭の玉ねぎの収穫とその後にトウモロコシを植えました。といっても肥料と石灰をまいてタネをまいただけです。

 玉ねぎは縛って干しています。こうすれば結構長期間持つのです。別荘の畑のも玉ねぎをたくさん植えています。こちらは中々行けないので収穫はたぶん6月中旬になると思います。

 ところで今日は270円くらい株式相場が上がっていましたね。上昇の中心はずっと売られてきた金融関連(銀行・証券)と不動産といったところです。相場を少し詳しく見ると相変わらず変な相場です。なぜなら昨日あれだけ下がったとき上昇した株があったのです。

 みなさん何だと思います。おじさんも数日前からその分野の株が上がっているので変だと思いました。それは水産株です。その代表株が極洋です。昔クジラをとっていた会社だと思います。今日の前場の始めくらいまで上がっていたのですが、突然下がりだしました。

 逆にずっと下がっていて前場の初めころも下がっていた証券会社の雄野村ホールデイングスが突然上がり始めました。昔の名前で出ています、あるいは夢よもう一度というところでしょう。おじさんはすでに保有していた証券会社の株を売却したので、証券会社全体の状況がどうなろうと関係ないのですが。

 ところでおじさんは定年退職者かつ年金受給者です。そのような人がかなり日本にいると思うのですが皆さんアベノミックスをどう考えているのでしょうか。タイトルのホモエコノミックスというのは経済人とも訳されます。

 ウッキーペデイアによれば、経済活動において自己の利益のみに従って行動する完全に合理的存在と定義されていました。経済学で用いられる人間の概念は確かこのようだったと思います。

 この定義に従えばアベノミックスはシニア特に年金生活者には大敵ということになるでしょう。ブログを年金生活者が書くケースは少ないのであまりこの問題について書かれたものありません。年金生活者にとってインフレは大敵なのです。

 アベノミックスがいうように、円安になって輸出産業が盛んになっても年金が上がるわけではありません。もちろん風が吹いたら桶屋ではありませんが、給料が上がれば社会保険料収入が上がり、同時に税収も上がるので良いという考えもあります。

 しかし、今の様子では物価それもシニアには切実な食料品関係が上がりそうです。ガソリン代もそのうち上がるし、電気代やガス代も上がります。携帯やパソコン、電気製品が下がっても関係ありません。株価が上昇してもよほど熱心な人以外株式投資などしていないでしょう。

 不動産価格が上昇しても不動産を購入するシニアはまれで、逆に相続税や固定資産税が上がるだけです。物価が上がっても金利は上げないというのですから、シニアの大部分が預貯金をしているのを考えると踏んだりけったりです。

 世のため若い人のためシニアが犠牲になれという考え方もあります。それでタイトルにホモエコノミックスという表題をつけたのです。自己に損失があっても他のために犠牲になる経済活動をするのはホモエコノミックスではありません。

 もしそうなら、シャッター街などできないでしょう。少々高くて品ぞろえが悪くても、地元の商店街を助けるために、郊外のきれいで商品も揃っているショッピングタウンに行かないなどということはありません。ホモエコノミックスとして若い方も経済活動をするからこそシャッター街ができるのです。

 企業でも同様です。日本国内で生産すれば雇用も増え若者も助かるし、税金も国内に落ちるのですがそんなことはありません。経済合理性に従って行動するだけです。

 となれば、シニアも堂々とアベノミックスに反対だと言ってよいと思います。アベノミックスがシニアにとって何の経済的利益をもたらさないのは目に見えています。しかし、そもそも世の中の大部分のシニアの人はアベノミックスがどんなものか分からないのだと思います。

 国債価格が下落したら金利が上昇するとか、円安だTPPだとか言っても何のことかわからないシニアの方が多いでしょう。まもなく参議院選挙がありますが、今のままでは与党勢力の大勝利に終わるでしょう。もし2%のインフレが来れば、年金生活者の年金の価値が2%下がることになります。

 つまり年金の2%ダウンということです。年金が年200万円のサラリーマンなら4万円のダウンです。その上に消費税がさらに上がりますから、数年のうちに10万円単位のダウンということになります。シニアはどんなに景気がよくなっても雇用が増えたり、年金が増額になったりすることはないでしょう。

 企業にとってデフレは悪でも年金生活者にとってはデフレは善、インフレは悪なのです。政治的・社会的(社会全体の利益)にとってインフレは良いのかもしれませんが、どう考えてもシニアにとってインフレが善であるはずはありません。

 シニアの人が何もアベノミックスについて意見を言わないのでおじさんが独断と偏見の立場から書いてみました。明日は授業です。