新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

到達度テストについてー制度いじりはやめてほしい

今日も真夏日です。いいかげん梅雨らしく雨が降ってほしいものです。以前書いたようにこの調子では地方によっては水不足になりそうです。

 今日は試験でしたが、無事終わりました。教室をまわって質問を受け付けるのですが、生徒さんから手が挙がるとどきりとします。問題ミスではなく、解答の仕方などだったらほっとします。それ以前に印刷ミスがあって、試験ができなかったらと真面目に心配したりします。

 ところで昨日円高に振れたので今日は相当株価が下落すると思ったら意外でした。それでも乱高下が続いています。円安も一服といったところです。今日の夜(日本時間)にアメリカの注目の雇用統計が発表されます。アメリカの相場や為替もそれを注目しています。

 日本は土日なので、月曜日はその発表を受けて相場が動くと思います。おじさんはよほど日経平均が上がるか、下がるかしないかぎり今回の乱高下の相場は見送りです。すでに納得の水準で購入した株式を長期保有する計画です。

 今の状況では相場がどう展開するか全く不明です。株式市況についてよくコメントするので、あなたの考えはどうですかと聞かれても分からないとしか答えられません。理由はアベノミックスが発表され、相場が円安株高に急上昇した時、これは資産バブルだとある時点から分かりました。しかし、アベノミックスをいつまで続けるのか不明です。それに黒田さんも迷いがでているようです。

 その上、安部政権がいつまで続くか不明です。今頃絶好調なのに何を言っているのかと思われる方もありますが、過去の例から言っても好事魔多し、また政治は一寸先は闇なのです。維新の会の橋下さんがいい例です。八尾の件はおじさんが地元住民でも許せない発言です。大阪市長が八尾市のことに何であれこれ言うのかと思うでしょう。(市長に仁義も切らずにです。)

 さてこのところ生臭い政治や経済の話ばかりなので今日は教育ネタです。政治の困ったところは余計なことをすることです。ゆとり教育しかり、心のノートしかり、武道必修(柔道の安全性の問題)しかりです。今度はセンター試験に代わる到達度テストを提案しています。

 もしこれが実現すれば高校現場はパニックです。体育大会も文化祭も修学旅行も皆やめにするか、1年生だけのものになるでしょう。高校スポーツも進学校は皆1年の終わりか2年の夏に引退ということになります。

 まず問題は2年で到達度テストをやるということです。普通高校で進学を中心とする学校は全てが進学にシフトしています。おじさんは新任の3年間以外35年間レベルの違いはありますが、進学を中心とする高校で過ごしました。

 センター試験の前の共通一次試験から進学指導をしてきました。共通一次が始まった時も大変でした。それまでの進学データーが全く使えなくなったからです。それ以後進学に関するデーターは全て予備校頼みになりました。なぜなら全国統一試験となれば、個別の高校では対応できないからです。

 そのおかげで、ベネッセや代ゼミ河合塾などが大儲けしたのです。今回は到達度テストをテストが複数回あるそうなので、ベネッセや大手予備校がお金を儲けるチャンスがさらに増えます。高校は到達度テスト対策をしなければなりません。

 到達度だから、生徒個人がまじめに授業を受ければできるものだというのは政治家のたわごとです。良い政治を行えば自ずから選挙で当選するなどという言葉を信じている政治家は一人もいないでしょう。地をはうような選挙活動をして初めて結果がでるのです。

 受験も同じです。校内の受験のプロである進路指導部が中心になって模試計画や補習計画を立てます。これまでは3年生の1月にあるセンター試験を目標にやってきました。ですから2年半余裕があったのです。それが1年ちょっとしかないとなると大変です。

 一番部活や高校生活が充実する2年生を全て到達度試験に向けねばなりません。それに複数回受験できるとなれば、当然のことですが、全て受験することになります。プランでは何回かの試験のうち一番成績が良いものを使うとなっています。

 全て受験しなければどれが一番良い成績なのか分かりません。事実理科や社会などでは、その年によって理科なら化学がやさしかったり、社会なら日本史がやさしかったりします。その時たまたまそれを選択した生徒は点数が上がります。英語や数学でも同様です。

 ですから今の一発勝負でそれまでに力を蓄えさせるというやり方ができなくなります。絶えず到達度試験向けのシフトを組まなければならないのです。それにセンター試験でも問題が尽きてきたと言われます。それほど問題作りは大変なのです。

 それを毎年複数回して、レベルを毎回同じ程度にする問題を作るというのは大変です。受験する側も大変ですが作成する側も大変です。さらにそれを実施する大学側も大変です。センター試験のたびに、ミスが指摘されています。それが複数回となれば大学側の負担も大変です。

 欧米では1点2点の差はそれほど問題にされません。ところが東アジア(日本・韓国・中国)などでは点数が大変なのです。中国にいた時も統一試験の問題が新聞に掲載され、高得点者は高校の校内に名前と点数を貼り出されていました。

 指導した先生を呼んでパーテイまで開かれるのです。(謝恩会)それが新聞に写真入りで紹介されるのです。東アジアでは大学入試は大変なイベントなのです。(韓国では遅刻しそうな生徒をパトカーで運んだりします。)政治家の思いつきで簡単に変えられたら現場は大変です。ただ教師はおとなしい人が多いので表だって反対はできないと思います。

 それに公立学校の場合、政治活動は禁止ですから、政府が決めればその通りしなければなりません。おじさんは定年を迎えていて本当に良かったです。(給料もボーナスも大幅ダウンするし、年金開始も遅くなるのですから。)

 明日から試験の採点です。