新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

2030年の世界と日本ー縮みゆく国日本

今日は曇り空です。明日は待望の雨が降りそうです。昨日試験が終わって、今日は採点です。2年生の分だけ午前中に採点しました。去年とはクラスが違いますが、余りできは良くないようです。

 ブログを書いたら1年生の分をしようと思っています。午後からは孫っちが来る予定です。来たら採点はお休みです。そういえば昨日アメリカの雇用統計の発表がありました。円高の後また円安に進んだようです。雇用統計もどっちつかずで、とりあえず金融政策の変化はないということでアメリカの市況は大幅上昇しています。

 月曜日の日本の相場も、アメリカでの円安株高を受けて上昇すると思います。このところ売りが優勢だったので、そろそろ売りつかれというところでしょう。

 さて先日本屋さんに行ったら2030年の日本という本がありました。ぱらぱらめくってみたのですが、大して目あたらしいことはありませんでした。2030年といえば、おじさんは80歳を超えています。今年66歳なので後17年ですから83歳です。

 つまりとうとう人口の塊の団塊の世代が80歳を超えていくのです。日本にとっては大きな重荷になるでしょう。昭和21年~25年までの5年間に生まれた人が、たぶん800万人以上生き残っているはずです。逆に2025年から2030年に生まれてくる子供は5年間で400万人くらいでしょう。

 幼児の2倍後期高齢者がいることになります。また22歳から52歳の人口と53歳から83歳までの人口がほぼ同じということになります。つまり働き盛り一人が高齢者一人を支える時代がすぐ目の前に来ています。

 膨大な社会保障費が必要です。年金の減額や支給年齢は引き上げることができますが、医療費を減らすことは生命にかかわることなので難しいでしょう。実は介護費用が膨大になると思います。というのは現在独身の人が高齢者になって病気になったり、体が不自由になった時、家族がいないのでお世話ができないのです。

 甥や姪に自分の配偶者と同じお世話を頼むわけにはいきません。また年金がなかったり、あっても少ない人が高齢者になります。非正規社員やはたらいていない若い女性たち(俗にいう家事手伝い)です。

 消費もものすごい勢いで落ちてきます。自動車を考えても80歳を過ぎて新車を買う人は少ないでしょう。前述した高齢団塊の世代家庭は人口の半分として400万世帯はあります。以前ならこの400万世帯がほぼ全員車を買い換えていたはずです。

 それが2030年くらいを境に買わなくなります。買っても小さな軽自動車になるでしょう。(運転がしやすいし、遠出することもないので)電化製品も同様です。2040年には90歳代になります。そのころまで新しい電化製品や自動車が必要とは思われません。何とか今使っているものを使うはずです。

 外食にも行かないし、家庭内消費もわずかです。おまけに死ねば今住んでいる家は空き家になります。今話題のシニア市場も終わりです。高度成長期に企業人として過ごした団塊の世代はお金をそこそこ持っています。年金もその後の世代より多いはずです。なぜなら原則団塊の世代の高齢者は大企業サラリーマンだったからです。(団塊の世代の人で20歳代から非正規社員の人はほとんどいません。)

 しかし、それから後の世代はリストラや非正規社員が増加しています。団塊ジュニアも2030年には50代半ばになっています。日本の国際的地位も低くなっています。というより既に時代はアジアの時代が終わりアフリカの時代になっているでしょう。

 日本だけでなく、今強国となっている中国もすでに高齢社会に突入しているはずです。文化大革命以後に生まれた世代はもちろん、一人っ子政策後に生まれた世代がそろそろ高齢者に近付いてきます。この数年で一人っ子政策をやめても子供にかかる費用から考えて急に人口が増加するはずはありません。

 南米でも出生率が落ちてきているようです。そういえば、中国やマレーシアでも輸出が減少したとありました。人口がアフリカなどを除いて減少傾向にあるのに生産過剰は続いていると思います。

 ただアフリカの場合、インフラ整備やカントリーリスク(部族問題や宗教問題など)が大きく、アジアや南米のような急速な発展は難しいと思います。

 結局日本は先進国から脱落して中進国となりひっそりとアジアの一角で過ごしているでしょう。中国も国は大きいけれど高齢者問題で身動きがとれないはずです。台湾・韓国も同様です。北朝鮮は瀬戸際政策をしようにも、どこの国も相手にしないで(相手にする余裕がない)、結局フイリッピンのように世界中に働きにでてその出稼ぎのお金で生きていることでしょう。

 もちろん、今の政権のいう国防軍ができても、兵隊になる若者の数が足らないし、軍事費にまわすお金も社会保障費の増額でありません。保守派の人が何を言っても800万票を持つ団塊の世代社会保障費の減額を認めないでしょう。

 保守派の人も高齢化してヘイトスピーチをする気力もなくなっているでしょう。人口増加には移民という手がありますが、単一国家・単一民族神話に凝り固まって排外主義社会日本ではおよそ無理です。

 そもそもおじさんも2030年まで生きているかどうか分からないので、結果を見ることができないかもしれません。もしそうなっても縮みゆく国日本を見なくてよいのでそれはそれでいいでしょう。

 明日は教会です。