新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

雑誌の目次から外交を考える。

今日は雲lりがちの一日でした。午前中は所用があって忙しかったです。帰って相場をみるとすでに値下がりしていました。三日天下どころか一日で下落というところです。(株の格言にも「上げ100日下げ3日と言います。)

 今日は各種の雑誌が発売されていてその目次がでていました。アベノミックスが5月の中旬まで好調だったので、韓国中国の経済が低迷するという記事が見られました。おじさんが見た宣伝はSAPIOとVOICEです。前者は「デフレ中韓は相手にしない」、後者は「韓国がついにギブアップ」です。

 その記事が書かれた後に日本の株式相場は下落し、一時100円を超えた円ドル相場も90円台へと逆戻りです。それにデフレ脱却どころか、世論調査によれば国民はアベノミックスで生活が楽になるとは思っていないようです。

 それとおもしろい記事は「安倍外交に完敗した習金平政権」です。これはVOICEという雑誌の記事です。事実は安倍首相の訪米の際は昼食会だけで、習主席の訪米ではリラックスした姿で泊まりがけでの対話です。扱いは格段に違っています。

 アメリカの場合、確かに日本も大切ですが、中国を切り捨てるわけにはいかないでしょう。そういえばVOICEの記事に「米中帝国の衰退に備えよ」とありました。米中が衰退したら日本の製品はどこに輸出すればいいのでしょうか。アフリカや東南アジアを相手にしようというのでしょうか。

 アフリカや東南アジアが一緒になってもアメリカや中国の代わりにはならないでしょう。そもそもアフリカや東南アジアも中国やアメリカへの輸出で生きているのです。またサイトの記事を見てみると、アメリカは確かに日本の味方をするけれど、中国封じ込めをする気持ちはないようです。日本がアメリカから離れる気がないので、中国との対話を進めているのかもしれません。

 今日本も韓国も対立していますが、日本の保守派の論調は「韓国がついに日本にギブアップ」(SAPIA)に表されるように、韓国が日本に頭を下げると考えているようです。

 一時日本の抜いた韓国が日本に頭を下げるのは日本にとって痛快でしょうが、逆に言えば韓国にとって耐えがたいことです。それなら苦境にある韓国はどうするのでしょうか。日本に頭を下げるくらいなら中国に頼るでしょう。事実今では韓国の観光客の多数が中国から来ています。

 もともと歴史的には韓国は中国の文化・経済に従属していました。韓国の国王が即位する場合、必ず中国側に連絡して承認を得ていたようです。(韓国の歴史ドラマにはその場面がしょっちゅう出てきます。)また江戸時代の朝鮮通信使が来た時、文人たちが争って教えを乞いに来たそうです。

 ですから日本に頭を下げるのは韓国のプライドが許せないでしょう。日本が圧力をかければかけるほど韓国は中国へと向かうと思います。韓国が中国と仲良くすれば、北朝鮮ははずされてしまいます。北朝鮮は独自に中国とつながっていることで国家が存立しているのです。

 韓国と中国が結んで北朝鮮に圧力をかけてきたら相当厳しいでしょう。日本と結ぶと言っても拉致問題があります。日本は被害者が全員帰るまで北朝鮮を許さないでしょう。全員というのが難しいです。日本側が何をもって全員とするのか北朝鮮側は想像もつかないでしょう。

 北朝鮮側としても、これで全員ですと言っても、日本側がいやまだいるはずだと言えばそれで終わりです。飯島訪朝はあの後外交交渉にはつながらず、逆に北朝鮮と韓国との交渉は徹夜に近い形で進んでいます。笑顔でテレビにでるようではまともな交渉はできていません。

 掴みあわんばかりの議論があってこそ先へ進むのです。北朝鮮と韓国の交渉は相当長時間に及んでいます。議論が沸騰するからこそ時間がかかるのです。

 北朝鮮も韓国も近隣の日本や中国との関係で悩んでいます。もちろん中国も成長率低下に悩んでいます。それでは日本は日の出の勢いかといえばそんなはずはないでしょう。アベノミックスの成果はまだ出ないで、逆に経済指標というべき株式市況も為替市況も不安定です。

 おまけに中東の優等生と言われたトルコもデモが激化しています。それにマレーシアなどの東南アジアの国も成長率が低迷しています。最後にもう一つの雑誌記事「30年後の日本 人口激減時代の衝撃ー2100万人の日本人が消失する」(文芸春秋)です。

 今保守派の人は日本が復活し中国や韓国が衰退すると意気盛んです。しかし、人口統計だけを見ても間違いなく日本は縮んでいきます。残念ながら保守派の人には人口激減社会に対応する方策がないのです。反韓、反中ですから、日本語や日本文化に一番近い民族の移民は不可能です。(韓国・中国など)

 東南アジアやアフリカから日本への移民を受け入れるのももっと難しいでしょう。一番有力で可能な人口激減阻止対策は移民しかないのです。

 今のヘイトスピーチ反韓反中の書きこみなどみると移民政策をあきらめ、どうも日本は静かに人知れず縮小し、中流国家としてアジアの片隅に生きる江戸時代のような国に戻るのを内心望んでいるのでしょう。それも国民の選択であるならば仕方のないことです。2030年頃から始まる超高齢社会になってあわててもどうしようもありません。

 まさに深慮遠望(深き慮りなければ近き憂いあり)です。2030年はあと17年すぐにやってきます。2030年は80歳以上の高齢者が800万人以上いる時代です。介護の必要な人は数百万人に達するでしょう。

 明日も試験の集計です。