世界経済変調のきざしー新興国の混乱
今日は朝から大雨でした。というより前日の夜から音をたてて雨が降っていました。このところ雨の日は学校に自動車で行っています。今日も自動車だったからびしょぬれにならず済みました。
株価はとうとう支えきれず下落しました。12000円台を割ってきています。明日は13000円台に戻すと思います。このところ株価や円の乱高下でおわかりのように、日本だけで経済をどうこうできる時代ではなくなっています。
といっても政治家でも経済学者でもないので傍観しているだけです。橋下さんのお得意のセリフは「対案を出せ」でしたが、グローバルに経済が変調している状況で対案など日銀総裁でも出せないでしょう。特に彼はすでに異次元金融緩和をやったのですから、手は残っていないでしょう。
確かに最初に人が驚くような政策を打ち出したので効果はありました。劇薬が劇的に効くようなものです。しかし、もし劇薬を使い続ければその副作用は大変なものになります。また失敗した時のダメージは大きなものがあります。経済関係者もだんだんそれが分かってきたようです。
ところで今世界的に起こっている経済の変調に日本だけが無関係なはずはありません。日本の投資家の方にも大きな影響がでてきているはずです。今国内情勢が混乱している国を考えてみましょう。トルコ・ブラジルです。大規模なデモが起こっています。
この二国に共通するのは新興国というカテゴリーです。さて新興国と呼ばれた国は他にありましたね。中国・ロシア・インド・それに加えて南アフリカです。今ロシアを除いて中国・インド・南アフリカが大きな経済的変調をきたしています。
インドと南アフリカは通貨の下落にみまわれています。そういえば、一時高金利に目をつけてトルコリラ建て債券、南アフリカのランド建て債券、ブラジルのリアル建て債券が売りだされていました。ほとんどの証券会社が扱っていたような気がします。
そのような国の通貨は今大幅な下落にみまわれています。おじさんは、それらの新興国の通貨建て債券を見て金利は高いけれど危険だと思っていました。カントリーリスクが高すぎりからです。事実現在この3つの通貨は下落しています。おじさんも以前ニュージランドドル建てファンドを購入して円高になり売却まで大変でした。
この債券も今回のアベノミックスの円安に乗じてうまく売り抜けることができました。今は売った時の値段より円高になっています。もしアベノミックスを信じて債券を持ち続けたら、評価損がでていました。
お金は経済の血液です。今までアメリカの金融緩で人間で言えば高血圧な状態だったのです。高血圧な人はどちらかというと活動的で活発なのです。ところが低血圧になると動きが鈍くなります。
今起こっているのは資金が新興国からどんどんアメリカへ還流している現象です。日本の円安もその流れに沿っています。アメリカが金融緩和をやめて金融引き締めへと向かえば政策金利も上昇します。お金は金利の低いところから高いところへ流れます。
新興国の資金が不足すれば経済活動に必要な資金が不足します。つまり不況になるということです。もちろん新興国が不況になる前にアメリカ経済が持ち直してどんどん輸入をしてくれれば一番いいのです。しかし、今のところアメリカ経済はそこまで回復していないと思います。
新興国へ輸出しているのが日本です。もちろんアメリカにも直接輸出していますが、日本企業が新興国の工場で生産したものをアメリカへ輸出しているはずです。新興国はアメリカやヨーロッパへの輸出で成り立っています。同時に日本からの工場移転で働く人も増え内需も拡大していました。
安倍政権の高支持率は経済政策が評価されています。しかし、たとえ参議院選挙で勝利しても円高・物価高・金利高となれ支持率も下がってくるはずです。おじさんの予想では異次元の金融緩和は最後に膨大な財政赤字を残すだけで終わりそうです。
一時もてはやされ、劇的な総選挙の大勝利の結果行われた小泉改革も結局非正規社員を増やし、バス事故やタクシー業界の疲弊のような規制緩和の負の遺産を残しただけでした。国民からすれば郵政改革で熱狂した選挙は何だったのだという気持ちでしょう。(おじさんも郵便局へ行くたびの思います。)
人口減少や財政赤字といった日本の根本問題は規制緩和や金融緩和だけで解決できるものではありません。やはり所得配分を平準化する必要があると思います。一部のお金持ちだけが栄えて大部分の庶民が苦しむのでは長期的な繁栄は難しいでしょう。
明日もまた授業です。