新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

物事の多面性ー中国崩壊論に思う

今日は蒸し暑い1日でした。午後から授業でしたが、今日はバスなので10時頃に家を出て、途中で食事をして学校へ行きました。おじさんの勤務する学校には日経新聞が置いてあるので、毎回勤務するたびに読んでいます。それに今日は経済週刊誌(エコノミスト東洋経済・ダイヤモンド)の発売日です。

 毎回かかさず立ち読みしています。アマゾンは特定の本を注文するときはいいのですが、立ち読みができないので困ります。幸い学校に行く途中に大きな書店があって助かります。

 株価も予想通り上昇しました。以前から書いているように、13000円台を割り込むと買いが入っています。そして上がりそうになるとどこからともなく売りがでます。このような狭い範囲での相場をボックス相場と言いますが、まさに今がそれです。

 ところで、中国の経済の低迷について書いたのですが、ある方から中国が数年のうちに分裂するが、日本との経済関係が少ないので余り影響はないのではとコメントがありました。

 おじさんが今読んでいる小説でも中国の分裂や政権の崩壊を期待する記述がありました。えらそうに威張っていた中国が崩壊したり分裂すれば小気味よいでしょうが、そんなわけにはいきません。政治的経済的に大変な動乱を起きます。

 国家崩壊はほとんどの場合災厄を世界中にばらまくことになります。北朝鮮崩壊説は何度も流れましたが現実には崩壊していません。逆に携帯電話の保有数が激増しているようです。北朝鮮のようなアジアの最貧国であっても、闇経済で結構国民はお金を持っているのです。

 北朝鮮が崩壊したとしても、その難民問題や現在の政権以外にどうのような政権ができるのか難しいところです。韓国も中国も何とか北朝鮮の崩壊を防ごうとしています。日本はそれほど影響がないので、なぜ中国や韓国は北朝鮮を崩壊させないのかという論調が多いのですが、現実には中国や韓国は大変な問題を抱えこむことになるから、やっきになって崩壊しないよう支えているのです。

 中国の場合は共産党政権が崩壊したらまず次にどの政権が13億の人民と広大な国土、多民族をまとめていくのでしょうか。民主派といっても現実の政治運営の経験が全くありません。民主党のように過去に政権に参加したことのある政治家がいてもあの調子でした。

 核兵器も持つ国家運営が崩壊したらその影響は計り知れないでしょう。核兵器以外の武器の流失もあります。またチベットウイグル独立運動が起きて仮に独立したとしたら、今度はその地域に住む漢民族の処遇が問題になります。さらにチベットウイグル地区の経済はとても一国を支えられるものではありません。

 もちろん政治不安から難民が激増します。日本にも大勢中国人がいるので、祖国を失ってそのまま日本にとどまるとまた問題が起こります。さらには難民が日本の知り合いを頼って大勢押し寄せてくるでしょう。北朝鮮の場合とは数が違うので大変です。

 経済規模はGNP世界2位です。その国には日本だけでなく世界中の企業が投資をしています。合弁会社も沢山あります。政権次第では過去にあったように資産を没収することもあります。そうでなくても日本国内の安売り商品のほとんどは中国で作っています。

 いわゆるメイドインチャイナです。このような商品は特にヨーロッパにも多いです。これが入ってこなくなります。東南アジアやアフリカに投資すると言っても時間がかかります。その前に中国から引き揚げることができればいいのですが、出国禁止になるかもしれません。

 アメリカ経済への影響も計り知れないでしょう。HPの大きな工場がおじさんの住んでいた街にできていました。あれも接収となれば大変です。NTTドコモの会社もありました。

 中国や韓国がつぶれればいいのにというコメントを良く見かけます。貿易の面だけでなく安全保障の面でも一国の政権が安定するほうがいいです。一番肝心なのは、中国の国民が政権交代や分裂を望んでいるのかということです。

 今中国では事実上どんなニュースでも見ることができます。中東の春がどうなったかも知っています。シリアの内戦で10万人が死んだことも知っています。そして文化大革命で大勢の人が死んだことも知っています。まだ生生しい記憶です。

 共産党の腐敗や格差社会も事実です。しかし、現代の中国社会を全て壊すようなことをして未来に展望が開けると中国の国民は考えているのでしょうか。おじさんが2年前に会った中国の人はそうは見えませんでした。まさに上に政策あれば下に対策ありです。

 コネ社会であれば自分もコネを作るし、人が何かを頼めばそれ相応のことをしてもらうということです。日本人の場合、ひとつの方向に流れやすいです。小泉改革がいいとなった皆熱狂し、民主党がいいとなったら皆そちらに流れ、橋下さんに熱狂し、それが冷めるとアベノミックスがいいとなります。

 まるでジェットコースタのようです。狭い国土に知識のある大勢の人が同一の価値観で生きています。このような日本と他人は他人自分は自分という中国ではたとえ不満があっても出方が違います。日本人なら皆一斉に怒り出すようなことでも、ある人は怒ってデモをしている横で悠々と麻雀をしているでしょう。

 もし、マージャやトランプ、中国将棋をしている人が皆デモに参加したら、これは本気です。国民はたとえ国が崩壊してもデモをやめないでしょう。その時は日本も覚悟して世界大恐慌と世界大動乱を覚悟すべきです。おじさんが生きている間そうならないことを祈っています。

 明日も授業です。