新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

相続は難しいです。-不動産を中心に

今日も暑かったです。今日は午前中庭の草刈りです。先月もやったのですが、今の時期は毎月やらなければなりません。それほど広くないのですぐ終わりました。

 別荘の方の草刈りも大変です。また行ってやらなければなりません。ところで今日の新聞の記事に相続について出ていました。今相続に関する話題がマスコミでもよく取り上げられています。団塊の世代がちょうど相続の時期にさしかかっているからでしょう。

 今回の記事は財産を残すことは必要かというのが中心でした。おじさんは必要だと考えています。おじさんの時代は両親が豊かでなかったので、財産を相続するなど考えてもみませんでした。その代わり仕事もあったし、年功序列・終身雇用で生活に困ることはありませんでした。

 ところが今の若い世代はそうではありません。特に賃金が上昇しないし、いつリストラされるか分からない時代、やはり財産を残したいと思います。とくに孫がお金がないので進学できないなどということにならないようにしたいです。孫の教育のための信託を設定したら口座開設が激増したという報道がありました。

 納得できるところです。しかし、今日のブログはそのことではありません。自分が相続する際の問題点です。相続で一番もめるのは不動産の分割だと言われます。特に土地付き一戸建てが難しいそうです。実はそれ以上に難しい不動産の問題があるのです。

 それは地方にある農地や山林です。おじさんの知り合いの例でも本人は東京に住み、北海道に相続した山林があり、息子さんは九州に勤務している例がありました。その上息子さんは独身です。他にお嬢さんがおられます。こちらも独身です。

 ご主人がなくなれば息子さんが相続すると思います。もしお嬢さんが結婚したとします。問題は息子さんが独身のままなくなった場合です。お母さんが遠く離れた山林を管理するわけにはいきません。さりとてお嬢さんとそのお婿さんが管理するのも難しいでしょう。

 さらにそのお嬢さんがなくなったら、山林はご主人のものになります。お嬢さんに子供さんがあればそちらが相続するでしょう。それにしても、山林の管理は大変です。

 相続が面倒だというのでほっておくとさらに相続権者が増加します。そしてその山林で火事があったり山崩れがあって近隣に被害が出たとしたら、相続権者全員に責任が及びます。

 バブル以前に何回か土地ブームがありました。その時資産運用としてとんでもない土地を売りだしたりしたものです。原野商法とも言われました。そこまでいかないにしても、現在では全く利用価値のない土地を両親が投資として購入し所有している場合も結構多いです。

 利用価値があっても、農地を売買するのは大変です。農地ならよいのですが、山林などそもそも境界線を画定するのも一苦労です。市街地調整区域ですとまず買ってくれる人がいません。ただで上げると言っても利用価値のない土地をもらってくれる人もいません。

 よくいらなくなった猫や犬を捨て猫、捨て犬にしますが、捨て不動産はありえません。農地や山林、市街化調整区域の土地はそれでもほとんど非課税です。ところが地方の宅地を所有していると固定資産税がかかります。業者が投資目的で小規模に開発した団地などは全く家もたたないまま放置されています。

 こんな土地はほとんど利用価値がないのに宅地である限り固定資産税がかかります。(ほとんどの場合、水道もなく電気もきていません。)それだけでなく、雑草が生い茂ったりすると地方自治体から整備するよう通告がきます。草刈りを依頼すると毎年数万円かかります。

 家屋でも地方の場合放置されます。一度結構山奥の集落を通過した時朽ち果てた空き家を何軒も見ました。そこにいた人は亡くなって子供さんも遠くへ行き、さりとて撤去するのはお金がかかるし、そのままにしているのでしょう。それでもその集落には住んでいる人も結構いました。

 読者の方は自分には関係ないと思っておられるかもしれませんが、突然実はこんな土地があって相続の手続きがされてないのですがと連絡がくることがあるかもしれません。たとえば区画整理や地籍調査で持ち主に連絡が来たりするのです。(おじさんの義父にそんなことがありました。)

 東北大震災で復興が進まない理由の一つに大勢の相続関係者がいて困っているのです。遠くの土地だけから相続手続きをしないでほっておいた結果です。数代前の人が所有していた土地をそのまま相続しないでおくと、相続関係者(相続の権利を持つ人)はあっという間に数十人になってしまいます。

 対策は早めに住居以外の不動産を処分するか、相続人を指定して因果を含めるかです。不利な不動産を相続する人にはその分お金を多く相続させるなどのバランスをとる必要があるでしょう。一番悪いのは黙ってほっておくことです。

 後になればなるほど先に書いたような相続上の問題が起こります。おじさんも別荘の土地をどうするか考えています。別荘の近所の人が買ってくれればいいのですが。といってもまだ別荘で畑作りを楽しみたい気持ちもあります。

 読者の皆さんはよくよく考えられるようお勧めします。明日は教会です。