新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

近き慮りなければ、遠き憂いあり2ー国内政治編

 今日も真夏日です。雨は7月に入って突然のにわか雨以外降りません。6月に結構降ったので、水不足の心配はないと思いますが、8月に入っても雨が降らないとちょっと心配です。

 株価は下落しましたが、値上がりが急だったのでちょっと調整というところでしょう。アベノミックス効果も薄れ、上がったり下がったりの相場になってきました。内閣参与の在外日本人経済学者が、消費税は上げないようにした方がいいと言ったとの報道がありました。

 選挙は与党の圧勝でこれから決められる政治あるいは取り戻された政治が始まるのでしょう。ところで、今日は遠き憂いを失くすために、近き慮りが必要だと言うことを書きます。

 遠き憂いはすぐに思いつくと思います。最大の国内政治における遠き憂いは少子高齢社会と財政赤字です。安倍政権は全ての道はインフレからというので、どんどん国債を発行し、それを日銀が引き受けて市中に通貨が出回るようにしています。

 それとアメリカの景気回復傾向、金利上昇で円安になりました。お陰で狙い通り、輸入インフレが起こっています。ガソリンを筆頭に食料品なども値上がりしています。さて参議院選挙後どうなるのでしょう。安倍政権は企業に賃上げを依頼していますが、景気が回復したわけでもないのに賃上げはできないでしょう。

 常識から考えて、インフレになれば金利は上がるし生活は苦しくなります。過去の日本でインフレが問題になったのは、戦後すぐと高度成長の時期です。戦後のインフレはいろいろ理由がありますが、戦時中に膨大な国債を発行し通貨が信頼を失ったことと、戦争で全てを失い膨大な需要があるのに、戦争で生産設備が全て破壊され供給がストップしたからでしょう。

 高度成長期のインフレは原油価格の上昇が大きかったです。それと団塊の世代の旺盛な購買意欲に供給が追い付かなかったという事情もあります。

 さて話は戻って少子高齢社会では介護・医療など多くの問題が山積しています。団塊の世代が後5年で70歳台に突入します。まず働いている人はいないので、年金で不足する分は預貯金の取り崩しということになるでしょう。今銀行が国債を買っていますが、その資金は高齢者の預貯金です。

 また社会保障費は拡大の一途をたどることになるでしょう。年金だけでなく70歳代になれば、病気も増えます。さらに、新しい医療や薬品は極めて医療費がかかります。老人が早く死ねばいいのでしょうが、近代民主主義国家では口が裂けてもそんなことは言えません。

 インフレによって購買を増やし景気を回復させ、増収を狙うという経済政策は多分失敗に終わるでしょう。その時は政府の財政赤字はさらに増え、世界経済の悪化で輸出はそれほど伸びず、逆に中国がドルを売るために円安から円高になる可能性もあります。

 憲法改正自民党は家族の責任を強調するようです。しかし、すでに家族は多様化しこれまでのイメージでは無理です。そもそも未婚率がどんどん上がるなかで新しい家族の形成は難しいでしょう。また若者が非正規社員になる中で、家族の弱者を支援することも無理です。

 軍事強国になっても、少子高齢社会は解消しませんし、赤字財政も解消しません。かってのように軍事力を背景に日本が近隣諸国に言うことをきかせる時代ではありません。

 そもそも軍事強国とするための軍事費増額の原資はどこから持ってくるのでしょう。軍事力は一度拡大させると縮小(軍縮)は極めて難しいです。なぜなら日本が軍拡するのに、近隣諸国が黙ってそれを見ているはずはないからです。東アジア全体の軍拡競争になるでしょう。

 アベノミックスと伝統保守社会への回帰で遠き憂いを解消しようというのでしょうが、そうはいかないと思います。対案を出すことはできませんが、うまくいかないことだけは分かります。おいしいラーメンを作れと言われても作れませんが、出されたラーメンが不味いことは分かります。

 おじさんのブログはそんなものです。遠き憂いに対処するには、将来(20年後)どんな社会を作りたいかです。おじさんは、すでに経済発展はあきらめています。東アジアの片隅にひっそりと生きる小国が遠い未来の日本の姿だと思います。

 明日は教会の資料整理をします。