新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

前門の虎・後門の狼(1)ー消費税問題

今日は昨日と打って変わってにわか雨が断続的に降っています。その割には気温が下がらずムシムシした天気です。今日はそんな塩梅で庭の手入れもできないので、これを書いています。

 株価は円高を受けて大幅安になりました。もう一回下落すれば14000円台を割るところです。偶然なのか、これが先週であれば、少しは選挙に影響したかもしれません。噂では政府が株式が下落しないように買い支えていたという意見もあります。

 いずれにしても、お札をどんどん刷っても、外国為替市場が円高になれば何の意味もありません。アベノミックスをはやして大儲けした証券会社の株(野村ホールデイグス)も700円台まで落ち込んでいます。最高値から200円下がっています。1万株持っていたら200万円の評価損です。

 ところで、今日は消費税について書きます。これについては、ある方からコメントが来ていました。その方は消費税については絶対反対というご意見のようです。消費税に対する評価は二つの視点から考えることができます。これは安倍政権にとってまず第一の関門です。

 どちらの立場をとっても怖い猛獣が待っています。参議院選挙では経済回復つまりアベノミックスしか主張しなかったので勝ちましたが、逆に宿題として多くの問題が残っています。橋下氏を見るまでもなく、世上の人気などちょっとした発言一つで逆回転します。

 さて、二つの立場とは財政再建か景気維持かということです。財務省や財界は前者です。国民一般は後者です。誰でも税金が上がってうれしいはずはありません。ですから政府与党はもっと選挙戦で消費税の必要性を主張しなければならなかったのです。

 しかし、アベノミックスの異次元金融緩和でお金を市中にどんどん出して景気回復させると言った手前、消費税の値上げで消費が減退するようなことは言えなかったのでしょう。異次元金融緩和でインフレ2%を目指していますが、消費税の値上げだけで軽くクリアーするでしょう。

 消費税値上げはどう考えても賃金上昇につながりません。国民負担が増えるだけです。それでは消費税を上げなければどうなるでしょう。政府はこれまで以上に借金(国債発行)を積み上げています。景気が回復して税収が増えればよいのですが、そうならなかったら大変なことになります。

 また国際的な信頼もなくなります。日本があれだけ借金を抱えていても極端な円安にならないのは、消費税値上げを公約しているからです。今景気が回復しつつあるのに消費税を上げなくていつ上げれるのかと海外から責められるでしょう。

 消費税を上げれば内閣支持率が下がるし、上げなければ財務省や財界、各国の中央銀行や財務担当者の信頼を失うでしょう、それでなくても中国に比べて冷たい扱いをしているアメリカはもっと日本を信用しなくなると思います。国民の反対を押し切っても不人気な政策を実行するのが政府の仕事だと考えているからです。

 ねじれもなくなり、圧倒的多数の議員を擁し、選挙もしばらくない内閣で消費税を上げられなければこれから先絶対に消費税を上げることはできないでしょう。

 ここまで書けばおわかりかと思いますが、おじさんは消費税値上げ賛成派なのです。財政規律を今引き締めたおかないと将来財政破たんすることが見えています。

 バブルの頃、これはバブルだから気をつけなければいけないと主張した人は少数でした。おじさんはバブルだと認識していました。それで株式を売却して損失を最小限にとどめることができました。理屈は分かりませんがこれは今までの経験から考えてヤバイという時、結構そのカンは当たるものです。

 アベノミックスの初期株価が暴騰しましたが、あの時もこれは危ないと思って無事売り抜けました。今回の消費税は安倍政権の試金石です。支持率低下を恐れて消費税値上げが先延ばしすれば、次々に起こる難問に翻弄されてしまいます。

 絶対多数を持ち盤石の政権の前には恐ろしい地雷原が続いているのです。一歩誤れば政権はあっと言う間に吹き飛ぶでしょう。自民党の派閥リーダーはそれを手ぐすね引いて待っているのです。与党多数の時代の敵は同じ党内の同志なのです。

 明日はクーラーの工事に業者さんが来ます。