新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

麻生発言の波紋ー国際的な波紋

今日も真夏日です。木曜日から今日まで所用で家を留守にしていました。株価の方は上昇傾向にあります。このまま行ってくれたらいいのですが。

 ところで今日は麻生発言についてです。日本の新聞は余り取り上げませんし、自民党でもそれほど問題にしていないようです。多分日本国内ではそれほど深刻に考えていないと思います。

 ナチスと言っても所詮遠い歴史の出来事にしか日本人は思っていると思います。しかし、ヨーロッパやアメリカでは簡単に忘れることのできない出来事なのです。日本の場合先の大戦でさえ、防衛のための戦争だったとか、東南アジア独立のために貢献したとか、旧植民地も日本のおかげで近代化が進んだと言う意見も多いです。

 安倍政権の場合、特にそのような考え方の政治家が多い気がします。それは国内的には構わないと思います。しかし、同じ時期戦ったドイツ特にナチスについては当てはまりません。もしナチスのおかげでアウトバーンのような高速道路が整備されてよかったなどとヨーロッパで発言したらその政治家は政治生命を失うでしょう。

 そのようなヨーロッパの傾向を麻生さんが知らなかったとしたら政治家それも首相までした政治家としては失格です。ヨーロッパでの安倍政権の評判は相当悪くなったと思います。前後の文脈から考えてほしいと言うのが麻生さんの考えでしょう。

 また保守派の人も麻生発言を非難する人は上げ足をとっているだけだと考えているはずです。しかし、今中国と日本がアメリカやヨーロッパでしのぎを削っている時に、比喩的表現としてでもナチスの例を出すなど信じられないことです。ドイツも含めてヨーロッパではナチスのことは忘れたい歴史なのです。

 言いかえれば口にも出したくない歴史なのです。封印された歴史を言ってもよいでしょう。それをわざわざ遠いアジアの政治家が掘り出してきて公言したのです。これは中国や韓国に日本の保守派がいかに危険な存在であるかの証明を与えたようなものです。

 とくにナチスが合法的に政権を獲得し、あのような政治体制を作り上げたことはヨーロッパ諸国には悪夢なのです。今日本が憲法改正をすることについてアメリカは危惧の念を持っています。アメリカのおけるユダヤ人の政治力は無視できません。

 そのような状況の中でナチスの名が出てきたのはショックだったと思います。日本のとっては中国との関係の中で徐々に効いてくるでしょう。日本に反感を持っている勢力に大きな武器を与えたようなものです。

 今の政治状況では麻生さんが辞任したり、これ以上謝罪したりすることはないでしょう。おじさんも今の日本の状況下でそのようなことは望むべくもないと思います。

 しかし、麻生さんの発言が日本で考えられている以上に大きな影響があることだけは書いておきたいと思います。

 明日は教会です。